センセイの決断(2)

手術台に載せられて、意識ははっきりしたまま頭蓋骨に穴を開ける作業が進んでいきました。ガガガガッとさく岩機で掘削するように頭に響きわたり、やがてセンセイが「右手を上げてください」「はい、右足を上げてください」それに応じて右手右足を上げると、軽く上がりました。なにかオモチャの修理のような‥‥とふと思いました。「きれいに洗いましたよ」「きれいに縫いました」「はい、終わりましたよ」で手術は終わりました。その直後CT写真を撮り、見せてもらったら、左の脳にガスがかかっていたのが、かなり晴れて来ていました。

その後の入院生活で万全を期すために入念に慎重に回復過程のプログラムが設定されました。看護婦さんが「あのセンセイは徹底して慎重だからね」と話していました。

まだ手術あとの傷口がほんのわずかまだ皮が張っていません。今日とうとうセンセイの決断が下されました。「家で完璧な消毒をし、十分気をつけて病院にも通ってください。万が一にも手術が仇にならないようにお願いしますよ」ということになりました。

明日午後退院します。センセイはもちろん皆さんにご心配おかけしました。ありがとうございました。

センセイの決断(1)

病院が休みの盆の14日(土)、右手右足がどうも動きにくい「左頭か？」ヤバい！。車が運転できなくなる！パソコンもダメ？ 病院に電話したら、「すぐ救急車を頼んで対処できる病院へ急いで」ということでこの病院に運ばれました。

すぐに頭部のCT？を撮り、脳外科の「センセイ」が勤務外から呼び出されました。症状を聞き写真を見て「慢性硬膜下血腫です。明日明後日まで待つより、これから手術しましょう」「局部麻酔で頭蓋骨に穴を開け、血の混じった濁りを取り除ききれいな水を入れます。15分ほどですよ」