2014年のフィリップ・シーモア・ホフマンさんの遺作となった映画です。
ジョン・ル・カレの同名小説を映画化したものです。
【あらすじ】
舞台は9.11テロの犯人たちが潜伏し計画を練っていたというハンブルグで、チェチェンから来た青年イッサ
(グリゴリー・ドブリギン)は偶然知り合ったトルコ系住民の部屋に住まわせてもらっています。
彼はドイツに来るまでにロシアなどで過激派への関与を疑われ、拷問を受けていたのでした。
彼を人権派弁護士のアナベル(レイチェル・マクアダムス)が助けようとします。
するとイッサの亡くなった父親はロシア軍将校で武器密輸や人身売買で築いた巨額の資産を
ドイツの銀行に預けていることが解るのでした。
テロ対策担当のバッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、彼のことをマークして監視を付けていて、
それとは別に中東系の富豪であるアブドゥラが様々な慈善団体に寄付しつつ、
それに紛れてイスラム過激派にも資金を提供している事について関心を持っているのでした。
直ぐにイッサたちを拘束しようとする他の部局や米国の情報部に対してバッハマンは大物であるアブドゥラが
居なくなったその後にどうなるかも解らないことから、彼を短期間拘束してこちらの協力者にするように
計画するのでした。
【感想】
狙っている容疑者が居なくなった後のことを考え計画を練る、というのは、太平洋戦争のときに
米軍が山本五十六の搭乗機を撃墜する前に、その後任にどのような人物が就くのかを分析して、その後に
撃墜することを決定したという事を思い起こさせるところでした。
ドイツの他の部局や米国人たちがすぐに拘束しようとするのは様々な人事制度の影響もあるのだろうかと
思わせるところでした。
作中バッハマンが語る左翼弁護士への批判などは、テロ対策の人がいかにも考えていそうな内容でした。
アクションシーンはほぼありませんが、ジョン・ル・カレ原作ということで重厚な内容で、
フィリップ・シーモア・ホフマンさんがはまり役でした。