著者ふたりの対談を本にまとめたものなので、何かと読みやすくなっています。
臨床に関して様々な心理学などのアプローチはありますが、信田さよ子さんは
DVなどの被害者であるクライアントに関わり続けてきて、さらにその周囲の
家族や加害者である夫などにも関わり、独自の臨床を長年続けてきた方です。
そのため何かと多数出版されている、面接室の中の2者関係を中心に扱った
心理臨床などのものとは、かなり違ったものになっています。
もう一方の上間陽子さんは、教育学者として沖縄で様々な困難な育ちの中の少女たちと
関わり続けてきた方なので、お二人でする困難な生活の中で暮らす人に関する話が
実例をもとにされていることもあり、その成育歴や生活が、いかに本人に影響を
与えつづけているのかが、とてもわかり易く書かれていました。
様々な臨床家が見落としがちな暴力の影響について取り上げた一冊です。
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