まい、ガーデン

しなしなと日々の暮らしを楽しんで・・・

みんなお片付け 『ジジイの片付け』 沢野ひとし著

2022-09-09 08:48:03 | 

私、何でそう思ったのかさっぱり分からないけれど、作者は椎名誠さんだとばかり思って
借りたの。椎名さんの作品読んだことがない、手始めにこれからかなと思って。
なんの、沢野ひとしさんだった、イラスト見ればわかりそうなものだ。
あちゃあ。まいいや読んでやっか、とえらそうに。

内容を抜き書き、勝手に省略多々

「若い頃は、部屋をモノで溢れさせるのが喜びだった」って。そうそうそうだった。
やがて自分の齢を意識すると、モノに囲まれた生活が疎ましく。「もっと自由になりたい」
とモノに縛られない暮らしに方向転換する
って。そうだと言いたいが、まだそこまでの心境にはいたってないかな。

こうと決めたら不要なものは排除し、身の周りを小綺麗にするという決断力と行動力こそ、
ジジイの十八番(おはこ)である。ふーーん、そうなのか。

ジジイは古い革靴を捨てたい、大事にしていたカメラももう捨てたい。十年前の携帯電話も
・・・捨てたい。
モノを手放したことでいっとき寂しくなっても、ジジイの体と心は喜んでいるはずだ。
朝日が眩しいように、いちばん大切なものが燦燦と見えてくるからだ。

モノの片づけは、心の片づけでもある。
さっぱりと片づけて、もう一度夢多きあの頃に戻ってみよう。
「ジジイの片づけ」は本人も周りの人も幸せにする。
そう思うけれど、ちと大げさじゃないの。そんなに構えなくてもいんじゃないの。

って、まえがき読んだだけでなんとなく全部が分かったような気がして。
不遜にも沢野さんの片づけ術やお考えにひとつひとつ突っ込みを入れてみたわけ。
もちろんただの指南本ではない、そして前半と後半ではけっこう違うテイスト。

朝の10分間片づけ 「元の場所に戻す」ことに集中することが鉄則。
前日の散らばったものを元に戻すってことね。その時ゴミになるものを捨てる。
まずは出したものを元に戻す、からって。
そうだ、父もよく言っていた「定物定所」
迅速に取り掛かれって。ジジイに許された時間はわずか10分、
ジジイじゃなくたって、時間制限を設けることは大事よ、その通りだわ。
「必要なもの」と「必要でないもの」を情け容赦なく分けていこう。

洋服タンスの定期点検

とにかく洋服タンスは小さくてよい。身長は越えてならない。
点検の実行日は、乾燥した晴れの日が好ましい。雨の深夜は悲哀や絶望感を生み、時には体調を崩す。
後は片づけ本の定番に従って前へ前へと進むわけ。
かくして、タンスは人生の鏡である。
全ての服は四季に合わせて四枚が限界と思えば、服の氾濫や土砂崩れは起きないはずだ。
服は平常心という気持ちを持って生活していけば、自ら答えが出てくるものである。

片づけも、一汁一菜。
土井善晴さんの料理本から学んだ「一汁一菜」でよいという提案がヒント。片づけの原点も同じ。一つのタンス、一つの机、一つの部屋、一つの納戸が片づいていれば、まずそれでよしとしたい。
って、そうかと思えば気が楽になるけれど、できそうで、これも案外に難しいのよね。

なんていうか、いちいちが講釈があって「そうかあ」とついつい冷やかしたくなるの。大先生に向かって。こうやって沢野さんの教えを抽出していくときりがないので、さっさと後半に移る。
後半は、友人知人の片づけ名人の部屋を見て、その生き方に触れての沢野さんの感想やお考え。どんな人たちかというと、目次から。
ギター職人・ロサンゼルスの若造の家・家は生きている作品・種差海岸の別荘・山登りは片づけ・パリジェンヌはバスタオルを持たない・死んだ後の片づけ、等々。

 

沢野さんの奥様はモノを捨てられない。
奥様、ご自分のもののほかに、家を出ていったお子様の荷物や段ボールも抱えもって際限
なく増やしていってるんですって。
沢野さんが「捨てればいいのに」と冷たく言っても、牡蠣の殻のように身を固くして沈黙してしまう。挙句の果てに年と共に頑固になっていくのか、沢野さんが片づけ捨てようとすると、目が血走り、鬼のような表情をして、大声あげて、「もううるさいのよ」と部屋に閉じこもってしまうそうな。
「七十歳を過ぎたので、ここは思い切って処分しよう」と言っても耳を両手でふさぎ、逃げてしまう、って。そんな奥様。
家族が物を捨ててくれないことが切実な悩みだった沢野さんのその後。

私は歳をとるにしたがい、そろそろ考え方を変えることにした。それはちょっとした物から
思い出の品々までをため込み、処分しようとしない妻に今後いっさい「片づけ」を口にしないことである。そのことでずいぶん何年もあきるほど喧嘩もしてきた。
妻からは「もう、愛しているならさっさと死んでくれ」とも言われた。

そりゃあ笑いましたとも、なんていい奥さんだ、私も言ってみたい。
でもでも当然ですよ沢野さん、人の領域まで口を出したり手を出したりしてはいけないわ。

なんだかんだって勝手にひどい突っ込み入れているけれど、読み終わるとあら不思議、
お片づけ、やってやろうじゃないの、やんなくちゃって背中をおされる気分になるから、
沢野さんのユーモア溢れた奥深い指南は
すごい。
なみの片づけ本とは違う気がする、って他のは読んだことがないけれど。

そうだ、あとがきにも書かれているけれど、沢野さん、佐野洋子・谷川俊太郎さんご夫妻とも仲良しだったんだ。佐野さんのエッセイでも読んだことあった。佐野家のお掃除を引き受けて、ご自分の車に掃除道具一式を積み込み、2時間、ていねいにきれいにお掃除したんだった。もともとそういう人だったのね。そうか。

閑話休題
『ジジイの片づけ』本に前の方の貸し出し票が挟まったままになっていたの。
面白くて、ついついどんな本を読んでるのかと、検索までかけちゃったりして。
いけないよね、で、私決心したわ、絶対挟んだままにしないようにしようって。

ちなみに票にはこんな書名が。

『ジジイの片づけ』 『じじばばのるつぼ』 『猫も老人も、役立たずで、けっこう』
後3冊の署名は、いくら何でも書き記すわけにはいかない。

 

 

コメント
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