転職すると何が変わるかと言うと、ランチタイムに何を食べるかが変わります。
これは結構重要なことで、朝晩はろくなものを食べない私の体は、お昼ご飯で作られていると言っても過言ではないのです。
そして新しいオフィスの定番のランチはストリートベンダーが売っているお弁当。
12時前後になると、小型のバンを改良した野菜カレーのお店、タコライスのお店、リヤカーでお弁当を売っている人などが、ずらずらっと並びます。
そして驚いたことに、どのお店もクオリティーが高い!
ステーキカレーのお店は、小さなバンを改造したおもちゃのような厨房で、小さなナイフとまな板でお肉を切って、ミニフライパンで丁寧に焼いて、ミディアムレア状態の牛肉をトッピングして、上から生クリームをかけて、クレソンものせてお弁当容器に入れて作ってくれます。カレーのルーもこだわりの香ばしさで、ビックリするぐらい美味しかったです。
そして私が今一番お気に入りなのが、リヤカーで売りに来るお弁当。おじさん自ら、自分の家の改造キッチンで毎日作っているお弁当です。種類が豊富で、毎日違うメニューが7~8種類並んでいて、よくぞこれだけ毎日作れるな~と感心します。聞けば、品川でお弁当を売り始めて今年で10年になるそうです。10年間毎日休まずお弁当を作るって、すごいことですよね。そして常連のお客さんの好みはちゃんと覚えていて、その人用に特別弁当を作ってきてあげたり、「今日買いに来るかなと思って、とんかつ弁当取っておいたよ」 とか 「あ~、さっきまで取っておいたんだけど、前のお客さんが買っちゃったよ~、ごめんね~」とか言って、周辺のオフィスで働くビジネスマンのお昼の胃袋をがっちりつかんでいるのです。
「こんなにたくさんの種類を毎日作るのってすごいですね」と言ったら、「お弁当ってさぁ、選ぶ喜びがあるからね~」とサラッと言った言葉に感動。
このおじさんは、生活のためにただ作って売っているわけではなく、お客さんを喜ばせるために毎日やっているんですね。明日も喜んでもらおうって思ってやっていたら10年経っちゃったのかな?
レストランで食べるのもいいけど、このおじさんのお弁当を、お茶とみそ汁とふりかけまでついてきて、500円玉一つで買えるのはとっても贅沢。
通い続けて、特別弁当を作ってもらえるようになろっかな~。