実家の母が掛かり付けの内科で「少し貧血がある」と診断されたのが
7月のはじめ頃でした。
一度ブログにもアップしたのですが、その後腸の検査、胃の検査、もろもろ行い
大腸に癌が見つかりまして、転移など詳しく調べたほうが良いと大病院に紹介されました。
そこで、またいろいろ検査して、大腸の癌よりも肝臓の癌がすでにステージ4であることが判明。
母は86歳で年齢に不足はないものの、やはり驚きと落胆がありました。
いつまでも生きられるわけではないですけどね。
検査を受けるまではほぼ健康体と同じように身の回りの事もできていたので
告知の後、急激に元気がなくなってしまったのはなんとも言えない感じでした。
検査でがっくり来る人が多いそうです。でも病気が、わかったのはよかったのかも。
在宅で母を見ていた妹が体調を崩してしまい、母を入院させようとしたのですが
末期がんの患者は治療をしないので普通の病院では受け入れてはくれません。
そこで、痛みだけでも抑えようと「緩和ケア病棟」への入院を模索しました。
ところが、この「緩和ケア」というのは「自宅に帰るのを目的としている」ということで
末期の癌患者であっても2週間ごとの判定で状態が落ち着いていれば退院させられます。
(↑ なんか意味の分からないところです)
すでに、余命わずかとなった母をあちこち動かすことはしたくないので
さんざん探して、通える距離のところに「ホスピス」を見つけました。
母の希望で、「痛みだけを抑える」ということに特化した場所です。
面談をして、即入院ということになりました。癌の診断から1か月近く経っています。
今日、母を連れて入院手続きを済ませ、最後の検査をして主治医と打ち合わせをしました。
とてもよいお医者さんで「ハード面ではうちより優れたところはたくさんありますが
本当に必要なのはハートです。ご本人の希望を最優先で相談しながらやっていきましょう」と
検査結果を詳しく解説してくださり対処法も示していただきました。
何より母が気に入って「ここなら安心できる」と行ってくれたのでほっとしました。
ホスピスに入院したということで、母はある程度のことは理解していましたが、
主治医の話も自分で聞きたいと一層忌憚のないところも聞きました。
ショックを受けるのではと心配しましたが、真実を知ったことで返って安心したようです。
ホスピスは悪性腫瘍で余命6か月くらいと診断された人が入っています。
積極的な治療はしないのが前提です。
教会のような場所があり、人生の終りをここで過ごすのだなあと敬虔な思いにもなります。
テレビドラマに出てくるのとは全く違い、個室のベッドで大半を過ごします。
現実は厳しくて、病院の平均入院日数は33日です。
3日前の面談で満室だったトイレ付きの個室が2部屋空き室になっていました。
主治医は「末期がんの痛みの緩和ケア」を各病院で指導している方で、そのような方がいるとは
知らずに受診したのですが、本当に運がよかったと思います。
残り時間の短さから食べたいものを差し入れしてくださいと言っていただき、
母に聞いたところ
「お姉ちゃん(←私の事)の煮魚が食べたい、あれだったら食事の時間でなくても食べる」と。
これは「むきがれいの煮付け」のことです。
お料理が不得意な私の唯一自慢できるもので、義母も「あれはおいしい」といってます。
ほんの少ししか食べられなくなってしまっているので、
大急ぎでお魚を探して作らなければ!ばーちゃん待ってて!