まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

次を楽しみに読む『みをつくし料理帖』髙田郁著

2022-02-05 08:12:51 | 

去年の暮れに、肩の凝らない、それでいてわくわくするかしみじみするかの本はないかしら
と図書館でうろうろ。暮れから借りると正月休みを挟むから貸出期間が延びる。
目に飛び込んできたのが書棚にずらっと並んだ『みをつくし料理帖』の文庫本。
そういえば、BSのテレビドラマでちらっと観たことあるなと思い出した。
シリーズ本ね、しかも書下ろし。まあ、いいかって何がいいか分からないけど、
手軽には読めるだろうと作者にずいぶん失礼な選択で。

 

それがはまりました。エンターテイメントな面白さで、次はどう展開するんだ、
料理人澪にこうもいろいろな出来事が襲いかかるなんて、いったいどうなっていく、
店主種市をはじめ、澪が仕えていた「天満一兆庵」の元女将、ご寮(りょん)さんと
呼ばれる芳、つるやの奉公人りょうやふき、りうは、謎の浪人ふうの小松原(こまつばら)
や町医者永田 源斉との仲は、なにより幼馴染野江は、と先が楽しみで。

ときに年寄りの人生訓があったりして、そうよねと頷く。

8巻 「残月」 かのひとの面影膳
吉原「翁屋」の料理番でつるやの助っ人料理人だった又次の弔いの席で。
又次が、高田さんなんで死なせたのと恨みたくなるくらいまたとても魅力的で。
その又次を慕い、料理の手ほどきを受けていた泣きじゃくるふきに店主の種市が言う。

「この齢になってわかることだが、残された者が逝っちまった者のために出来る
ことは、そう多くは無ぇのさ。中でも大事なのは、心配をかけないってことだ」

「そのひとを大事に胸に留めて、毎日を丁寧に生きようじゃねぇか。
身の回りの小さな幸せを積み上げて、なるたけ笑って暮らそうぜ。そういう姿を
見て初めて、亡くなったひとは心から安堵できるんじゃねえのか。
又さんに心配かけない、ってのが、ふき坊にできるいちばんの又さん孝行だと、
俺ぁ思うがなぁ」

2、3巻借りてくる、ときに貸し出し中ですっ飛ばしたりして。
そうやって読み進めてようやく全10巻読み終わった次第。
でもねでも、10巻読み終えると、はてさて1巻はどんな話だったっけ?
澪はどのような経緯でつるやの女料理人になったんだっけ?と曖昧な部分の連続。
まあいいか、面白かったんだから、なんて。
なんでもその時がよければオーライの不遜な態度。

ほんとにそうなの。
女料理人澪の波乱万丈な人生、それを周りの人たちの助けと本人の強い意志と行動力で
乗り越えていく。そして万事うまくそつなくあるべきところに落ち着ていく結末の安心感。
水戸黄門のようなものよ。大団円。
そうだから読後感はさっぱりとほのぼのとで。満足。

それにしても、TVで澪を演じていた黒木華さんのお顔が読んでいる間中浮かんできて、
じゃまで困ったわ。でもでもそれくらいぴったりな配役だったのよ。

全10巻紹介やあらすじとか登場人物とかはこちらでどうぞ。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする