映画『Cloud クラウド』予告編
今だけ金だけ自分だけ、という現代を扱った映画ですが、主人公を演じる菅田将暉が活躍するわけでもなく、
何かが解決するわけでもないところが、上手く現代社会を表していると思います。
【あらすじ】
町工場に務める吉井(菅田将暉)ですが、その傍らネットで様々なものを転売しています。
ある時、結構大きな額を得ることが出来たのですが、工場の上司(荒川良々)から昇進を持ちかけられたこともあり、
工場を辞めて湖の畔の一軒家に恋人の秋子と共に暮らし始めます。
そこで地元に住む佐野(奥平大兼)をアシスタントとして雇い、転売を専業の仕事にして暮らし始めるのでした。
しかしながら吉井に反感を持つ人がネットで連絡を取り合い、吉井の身元を突き止め、吉井を襲撃することを企みます。
【感想】
吉井に昇進を持ちかける上司や、その他の転売ヤーなど、様々な人が吉井を襲撃しますが、
それぞれそれほどの動機がないのに襲撃に加わるところが独特でした。
しかしながら一番意外だったのは、勝手に吉井のパソコンを見たことで首にされた
おとなしい少年である佐野が、拐われた吉井のスマホの位置情報を何者かから入手し、
居場所を突き止め、さらに何丁かの拳銃と予備の弾薬を入手し、助けに来るところでした。
吉井を拐った銃を持った相手とも淡々とやりあい倒していき、吉井にはその動機として
「アシスタントだから」と言うのみで、さらに倒した相手の遺体処理も誰かに頼んで片付けて、
最後まで佐野が本当は何者かが解らないというというのも独特のところでした。
そのあたりは昔からあった暴力団の勢力が弱まり、半グレが様々な違法行為をしだしたことを
考え脚本を作ったのだと思います。
終始無表情に行動する佐野役の奥平大兼さんが印象に残りました。
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