大雪の空

46歳から始めて嵌ってしまった山歩きの記録と野球などの雑記帳。時々帰郷中の島暮らしの日常。

思いでの山 北アルプス編 ③ 一の沢から常念岳

2010年04月21日 | 北アルプス

常念への登りの中で最も楽な道だろう。沢のツメは急登が普通なんだがそうでもない。
貧乏山屋としては珍しくタクシーを一人で独占して登山口へ乗り込んだ。
相乗りする人間を電車の中から物色していたがいそうも無く、豊科でも穂高でも一人も降りなかった。
4,700円もかかってしまったが、延々と車道を歩く代わりなら仕方ない。
当然テント担いでのノンビリ山行だ。

2008年9月14日-15日(1泊2日)(単独)


1.初日
ヒエ平から常念小屋テント場

10:40-11:40王滝ベンチ12:10-13:00エボシ沢-14:30最後の水場-15:30

高尾6:14発松本行きに乗り、岡谷で長野行きに乗り換えると松本発の快速「安曇野」9:42に間に合う。
豊科より穂高の方がタクシーが少し安い。
入山口はもう降りてきた人も結構いて賑わっている。登山カードを書いてからノンビリ山行の始まりだ。
一の沢といえばあの「いまだ下山せず」が思い出される。冬山で遭難した仲間の遺体を必死で探す話だったが、表紙の雪煙の中を歩く遭難する3人の姿が切なく物悲しい。
道は沢沿いで涼しく斜度もきつくなく、テントを背負った身体には随分と優しい。
王滝ベンチでお昼にするが、30分で切り上げて歩き出す。
唯一の難所といわれる「胸突き八丁」は何ということも無い高巻道で、奥多摩の川苔山の百尋の滝先の高巻みたいなもんだ。なんでこんな所で続けて滑落事故が起きたんだろうか。
まあしかしこんな所だから事故るんだよな。恐怖心の湧く難所は緊張感満杯で歩くから滅多に事故ることはないのだ。
最後の水場は水量豊富で近くにビバーグの適地もあった。ここから斜度が増したがまあ「勘弁してくれ」とボヤクほどでもない。稜線に飛び出してわずかに降りたらテント場だ。
設営して空身で常念山頂を目指すが、何だか足が上がらない。結構キツイじゃないかよー。
コースタイム1時間は無理だろう。1時間20分程度が妥当な線ではないか。
やっとこ辿りついた山頂はまあ何と狭いんだ。こりゃー夏山やら紅葉やらの最盛期にはパンダが来た時の上野動物園状態で足なんか止められないんでないかと思ったくらい。
しかし眺めは大キレットを正面に左に穂高、右に槍とまあ豪華絢爛だがあまり感激しない。
富士を見ても感激しないのと同じで、写真やらネットやらで何度も見ているからだろう。
ウェストンが徳本峠に上がって見た明神岳とは驚きの深さが違いすぎる。
下りはノンストップで降りたが50分かかった。コースタイムがちと厳しいのかも。
テント場も結構混んでいたが、小屋は超満員で布団1枚に今日は1.5人、昨日は2人だった由。
紅葉時期はとんでもないことになりそう。

2.二日目
テント場からヒエ平 8:20-11:00

いやにノンビリした出発時刻で? 寝過ごしたわけでも無さそうだし、よく分からない。
ひょっとしたら朝一番で再度頂上をピストンしたのかも。
水場までは30分程度で到着している。王滝ベンチからも登りとあまり変わらない1時間近くかかった。
この王滝ベンチで知り合った滋賀から来た人の車で穂高まで送ってもらった。
駅で身体を拭く時間が無かったので松本駅で拭いた。
小淵沢で手に入れたいつもの「高原野菜とカツの弁当」で蛋白質を補給して、16:31に高尾に着いた。各駅停車で約6.5時間かかった。
花の記録も残していないが、時期ハズレで目立ったものが無かったのだろう。
真夏に一泊二日でどこか眺めのよいとこに、という時にピッタリかもしれない。
水がいたるところで補給できるので荷物が軽くて済むし、沢沿いなので涼しいのが嬉しい。
できれば土日を外すのがいいと思う。海の日の連休とその前後の土日はとんでもなく混むので避けたが無難。

次回は白馬大池から蓮華温泉

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする