マチンガのノート

読書、映画の感想など  

わたし、虐待サバイバー/羽馬千絵 感想

2020-03-27 00:30:35 | 日記

著者は子供時代から、家族による様々な虐待にさらされ、

成人後も様々な症状に苦しめられてきたが、そのことで精神科を受診しても、

成人後の症状と成育歴とを結びつけて考える医師はほとんどいなかったとの事である。

著者はかなり自分が虐待されて育ったことを自覚していて医師に伝えようとしても

伝わらなかったのだから、もっと虐待体験に深く影響されて、自分の症状と

虐待体験とのつながりを自覚できない人に対しては、有効な対応を取れる医師は少ないのだろう。

多くの精神科医は、虐待の症状は子供時代に現れるとしか知らずに、

成人後の様々な症状や困難さを、成育歴に関連付けて考え、理解しようとする

発想を持っていなかったとの事である。

多くの医師は成人後の様々な症状や困難さを成育歴と関連付けて診察する知識が無いので、

診る医師により様々な病名を付けられるので、有効な治療やサポートを

受けられなかったことに関してはかなり詳しく書いている。

虐待された子供の治療、サポートはある程度あるが、成人してからは

治療もサポートはほとんどないとの事だ。

医師は多忙なので、海外の研究について学ぶ時間がないことが

原因の一部だろう。

さらに家庭での一般的な教育やしつけの結果、自分はアダルトチルドレンになったので生きづらい、

何をしても上手くいかないという人が一時精神科を多く受診したので、

医師の側も虐待に関して受診する成人した患者さんに深く関わろうとする人は

あまりいないとの事だ。

最後に精神科医の和田秀樹氏との対談で、如何に日本の虐待に関する

精神医療が米国などと比べて遅れているについて話し合っているところに

説得力があった。


下級国民A/赤松利市 CCCメディアハウス 感想

2020-03-27 00:15:40 | 日記

著者の赤松氏は、植物病理学者の父親の息子として育ち、

帰国子女との事で、かなり恵まれた成育歴のようです。

そのため土木作業員の人たちの趣味に関しても、

雑誌やテレビで見た浅薄な内容でしかないことを見て、

その背景としては幼少期からの貧困があるのだろうしていますが、

底の浅い趣味や嗜好などに対して、結構上から目線な描写で書いています。

恵まれて育った優秀な赤松氏は、知識が浅く抽象的思考の弱い人を

反射的に下に見ることが身についているのでしょう。

そのような態度は恵まれて育った人に共通していることなのでしょう。

被災地での土木工事や除染作業は、いくつもの下請けの構造があり、

それぞれピンハネが行われているとの事ですが、土木業界では昔からそうなのでしょう。

赤松氏は自分の会社が立ち行かなくなり、土木の世界に関わるようになったとの事ですが、

それまでは恵まれない人に関わった事が無かったのでしょう。

赤松氏はそのような職場でも、娘に仕送りするためにそれなりの給与を得るため、

我慢して働いていたとの事です。

そこから移った先の比較的資金のあるところに様々な胡散臭い投資話が

持ち込まれますが、それが上手くいかないことをレポートにまとめて提出して

損害を防いでも、儲けにつながらなかったという事で全く評価されなかったとの事です。

そのあたりも、その土木関係者の抽象的な思考の弱さなのでしょう。

そのため赤松氏はその業界を去りますが、恵まれた階層と恵まれない階層の

解離を感じさせる内容でした。