関西人から見ると、出て来るセリフが、不自然で何かの漫画で出てきそうな関西弁である。
作中の主人公達の会話も、不自然に知的で論理的なやり取りで、
登場人物達に合っていない。
街の描き方も、梅田が雑然としていて、歩いている人の種類も様々とのこと。
著者は難波や天王寺などに、ほとんど行ったことがないのだろう。
多分この著者は、恵まれた家で育って、進学校や予備校に行ったことがあっても、
実際にいろいろな街の様々な人と関わったことがないのだろう。
出てくる格闘シーンも、全くリアリティがなかった。
また、出てくる拳銃も、映画には出てきても、実際には日本では
ほとんど入手不可能だろう。
主人公たちが乗る車も、実際に乗っている人はほとんどいないものである。
恵まれて育った大学生が、漫画やVシネマで見たことを小説にして、
黒川博行を真似ようとした感じの小説であった。