久しぶりに良い本に出合いました。
タイトルは「辺境の国アメリカを旅する」、著者は鈴木晶子さん(NPO法人フリースペースたまり場の事務局長・理事、NPO法人パノラマ理事、一般社団法人生活困窮者自立支援ナットワーク研修委員)。
お連れ合いの米国赴任に伴い子どもさんを連れて渡米、3年間の滞在中にアメリカ本土48州を巡った旅行記です。
勿論、グルメやテーマパーク、国立公園なども随所に出てきますが、一貫しているのは長年にわたり貧困問題に取り組んできた方ならではの目線です。
筆者によれば、「旅するうちに、アメリカという国そのものが、居場所を失った人々が自由を求めて世界中からやってくる、世界の辺境のように思えてきた。」「私は日本で周縁から社会を見てきた。アメリカの辺境性は、私が見てきたそんな日本の風景とどこか地続きのようだった。」とのこと。
改めて、「ラジカル(根源的)なものは、マージナル(周縁)にあり」ということを得心する良書です。