大雪の空

46歳から始めて嵌ってしまった山歩きの記録と野球などの雑記帳。時々帰郷中の島暮らしの日常。

思いでの山 東北編 ①裏岩手縦走

2010年04月10日 | 東北
裏岩手縦走といっても後生掛温泉から八幡平に登り、それから鶴の湯までの縦走という
コース。
本当は秋田駒から八幡平までの縦走の予定だったが、秋田駒を終えたあと雨が降り出し、
翌朝も本降りだったため一旦乳頭温泉へ下山することにした。すぐに後生掛温泉へ向かい、
その夜は温泉三昧。いつ来てもいいお湯で満足。当然湯治部のオンドル部屋に寝た。
翌日からの縦走は途中の原始性あふれる静かな道が素晴らしく、後半部の嫌な気分にされた
歩きはマイナスだったが今までの山で三本の指に入るコースだった。
残る二つは既に書いたトムラウシと知床縦走。
貯まったJASのポイントで秋田に飛び、それからバスで田沢湖駅まで行き、秋田駒八合目へ。
秋田駒は以前もこの八合目小屋に寝て乳頭温泉へ抜けた事がある。
花一杯の素晴らしい山で百名山ほどではないが登山客が多い。
いろんな花が咲く花の時期はことさらだ。日帰り客が殆どで泊りは滅多にいない。

2003年7月18日、19日、21日-22日 山中3泊4日(単独)

1.初日
八合目から阿弥陀池の小屋まで

道はゆるやかで初心者でも楽に歩けるから花時は人だらけになる。丁度ニッコウキスゲの
時期であちこちで明るい黄色が揺れていた。ミヤマハンショウヅルが記憶に残っている。
小屋までの池横の木道周りはチングルマなどが咲き乱れている。
小屋に荷物を置いて散歩にでかけた。池の先からチングルマだらけの窪地へ降り、大焼砂を
横岳に登り返し、稜線を歩いて元の降り口へ戻って小屋へ。
チングルマはちょっと時期が遅かったみたいで、稜線上のハクサンシャジンのほうが印象に
残っている。いろんな種類の花が咲き乱れており、南アルプスの小赤石稜線の花を思い出した。
大焼砂ではキスミレばかりでコマクサは無かったような気がする。
小屋は予想通りに独占かと思いきや地元らしきオヤジがやってきた。
俺が片付けた灰皿を引っ張り出して吸いだした。山の中くらい吸うなよな。
トイレが水洗なのはいいが、水は一体どうしてるんだ?天水か?
水場はこの時期でもチョロチョロで8月には涸れてしまうだろう。

花の記録 (この日で殆どの花が出てきたので)

ミヤマシシウド ミヤマセンキュウ シラネニンジン ミズバショウ ミヤマハンショウヅル
ニッコウキスゲ ミヤマダイコンソウ タカネニガナ ハクサンチドリ ヨツバシオガマ
ハクサンシャジン チングルマ トオゲブキ ウサギギク ヒナザクラ イワイチョウ
ミツガシワ ベニバナイチゴ オオバキスミレ キスミレ ミヤマキンポウゲ ヤマハハコ
ゴゼンタチバナ イワカガミ コマクサイワブクロ ミヤマアキノキリンソウ ウツボグサ
ミヤマカラマツ ミヤマリンドウ オトギリソウ エゾツツジ ミヤマホツツジ コメツツジ
ウラジロヨウラク イソツツジ イワショウブ クルマユリ タチギボウシ キンコウカ
マイヅルソウ ギンリョウソウ

2.二日目
阿弥陀池の小屋から乳頭山経由田代岱山荘まで

8:50に歩き出して14:30に田代岱山荘着。
笊森山から千沼ガ原へ降りて湿原の雰囲気を楽しんで、途中の木道でお昼。
ここも湿生の花だらけで素晴らしい。雨がぱらつきちょっと心配。
稜線へ戻ってからの歩きは潅木帯なので見晴らしがよく気持ちいい。
乳頭山へは崖の縁を登るので滑落に注意が必要だが、まあそんなドジはしないだろう。
危険なところは注意するので事故は滅多に起きず、その後の何でもないところで起こる。
小屋には他には八幡平まで縦走の30前後の夫婦とあと二組程度だったと思う。
水場は裏から涸れ沢へ降り10分程度かかりちと面倒。千沼ガ原で汲んだほうが楽。
夕食後に本降りになってしまい、翌日も降り続く予報との事なので翌朝一旦下山し、
後生掛温泉へ移動して逆走する事にした。

3.三日目 乳頭温泉へ下山して後生掛温泉へ(記録割愛)

4.4日目 
後生掛温泉から八幡平を抜け八瀬森山荘まで

八幡平への登山口までは車道を歩いた。
尾根の上を歩いてるはずだが何となく涸れ沢っぽい。頂上では休みもせずに先を急ぐ。
まあ山頂らしくないし、観光客だらけでうるさいだけだ。
歩きながら左手に常に岩手山が大きく気持ちよい歩きだ。石沼あたりからは雨のせいか
道が湿っぽい。途中で田代岱山荘で同宿だった夫婦とすれ違ったが、あの雨の中を歩くとは信じられん。
何の楽しみも無いので俺は絶対にやらないが日程もあるしなあ。ご苦労様。
大深山荘は建て替え中だったし、この先の大白森山荘も建て替えたばかりだった。
東北の避難小屋はトイレが必ず付いているのが助かるが、糞尿の処理はどうしてるんだろう。
環境の為には担ぎ下ろすしかないが、大変な労力と時間がかかってしまうのに本当に実施
しているんだろうか。
三ツ石分岐からは右手の道をとって八瀬森山荘を目指す。
池塘が次々と現れニッコウキスゲが咲き乱れている。アオモリトドマツや池とあいまって
幽玄な雰囲気を醸し出しているが、その中に一本の踏み跡がクッキリとついているのが
なんとも痛ましい。道を広げないように長靴か地下足袋で歩くべきかも知れない。
小屋に着いたら先客がいた。中央大学付属高校のワンゲルで生徒6人と顧問の教師。
途中で熊と遭遇したらしいが、30メートルくらいしか離れてなかった由。
小屋には布団と毛布もあったが湿っぽい。水場はすぐ傍の流水。

5.5日目 
八瀬森山荘から乳頭温泉の鶴の湯へ

4:40に出発してすぐに曲崎山への登りでシンドイ。山頂で小休止と行動食でガスの
補給。ブナが多く雰囲気はいいが、大木が無く2次林みたいだ。
大白森山荘は建て替えられたばかりでまだ未使用状態だった。暫し休憩して、小屋前の
水場を確認するがしっかり出ていた。
この先から根曲がり竹が出てきて、ゴミが散乱しており頭にきた。
竹の子採りの連中が捨てていったものだが、缶詰のカン、軍手、弁当のプラ容器など。
熊に食われてしまえばいいと本気で思った。
せっかく気分の良い歩きを楽しんだのにぶち壊されてしまった。
期待していた湿原も乾燥化が進んでただの草原で黙々と鶴の湯を目指した。
辿り着いた鶴の湯は写真どおりで、客であふれていた。
白濁した内湯を使い、2日間の汗を流して帰途についたのだった。
11:00に鶴の湯着だったので約6時間の行動。
田沢湖駅からは秋田新幹線を使い、秋田空港から羽田。
あの三ツ石分岐からの至福のトレイルの歩きは何とも素晴らしかった。
北の山が続いたので、次はこの年の秋に訪れた遥か南の屋久島縦走の記録としよう。






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