徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

夏目先生の家 ~ 寺田寅彦随筆集「夏目漱石先生の追憶」より ~

2012-06-23 21:05:58 | 文芸
 寺田寅彦が俳句の教えを請うために夏目漱石の家に通った想い出が書かれている。最初は藤崎宮の傍の井川渕の家で、しばらくして漱石は内坪井に引っ越している。寺田はだいぶ遠くなったように感じているようだが、実際にはそれほどの差はない。現在、夏目漱石記念館として残されている内坪井の家へのルートは今、「八雲通り」と呼ばれているルートとほぼ同じと思われる。小泉八雲の坪井旧居跡も近いところにあるが、この当時はまだ堀があってルートは限られるので五高へのルートは当然同じになるわけだ。このルートの途中には種田山頭火が出家した報恩禅寺もあり、この通りを通ったのは八雲、漱石、寺田寅彦、山頭火とまさに「文豪通り」と呼ぶにふさわしい。