マチンガのノート

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救い難き人 赤松利市 感想

2023-08-18 00:49:19 | 日記

ここ数年、多数の著書を刊行している赤松利市さんの書いたものですが、自伝的な小説は読み応えのあるものが多い一方、

それ以外はイマイチなものが多いです。

本作は一代でパチンコ屋チェーンを築いた父親から全てを奪おうとする、息子を主人公にしたものです。

作中、父親が息子の言うことを疑わないところや、自分の部下以外に、助言してくれる相手が居ず、

あっさり全てを奪われるところが、不自然に感じました。

やはり著者が学者の息子で、在日韓国人の実業家たちや、闇社会に深く関わったことがないことから、

このような小説になったのでしょう。

自伝的小説との落差が大きく、才能がある小説家でも、生育歴からくる向き不向きがあるのだろうと

思いました。

生育歴による限界というものを感じさせる一冊でした。