マチンガのノート

読書、映画の感想など  

アウターライズ/赤松利市 3月9日発売 感想

2020-03-12 22:41:17 | 日記

表題のアウターライズとは、陸地から見て海溝の向こう側で起きる地震とのことですが、

冒頭の津波への鮮やかすぎる対応から、クーデターを煽るような展開になるのだろうか、

と思いながら読み進みました。

ストーリーは、登場人物たちが硬くなったり、軽くなったりと、テーマのわりに変化に富んでいて

読み易いものでした。

ダ・ヴィンチニュースの著者インタビューでは、現地で土木作業員をしながら少しずつ書き進めていたものを

まとめて小説にしたとの事です。

日本の素材産業も多くある東北地方との事ですが、現地の人たちが大手企業でもいかに低賃金で働いているかは

知りませんでした。

現地での作業員体験と、それまでの会社経営者という2つの異なった体験が生かされているのでしょう。

震災や津波を前面に押し出していますが、現代の日本社会全体をテーマにした小説なので、

歴史や哲学を知ることの意味が良く解る小説です。


デイアンドナイト 監督 藤井道人 企画・原案・主演 阿部進之介 プロデュース 山田孝之

2020-03-12 21:05:43 | 日記

全編にわたり、秋田の冷ややかでも綺麗な風景のもとストーリーは

進みますが、善と悪、正しい事と間違っていることの境目が曖昧になってきます。

善と悪も曖昧になってきて、普通に働いても低所得で、詐欺などでもそんなに稼げない、

となると、これからの日本は物理的強奪が増えるのだろうか、と思わせる映画でした。

東アジア人は勤勉とされていますが、それが報われない状態が続くと、どのような方向に

向かうのだろうと考えさせる映画です。

映画「デイアンドナイト」予告