マチンガのノート

読書、映画の感想など  

ビースト/Beast(2022)監督 バルタザール・コルマウクル 出演 イドリス・エルバ シャルト・コプリー 感想 ネタバレ

2022-12-21 22:08:08 | 日記

映画「ワイルド・スピード・スーパーコンボ」やTVドラマ「刑事ジョン・ルーサー」に出演していた

イドニス・エルバさん主演のアフリカを舞台にした映画です。

パニック映画モノとして、深く考えずに楽しめる映画です。

【あらすじ】

米国人医師のネイト(イドニス・エルバ)は十代の娘ふたりと南アフリカに旅行に来ます。

そこは亡くなった奥さんの故郷で、現地のガイド(シャルト・コプリー)ともネイトは知り合いなのでした。

しかしそこでは密猟団がライオンも密猟の対象としているので、人間を敵視しているライオンもいます。

【感想】

やばい感じになってきても、それぞれが勝手に行動したりする展開なので、実際にこういうことになると

こういう感じなのだろうかと思わせる内容でした。

密猟者の銃を使うことをなかなか思いつかなかったり、建物に入ってもドアを開けっ放しだったりと色々と細部は

抜けた感じの展開ですが、ライオンに襲われる恐怖は上手く描けていると思いました。

ヒグマなどは銃で撃ってもなかなか死なない事は何かで読んだことがありますが、ライオンにはどれくらい

銃が有効なのだろうかと考えさせる映画でした。

映画『ビースト』予告映像<9月9日(金)全国公開!>

 


不登校と時代の変化について

2022-12-14 23:26:14 | 日記

現代の学校制度はフーコーなどが解説しているように、生徒を画一化し、軍隊や工場に適応させるように

制度が作られているが、日本の場合、現在でも不登校を良くないことのように捉えている人は多い。

社会がこれまでの工業中心の社会からつぎの段階に行くには、これまでの学校制度で規格化された人ばかりだと

適性も発想力もない人ばかりになるのだろう。

そのためこれまでの学校制度に合わなかった人をどんどん社会のいろいろなところに入れてゆくほうが、

次の時代を作って行けそうである。

経済などではネット関係でそのような人が行く先は増えているようだが、政治などの分野は

まだまだ元官僚などが多いので、これまでの制度で規格化され、学力があることが長所である人が

多くを占めているようだ。

社会の方向を変えたり、新しい方向性を考えたりするのには、そのような人は向いていなさそうである。

 

 

ミシェル・フーコー - 岩波書店

哲学者フーコーは,著作ごとに読者を新たな見知らぬ世界へと導く.その絶えざる変貌をたどる.

岩波書店

 

 

これまで不登校などを良くないものとして捉え、関わって来た社会の姿勢自体が、

現在の日本の状況に大きな影響を与えていそうである。

 


モガディシュ 脱出までの 14 日間 監督 リュ・スンワン 出演 キム・ユンソク チョ・インソン ホ・ジュノ 感想 ネタバレ

2022-12-07 21:47:46 | 日記

ソマリアの内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちを描いた映画です。

舞台は’90年ですので米映画「ブラックホーク・ダウン」で描かれた事件の起きる3年前になります。

【あらすじ】

当時はまだ国連に未加盟だった韓国は国連で支持してくれるアフリカの国を増やそうと、ソマリアでロビー活動を

していますが、北朝鮮もまた同じような活動をしているのでした。

そうしているうちにソマリアの反乱軍の活動が激しくなり、首都モガディシュも戦場になり、

北朝鮮の大使館は武装勢力に荒らされたので、北朝鮮の大使館員たちは韓国大使館に

保護を求めます。韓国大使館は米ドルをちらつかせ現地警察に守ってもらっていたので、

何とか暴徒に荒らされずにいました。

しかしながらそこもいつまで持つのかわからないので、南北の大使でそれぞれ国交のある国の大使館に

国を出る方法を求めに行くのでした。

【感想】

この映画の見せ場は何と言っても戦闘が繰り広げられている中を車で突っ切って他の国の大使館に行くところです。

行き先の大使館が決まり、双方の大使館員と家族で車で行くことになりますが、その際に北朝鮮側から出た

アイデアが意外なもので、分厚い本を車に貼り付け、さらに土のうを窓に並べて吊るすというものです。

確かに分厚い本ならばそれなりに小銃弾を防げそうで、そのようなものを思いつくところが北朝鮮らしく

感じました。土のうは服などに砂を詰めて作りますが、子供も作るのに加わっていました。

ロケはモロッコで行ったそうですが、市街戦で荒れ果てた街並みを上手く作っていました。

出てくる車は30年ほど前の物を集めたそうですが、状態の良くないものが多く大変だったとのことです。

何かとCGの多くなった米国映画と違い、様々なものをリアルに再現しているところがよかったです。

『モガディシュ 脱出までの14日間』本予告(New)

 


スリー・ジャスティス 孤高のアウトロー 監督 ビンセント・ドノフリオ 出演 イーサン・ホーク デイン・デハーン ジェイク・シュア 感想 ネタバレ

2022-12-03 20:37:13 | 日記

現代的な西部劇

有名なアウトローのビリー・ザ・キッドとそれを殺した保安官のパット・ギャレットの話をもとに

作られた西部劇ですが、何かと現代的に作られています。

【あらすじ】

15歳のリオ(ジェイク・シュア)は酔って母親に暴力を振るう父親を射殺して姉のサラ(レイラ・ジョージ)と逃亡します。

二人は叔父のグラントたちが追ってくる来ることを考え、なんとか南部まで逃げようとしていました。

南へ行く途中でビリー・ザ・キッド(デイン・デハーン)たちと偶然に出会い、彼らを追う

保安官のパット・ギャレット(イーサン・ホーク)たちのもとに身を寄せることになります。

なにか事情がありそうなことを感じた保安官のギャレットもさり気なく聞きますが、リオたちははぐらかします。

囚われたビリーたちのために絞首刑の用意がされているのを見て、自分たちも重罪を犯したことから

罰されるのを警戒しているのでした。

【感想】

ストーリーが進むに連れて、無法者のビリーは当時、その地域の権益を巡り抗争していた内の一人で、

他の仲間はその土地を離れたので、追跡されることもないことが明らかになったり、保安官のギャレットも

それなりに話の解る人物であることが解ってきます。

そのためリオも叔父のグラントたちに連れ去られた姉のサラを取り戻すのに保安官に助力してくれるように

頼みますが、その辺りは昔のシンプルな勧善懲悪の話ではありませんでした。

原題は”THE KID”ですが、無法者のビリー・ザ・キッドと主人公の少年の両方を指しているのでしょう。

基本的に主人公のリオの成長物語になっています。最後の所で保安官とサラを働かしている酒場の主人でもある

叔父のグラントが決闘することになりますが、それに対するリオの言葉は納得でした。

映画『スリー・ジャスティス 孤高のアウトロー』本国版予告編