元大阪府警の堀内、伊達コンビのシリーズ最新作です。
今回は強奪された金塊を手に入れるために、大阪から九州、名古屋まで舞台を広げて走り回ります。
二人はあくまで自分たちの欲で動きますが、関わった相手にある程度気を遣うところが、
ほかの多くの犯罪物の小説と違うところでしょう。
最近の様々な事柄を取り入れつつも、道徳や倫理などの抽象的な方向には向かわず、
自分たちが金塊を手に入れて儲けるために走り回る内容になっていました。
そのあたりが、何かと日頃さまざまな事に気を使い暮らさなければならない読者に
受けるのでしょう。
また、最近はなにかとコンプライアンスというものが話題になりますが、
それにとらわれないインフォーマルな関係が様々なところで描かれていて、
それによってストーリーが進んでいくところなどは、著者が作家生活などで体験したことを
入れているのだろうと思いました。
ひたすら地を這う内容の、あくまでエンタメ路線に徹している一冊です。
安定して気楽に読めるシリーズものの一作として楽しめました。
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