自民党憲法改正推進本部は2月21日の全体会合で、教育分野に関する憲法改正の条文案を提示しました。
憲法改正論議に与するつもりはありませんが、公金支出のあり方を定めた89条を改正し、私学助成の合憲性を明確にするとの案は注視したいと思います。
NPOやNPO支援を担当する行政職員の方で89条をご存知の方は少ないと思いますが、89条には次のように記されています。
「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」
これでは、私立学校が役所から助成を受けている場合は、公の支配に属していることを認めなくてはなりません。
そこで後段部分を、「公の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、またはその利用に供してはならない。」と改正する案を提示したのです。
要するに、「公の支配」を「公の監督」に変えることで89条をクリアーしようとするものですが、これって私学に限らずNPOにも当てはまるものなのです。
条文を素直に読むと、「NPOが慈善、教育若しくは博愛の事業を行う際に、行政から補助金を受けたり、公設のNPO支援センターを使用したりする場合は、そのNPOの事業は公の支配に属している。」ということになるわけですから・・・
NPOと89条の関係についてご興味のある方は、20年ほど前の議論「横浜コード」をご覧ください。