マチンガのノート

読書、映画の感想など  

透明性 著 マルク・デュガン 早川書房

2021-01-16 23:16:15 | 日記

物語の舞台は2060年代で、IT企業などが様々な個人データをずっと集めていて、

それを使いその個人と同じ様なものを、その個人の死後に人間型の機械で再現すれば、

その個人が生き続けることになるという設定に馴染めなかった。

色々なところで内面と外側の未分化や、主体の未成立などが言われるようになっているが、

機械で再現することと、元になった個人が連続するという発想は、

違和感しか感じられなかった。

脳死状態の人からの臓器移植などが盛んな、欧米と日本との人間観の違いだろう。