わたしは子供時代
自分ちが貧乏だったという自覚もなく
ぼろ家で暮らしているという自覚もなかった
でも かなりぼろくて小さな家で暮らして居たのよ
その家は借地の上に建ち
地主とはトラブルがあるので
よく九段に件の用事 って地代を供託に行かねばならないのよ
その家は 幹線道路の傍にある
もう取り壊さないと危ないような家なのだが
使っていた事務所が退去したので
子供が 住むと言って 住んでいるんだわよ
ぼろ家で小さくても 大作を描くアトリエには使えるから
便利
それに交通の便がすごくいい
新宿まで 電車に乗れば5分渋谷には10分?
駅までは5分だ
そのぼろや
よし子ちゃんの旦那が大工さんなので
修理してもらったら 取り壊さないと危ないというほどでもないよと言うのだ
木造の家って コンクリの家よりもつんじゃない?
そこが 私が東京に行くときの宿です
子供は母が来たらうざいんじゃない?と思ったら
母さんが家主だろう 泊まるの断れないだろ
って
そりゃそうだな と 宿にしているが
先日の夜中
ええ!!???
戦車?と言うような爆音がすごかった
何じゃ?
暴走族が何十台も走り回った
パトカーが追い回すし
慣れない人には とても眠れるような環境ではないが
私は子供時代から 車の音は鳴り響く家だったので
平気よ
しかし この家は無くなるかもしれない
何十年も前からある道路計画が
いよいよ着工するらしい
わが家は 立ち退かねばならないところではなく
大丈夫そうだが地主さんが追い立てを食うところなので
そっちは退け となるかもしれない
娘は なにか もはやその家は 伝説の化け物のようなイメージで
脳みそに巣食っているいるんだって!
見たこともないのだけれど
って
彼女 生まれたてで 私が産後の身を養わねばならない時
母子で おばあちゃんのお世話になったのを娘は記憶にないだけよ
子供は友達がその家に来るとき
想像できる限りのぼろい家を想像してきてね
と言うんだって
そうして
来た友達は
その想像をはるかに超えるぼろやなので
仰天するそうだ
フフフ見たくなったでしょ
見せないわよ
わたしなんか 見栄っ張りだから
恥ずかしくって 見せられないわよ