あらすじ
もともと住んでいた町の産業が衰退したために、家を手放し
キャンピングカーで暮らすファーン(フランシス・マクドーマンド)は、
アマゾンの倉庫や農場で働きながら、各地のキャンプ場などをめぐり暮らします。
そこで同じようにキャンピングカーで各地を回り季節労働者として働く
高齢者たちと知り合うのでした。
感想
ジェシカ・ブルーダーの著書「ノマド/漂流する高齢労働者たち」を中国出身のアメリカ人の
クロエ・ジャオ監督が映画化したものです。
前作「ザ・ライダー」同様に、静かに米国の田舎の景色をきれいに映像化していますが、
前作と違い本作では雨が降っていたり、靄がかかっていたりする景色も多くなっています。
ジャオ監督は中国出身ということですので、水墨画の影響もあるのかもしれません。
全編、淡々とした映画で、米国の田舎の風景をじっくりと見られる映画です。
ほとんどの出演者は、実際に映画の中のような暮らしをしている人とのことです。
『わたしは、ダニエル・ブレイク』などのケン・ローチ監督の映画とは違い、
それほど当事者の悲壮感や怒りなどを感じさせない映画になっています。
国土の広さや歴史、監督による違いが大きいのでしょう。
『ノマドランド』予告編