大雪の空

46歳から始めて嵌ってしまった山歩きの記録と野球などの雑記帳。時々帰郷中の島暮らしの日常。

思いでの山 北アルプス編 ① 中房から北燕岳周遊

2010年04月18日 | 北アルプス
たまにはメジャーの北アルプスの記録でも書いてみよう。
まず野宿で歩いた北燕岳、それから 笠ケ岳、常念、白馬大池、後立山連峰、奥穂と北穂、奥又白池、
徳本峠越え を順にアップする事にしよう。

2006年8月19日-20日(山中一泊二日)(単独)

1・初日
中房温泉から富士見ベンチ 15:50-18:00

合戦尾根途中のベンチでビバーグするため、八王子9:45発の「ワイドビューやまなし」で
ノンビリ出かけた。
ベンチだとグランドシートも不要なのでザックもすこし軽い。
中房温泉を15:50に歩き出したがさすがに降りてくる人も少ない。
第一ベンチの水場でタップリ汲んでゆっくり登る。案外と歩きやすい。
あちこちの登りを経験したが丹沢の大倉尾根みたいな嫌らしい登りは余り無い。
下りに使った前白根から湯本へのルートだけはものすごい急登で特別だが。
30分毎にベンチが出てきてわかりやすい。今夜の宿の富士見ベンチには18時着。
食事してさっさと寝るといってもなかなか寝られるもんじゃない。
結局寝たのは23時過ぎだったろう。
闖入者に驚いたのか頭上で鳥がうるさく鳴いている。

2.二日目
富士見ベンチから中房温泉

4:30-5:20合戦小屋5:40-7:00燕山荘-8:00北燕岳-8:50下降点
-9:50東沢乗越-12:30

合戦小屋で朝の儀式を済ませゆっくり歩いて稜線に飛び出した。目に飛びこんできた槍が
なんか鈍重な姿をしている。槍よりも烏帽子といった感じだ。
やっぱり蝶から常念の稜線が槍の展望地としてはダントツだろう。
朝早いのに結構降りてくる人が多い。さすが人気ルートだけある。
燕山荘のテント場は超狭いぞ。これでは午前中にでも着かなければ確保できないんでないか。
北燕岳までの道は白砂に奇岩が林立して面白い。コマクサもあちこちにあるがどうでもいい花。
下降点までは稜線の東サイドをトラバースする。花がどんどん出てきて花派としてはうれしい道だ。
ここらから東沢乗越先の沢源頭までが花畑であるが結構な種類が出てきた。
最後の花の記録を見てほしいが、途中で見たウサギギクの一株が素晴らしく、多分一生忘れないだろう。
瑞々しく透き通るような黄色は今まで見た中で最高のものだった。
こんなタイミングで見れたのは全くの僥倖で、これだけでもう大満足だ。
オジン達には「ローマの休日」のヘプバーンといえばその美しさがわかるだろう。
この下りで昼食を摂った筈なのだが記録していない。
さて道は途中で水流の中を少し歩き、左岸に上がり小さなアップダウンに消耗させられて中房温泉だ。
人だらけでとても一風呂なんて雰囲気ではない。さっさと退散するに限る。
トイレで体を拭いてからタクシーに4人で相乗りして穂高へ戻った。

花の記録

ウサギギク ミヤマキンポウゲ イワオトギリ タカネニガナ マルバダケブキ ミヤマアキノキリンソウ
ミヤマコウゾリナ ミヤマシシウド トウヤクリンドウ モミジカラマツ トモエシオガマ
ゴゼンタチバナ ミヤマコゴメグサ センジュガンピ タカネツメクサ ハクサンイチゲ
チングルマ カニコウモリ ウメバチソウ ヤマハハコ ハクサンフウロ ヨツバシオガマ ハクサンチドリ 
タカネナデシコ ミヤマトリカブト ミヤマリンドウ ハクサンシャジン イワギキョウ 
クガイソウ イブキトラノオ コマクサ

次回は笠新道からの笠ケ岳。
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思いでの山 東北編 ③ 飯豊連峰

2010年04月18日 | 東北

遠征友達のM氏との山。
この時は運悪く台風の後で花は雨と風で相当落ちてしまった由で、飯豊らしい規模のはまったく見ることができなかった。
しかし手帳を見てみると花の種類だけはさすがにと思わせる。
できれば再訪して飯豊らしい大群落を見てみたいものだ。
梶川尾根から登ったがあまりの暑さに2人ともゲンナリしてしまった。
ここに限らず東北や会津の中級の標高の夏山は工夫せねば脱水症状になってしまう。
野宿、早朝や夕方歩き、はては夜歩き、未明歩きなどで移動して、昼間は小屋で昼寝がベスト。

しかし花が見れないか。
とにかく梶川の登りで水を搾り取られて、辿り着いた五郎清水の美味しかったこと!
登り着いて出てきたイイデリンドウは予想よりも小さかった。
他には門内小屋でのゲロ騒動、雷、下山の長かった事などが印象に残っている。
記録はコースタイムと花の名前しか残していない。記録するのが面倒になったのだろう。
しかし飯豊の記録を残さぬなんて考えられないんだがなあ。
そういうわけで全て記憶を辿らねばならない。

2004年7月24日-26日 山中2泊3日 (M氏同行)

1.初日
梶川登山口から門内小屋まで

9:10-12:20滝見場-13:40五郎清水-17:10扇の地神-18:00

前夜発の夜行バスで米沢、それからJRで小国まで。
橋の傍の登り口からとりついたが、のっけから両手両足を使う急登でないか!
すぐに汗みどろになってしまった。

ひたすら難行苦行の登りに喘ぎながら、最初は急登、次は暑さが半端でない中を黙々と歩く。

左に廻り込んでやっと風の抜ける湯沢峰に到着した。しばし風に打たれ眺望を楽しむが霞んでおり、ダイグラ尾根もかすかにしか見えない。
滝見場に着くと下草の刈り払いに来た人が2人お昼を摂っていた。ご苦労様です。

梅花皮大滝は水量が少ないし、あまりに遠くて迫力が無い。
中休止の後また暑さの中を歩き出したがペースが上がらない。
やっと辿り着いた五郎清水に降りて頭から水をかぶる。

何という快感。

生き返るとはこのことか(ちとオーバー)。しかし本当にメチャクチャに暑かったのだ。
いつもの通りに「サッポロ一番みそラーメン」で腹ごしらえして先を急ぐがすぐにスローダウン。
ここは水分の補給をこまめにやらねばペースは上がらないだろう。
水はタップリと持って上がろう。五郎清水で確実に補給できるのでその点は楽だ。

中アの空木から木曽駒へ縦走した時の水切れを思い出す。木曽殿乗越で1.5Lしか補給せず、島田娘手前でわずか200CCを残して切れてしまったのだ。最後の水を宝剣手前で飲み干したが、木曽駒へは10歩毎に休む体たらくだった。

梶川峰を越えてから待望のイイデリンドウのお出ましだが、案外と小ぶりで色が濃い。
まあまあだがそれほどの花でもない。
尋常でないタフネスを誇るM氏もさすがにペースが上がらぬらしい。いつもと違って姿が見える距離にいる。
何とか門内小屋に辿りついて2人ともほっとするが、小屋はさすがに混んでそう。
すぐに管理人の若い衆が集金に来た。小屋前の小さな別棟に寝泊りしているらしい。
役場の若いのが交替でやっている由。1階が満杯だったので2階に陣取る。

さて晩飯を済ませてノンビリしていると突然「ウギャー」「何これ」と叫び声が下から聞こえた。
何事かと下を覗くと5-6人が立って騒いでいる。「キャー。ゲロじゃないの」
俺達の左サイドで飲んでいた連中の一人が下めがけてゲロったらしい。
そういえば直前にバタバタとした後にオエッと聞こえたような気もする。
てんやわんやの大騒ぎの中、犯人は外に出て行きちょっとした遭難騒ぎのおまけがついた。
まああの状況じゃ居られませんわなー。
即座に「門内ゲロ騒動」と命名した。吐くまで飲むんじゃねーよ。馬鹿丸出し。
そんな大騒ぎも暫くすると静かになった。暑さで皆疲れきっていたのだろう。
あのゲロも暑さで痛めつけられたのが一因かもしれない。

2.二日目
門内小屋から飯豊本山を越えて本山小屋

4:20-5:50北股岳-6:15梅花皮小屋6:50-8:00烏帽子岳9:00-
9:45御手洗池10:00-10:45天狗の庭-雷襲来-12:30御西小屋13:50
-15:10飯豊本山-15:25本山小屋

4:20出発。この後あの日本全国で猛威を振るって、あちこちの山で犠牲者を出した雷界に襲われるのも知らず。
いやーさすがに記憶が殆ど無いのにはまいった。
途中の北股岳でザックに入れた容器からチューブで水を飲んでる若者を見て面白い道具だなあと感心したのは覚えている。
それと北股が案外と急だったこと。梅花皮小屋は綺麗でその前から覗いた石転びの雪渓はメチャ急でとてもつかう気にならない。
大体がいつ石が飛んでくるか分からない滑りやすい道を歩くのは真っ平ゴメン。
少々暑かろうが距離も時間もかかろうが安全な道を歩く。
事故る確率が格段に低い道をとり、まだまだ元気で遊びたいから。
そういう意味では大キレット、西穂から奥穂、剣のかにの横ばい、縦ばいなどは多分やらないだろう。

ちゃっちい御手洗池を過ぎて天狗の庭の先まで歩いた時に雷が鳴り出し、大荒れとなった。
道の途中でツェルトを被った中年の女性が入れと手招く。さすがにこれはヤバイと飛び込んだ。
気仙沼から来たとかで旦那は亡くなったとか言っていた。仕事の関係でそんなには山はやれないらしいが、なかなか大したもんでないか。

感謝!感謝!
すぐに雷は遠ざかり礼をいって別れたが、未練たらしく振り返った俺と違い、彼女は振り返りもせず颯爽と梅花皮方面へ歩き去った。

御西の小屋でM氏が待っていた。あの雷では歩く馬鹿はいない。
時間もあるし大休止することにする。水場は少し降ったところにあった。
小屋は古くて小さかったがこの後すぐに建て替えられ綺麗になったらしい。
三国小屋も建て替え中だったし、門内や頼母木の小屋も建て替えられたと思う。
もうちょっと涼しい6月中旬位に再訪してみたいもんだ。チングルマやハクサンイチゲの大群落と残雪を楽しんでみたい。

小雨とガスの中を黙々と歩き、山頂らしくない飯豊山のピ-クを踏んで本山小屋へ急いだ。
本山小屋もトイレを改築中だったが、何か特別な予算でも付いたのかもしれない。
髭のオヤジが管理人で平気でタバコを吸っているのに怒!アホである。
何か消化不良の歩きだったが、ちょっと楽しい雷騒動もあったし、まあいいか。
何か水場は案外と遠いらしいが、御西でタップリ汲んできたので用はない。
明日に備えてさっさと寝る。長い下りが待っている。

3.最終日
本山小屋から川入まで

4:10-5:40切合小屋6:35-7:00七森-7:50三国小屋-8:20剣ヶ峰8:30-9:45笹平
-10:25中十五里-11:00下十五里-11:30御沢

さあ、ながーい下りの始まりだ。小屋を出てすぐに岩っぽい下りになった。やった!
大好きな岩だが、M氏は大の苦手なのだ。久し振りに彼を置いてさっさと先行するが、姿の見える距離を保つことはきっちりと守ってだ。
見上げるとノンビリと降りてきているのが見える。別に死ぬような所でないのでそのまま先行。御秘所というなんだか艶かしい場所に着いたが、何ということもない小さな岩場だ。
ちょっと先でM氏の御秘所の通過を見守る。変なコース取りだが無事に越えたのを見届けて先を急ぐ。

沢沿いの花の多い道を下り、雪田を抜けると切合小屋到着。小屋前に水がタップリ出ている。
M氏を待って昼食・大休止だ。この小屋は米を持参してカレーを食べさせてもらうらしい。
なんか懐かしいようなシステムだが、本当に今現在もそうなんだろうか?
持参のレトルトカレーとアルファ米の2食目。朝が軽かったので朝飯みたいなもんだ。
ゆっくり休んで三国小屋を目指す。稜線上に小さな小屋が建築中だった。眺望が良く水場が近いなら機会があれば泊ってみたい。
御西に泊って大日岳をピストンしてからこの小屋で寝るのがよさそう。

案外と高度感のある剣ヶ峰を越えて行く。水場は確認しなかった。
まだ半分も来ていないのだからノンビリできない。陽射しを避けるため左右が切れ落ちていない安全な道では折りたたみ傘をさして歩いた。山歩きで傘を使うのはここが初めてだったかもしれない。
雨でも日除けでも使えて重宝しますよ。一度お試しあれ。
大雪の天人峡への下り途中では、道の真ん中で傘で陽射しをさえぎって食事を摂った。
中十五里の水場で小休止。ここで話した人が御沢から車に乗せてくれて温泉へ直行。
蕎麦とビールで乾杯して長い山旅を終えた。

花の記録

ミツバオーレン シロバナニガナ ミヤマコゴメグサ コバイケソウ ミヤマリンドウ 
アザミ タカネツメクサ ニッコウキスゲ タカネナデシコ シロウマアサツキ(?)
コキンレイカ クルマユリ ミヤマウスユキソウ イブキトラノオ クガイソウ タテヤマウツボグサ
ミヤマシャジン オンタデ ミヤマキンポウゲ シナノキンバイ ウサギギク ショウジョウバカマ 
ヒメサユリ シラネアオイ イワイチョウ ゴゼンタチバナ オオカサモチ ミヤマセンキュウ 
チシマギキョウ ヨツバシオガマ ハクサンコザクラ イブキジャコウソウ ミヤマコウゾリナ 
イイデリンドウ タカネマツムシソウ ハクサンシャジン ハクサンフウロ オタカラコウ
ミヤマクルマバナ コイワカガミ ハクサンイチゲ チングルマ キンコウカ イワオウギ
オトギリソウ タカネニガナ ミヤマホツツジ 

記録を写してみてびっくりした。なんという種類の多さだろう。
うーん、もう一度行ってみたくなった。
初日に大熊小屋で寝て、朳差岳から南下して大日岳をピストン。川入へ下山でやってみるか。

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