アウトローの父親と暮らす少女の話ですが、父親の生き方のため、
小さな頃から各地を転々としています。
父親の「荷物をまとめろ」の一言で、直ぐに他のところに移る暮らしです。
何かと転々として暮らしているので、引っ越した先の子どもたちとの衝突も多く、
そのため少女は鉄板入りの安全靴を履いたりして対抗していますが、
大人に近づくにつれてそうやっても居られなくなります。
父親は15歳の時にソーシャル・サービスから逃れて、自力で生きてきたので、
法律の外で稼ぐことをずっとしてきていて、そのことから父親も少女も
何かと厄介事に見舞われます。
母親は早くに亡くなったのですが、そのことも詳しいことは判りません。
物語が進むに連れ、父親の体にある銃弾の痕のことが描かれてゆきます。
物語の舞台は警官がグロックの拳銃を持っていることから現代と解りますが、
携帯やパソコンも出てきませんので、時代をはっきりさせない描き方になっています。
あえて時代を超えた普遍的な物語にするためそうしたのでしょう。
2段組350ページほどの本ですが、読み応え十分の一冊でした。
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