NPOな人

NPOの現状や日々の雑感などを徒然なるままにお伝えします。

ブックカバーチャレンジ7日目(最終日)「活気にあふれた江戸の町 熈代勝覧の日本橋」

2020年04月30日 | 日記

「熈代勝覧(きだいしょうらん)」とは「熈(かがや)ける御代の優れた景観」という意味の絵巻物で、1999年にドイツで偶然に発見されました。現在はベルリン国立アジア美術館に所蔵されていますが、東京メトロ三越前駅地下のコンコースにその複製が設置されています。この絵巻物が描かれたのは、文化・文政時代(1800年頃)と思われますが作者はよく分かっていません。

江戸で一番賑やかであった日本橋から神田今川町までの街並みを東から西をみるように描かれています。この絵には、1671人の人物のほか、犬20匹、馬13頭、猿1匹、鷹2羽が登場します。西側の通りには88軒の店が描かれていますが、暖簾で屋号がわかるほどの細かい描写には驚嘆します。

和本リテラシーのない者にとっても、見ているだけで魚河岸の喧噪、物売りの声、虚無僧が吹く尺八の音色、人々の息遣いまでもが聞こえてくるようで、一瞬にして江戸時代にタイムスリップしてしまいます。

FB仲間から誘われた「7日間ブックカバーチャレンジ」も今日が最終日、ご自分もチャレンジしてみたいという方がいらっしゃいましたらメーッセージをいただけますでしょうか。

「7日間ブックカバーチャレンジ」とは、「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する」というもので、ルールは以下の通りです。

①本についての説明はナシで表紙画像だけアップ
②その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。

ステイホームをされている方には、ピッタリの企画ではないかと思いますが、某は少しだけルールをカスタマイズしました。

①表紙画像のアップに加えて、本についての背景などを若干説明する。
②FB仲間は招待せずに、チャレンジに興味を持たれた方にはメッセージをいただいてからバトンをつなぐ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブックカバーチャレンジ6日目「新訂 幕末下級武士の絵日記 その暮らしの風景を読む」

2020年04月29日 | 日記

某が学校で歴史を学んだ頃は、「江戸時代は士農工商という身分制度があり、封建制のけしからん世の中であった」というトーンでした。

士農工商の「士」とは、もともと中国では科挙試験に合格した公務員のことですが、日本に入ってきたときに「武士」にすり替わってしまったようです。

享保三年(1718年)刊行の西川如見の町民嚢には、次のような記述があります。

「人間に五つの品位があり、是を五等の人倫といへり」「第一に天子、第二に諸侯、第三に御大夫、第四に士、第五に庶人なり」

第一の天子は「天皇」、第二の諸侯は「諸大名」、第三の御大夫は「旗本官位の諸物頭(徳川家の役人で、老中や若年寄、寺社奉行、町奉行などの役職にある人)」、第四の士は「諸旗本無官の等(ともがら)也(徳川家以外の家の大名の又内(またうち)の侍)、第五の庶人は「庶民」、しかしながら「又内(またうち)の侍いずれも庶人のうちなりと知るべし」とありますので、第四の士である諸国のお大名の侍は第五の庶人と同じ身分ということになります。

前置きが長くなりましたが、「幕末下級武士の絵日記」は忍(おし)藩10万石の(現在の埼玉県行田市)下級武士であった尾崎石城が書き残したものです。

下級と中級の俸禄の上下に関係のない武士の間の日常的な付き合い、さらに僧侶や町人たちともともに酒を飲み、場合によっては彼らは武士の家に泊まったりもしています。

そして、貧しい兄弟を石城が何かと面倒を見ている場面など、彼らの日常が生き生きと描かれており、士農工商というステレオタイプの身分制度の認識が誤りであることに気付かされる、まさに目からウロコのお薦め本です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブックカバーチャレンジ5日目「鎖国論」

2020年04月28日 | 日記
江戸時代は鎖国政策のために欧米に後れを取ったとお考えの方が少なくありませんが、徳川幕府は長崎、対馬、薩摩、蝦夷の4つの口を通じて外交と貿易を行っていましたので、国を閉ざしているという意識はなかったようです。
 
そもそも「鎖国」という用語は、1690年9月から92年10月までオランダ長崎・出島商館医として日本に滞在したE・ケンペルが、帰国後にラテン語で著した「廻国奇観」の中にある<日本が国を鎖すことの是非>に関する論文が出自となっています。
これが英語版「日本史」に英訳転載され、そのオランダ語訳が日本に伝わりましたが、E・ケンペルは鎖国の状態を肯定し、賛美の言葉を惜しまない論評をしています。それを読んだオランダ語通詞の志筑忠雄が共感共鳴して、1801年に<鎖国論>と意訳したことから、これ以降「鎖国」という用語が使われるようになったものです。それは、E・ケンペルが日本を去ってから100年以上も後のことなのです。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブックカバーチャレンジ4日目「江戸に学ぶエコ生活術」

2020年04月27日 | 日記

江戸は環境循環型社会であったとされ、関連する書籍も数多く出版されています。

そうした中で著者のアズビー・ブラウン氏は、この本を出版した理由を次のように述べています。

・江戸時代の日本人は実に賢明で美しいライフスタイルをもっていた。それを生んだ日本の伝統的な価値観や思考様式を理解することは、地球上のすべての人に大きな恩恵をもたらすにちがいない。

・確かに江戸時代に日本人がなし遂げたことはすばらしいが、彼らはそのほとんどを捨て去ってしまった。

・江戸時代に学ぶと言うと、多くの人は「昔は昔、今は今だ。今さら過去には戻れない」という反応を示す。

・私が言いたいのは、世界が環境危機に直面する今日、江戸の先達たちが当時抱えていた問題をどのように解決したかということから多くのことを学べるのは、日本人だけではないということだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブックカバーチャレンジ3日目「江戸商家の家訓に学ぶ 商いの原点」

2020年04月26日 | 日記

1990年代に欧米からCSR(企業の社会的責任)という考え方が導入されたとき、日本企業にあまり違和感はありませんでしたが、それは江戸時代から企業は社会の公器という考え方があったからだといわれています。新自由主義がコロナウィルスに直面して機能不全に陥っていますが、今こそ江戸商人の思想に時代を超えて学ぶべきことがあるのではないでしょうか。

大丸・下村家「店是」

先義而後利者栄

⇒正義を優先し 利益を後回しにする者は栄える

 

住友家「文殊院旨意書」

商事候や不及言候へ共、万事情に可被入候

⇒商い事をする際は言うまでもないことだが、万事について利益よりも心を重視するように

 

高島屋・飯田家「言語録」

いわゆる自利利他は古来の家風なり

⇒いわゆる自利利他は、昔から変わらぬ当店の家風である

 

越後屋・三井家「三井高利遺訓」

名将の下に弱卒なし。賢者能者を登用するに最も意を用いよ。下に不平怨嗟の声なからしむる様注意すべし。

⇒名将といわれる人は無能な部下を持たないものだ。能力のある者を登用することに最も留意しなさい。使用人から不平や恨み・嘆き声がでないように注意しなさい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブックカバーチャレンジ2日目「逝きし世の面影」

2020年04月25日 | 日記

著者の渡辺京二氏は九州に住む在野の思想史家。幕末・明治年間に来日した外国人の膨大な記録や文献を精査したものであり、この本が発刊された以降は同様の研究を行う者がいなくなったといわれるほどの大冊です。

その時代に当たり前であったことや意識すらしていなかったことは、当時の和本には残されていませんが、「ほろんだ日本文明の在りし日の姿を偲ぶには、私たちは異邦人の証言に頼らなければならない」と著者は言います。

この本には、日本が失ってきたものは何かを考えるうえでのエビデンスがぎっしりと詰め込まれています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブックチャレンジ1日目「大江戸ボランティア事情」

2020年04月24日 | 日記

FB仲間から「7日間ブックカバーチャレンジ」にお誘いをいただきましたので、「長屋の裏話」は(その五)までを前編として、後編は1週間後に再開いたします。

「7日間ブックカバーチャレンジ」とは、「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する」というもので、ルールは以下の通りです。
①本についての説明はナシで表紙画像だけアップ
②その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。

ステイホームをされている方には、ピッタリの企画ではないかと思いますが、某は少しだけルールをカスタマイズします。

①表紙画像のアップに加えて、本についての背景などを若干説明する。
②FB仲間は招待せずに、チャレンジに興味を持たれた方にはメッセージをいただいてからバトンをつなぐ。
 
石川英輔さんと田中優子さんの共著「大江戸ボランティア事情」に出会ったのは、20年ほど前でしょか。
「『大江戸ボランティア事情』は、ボランティア運動への関心から描いた本ではない。むしろ、ボランティアという言葉も運動もなかった社会への強い関心から書いた。そして、書きながら、ボランティアという言葉も運動もなくなる社会を思い描いていた。」という書き出しではじまります。歴史にあまり興味のなかった某が、江戸の町の人々の暮らしぶりに思いを馳せるきっかけになった一冊です。
ということで、ご紹介する7冊は江戸物シリーズにしたいと思います。

自分もチャレンジしてみたいと思われた方は、メッセージをお願いいたします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長屋の裏話(その五)

2020年04月23日 | 日記
熊さん「おい、聞いたかよ。広島藩のお殿様がな、コロリ不況でお上からいただける一両について、藩士の分は藩で召し上げると言い出したそうだ!」
 
八っつぁん「えっ、本当かよ? 武士は食わねど高楊枝とはいうけど、謝金を背負っているお侍さんも大勢いるだろうに・・・」
 
熊さん「それを瓦版が取り上げた途端に、『やーめた』だとよ! 恐らく『ところで、殿は如何ほどお出しになるのでございますか? 百両は下らないのでございましょうね』なんて言われて、『ヤベー』って気が付いたんじゃねーか!!」
 
八っつぁん「ずいぶんと軽い殿様だなぁ。それじゃ、藩のお役人も大変だぜ!!!」
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長屋の裏話(その四)

2020年04月22日 | 日記
八っつぁん「小石川の黒ひげ先生のところは、コロリを患った人たちで溢れているそうじゃねーか。」
 
熊さん「そうよ、先生たち寝ずの看病をしてるってよ。でもな、先生や家族は近所の人たちからコロリがうつるって毛嫌いされているらしいぜ。」
 
八っつぁん「なにっー、そんなひでぇ話があるかい!  いつテメーが世話になるかわからねーのによ!!」
 
ということで、二人でご隠居さんに相談にいきました。

熊さん「ご隠居、小石川の黒ひげ先生のところは大変なことになっていますよ。特に、あそこで働いている人や家の者は村八分のようになっているそうで、なんかいい知恵ありませんかね?」

ご隠居「私もその噂を聞いて、心を痛めておりました。そうだ、暮れ六つになったら皆でナベ・カマを叩くというのはどうでしょうか。」

八っつぁん「こちとらぁ、物を叩くのは得意ですが、なんで叩くんですか?」

ご隠居「あそこで働いている人たちに、『有難う』と感謝の心を込めて叩くのです。」

熊さん「そりゃ、いい考えじゃねぇーですか。さっそく、町中の長屋に知らせてきます!!!」

ご隠居「そうしておくれ、くれぐれも火の見櫓の半鐘は叩かないようにな。」

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長屋の裏話(その三)

2020年04月21日 | 日記
八っつぁん「コロリのお陰で、このところ仕事がさっぱりだわ。」
 
熊さん「そうよなぁ、俺たちみたいに宵越しの銭を持たねえものは直ぐに干上がっちまうぜ! でもよ、お上が一人に一両づつくれるというじゃねーか。」
 
八っつぁん「ところが、勘定奉行のアソーてーのがうるさくてよ。人別帳に名前があるヤツだけとか、奉行所に名乗り出ろなんて言ってるそうだ!!」
 
熊さん「じゃあ、無宿人の銀次はダメだな。それと、裏長屋の爺さんは一人じゃ動けねーが、どーすんだい?」
 
八っつぁん「いっそのこと鼠小僧の治郎吉っつあんに頼んで、屋根から小判をまいてくれると助かるんだけどな!!!」
 
(この物語はフィクションです。)
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長屋の裏話(その二)

2020年04月20日 | 日記

八っつぁん「このところ話題のアベノマスクってのは、何のことかね?」

熊さん「確か、そんな名前の人が百人一首の中にいたけど、どんな歌だったかは分からねぇな。そうだ、横丁のご隠居さんに聞いてみよう。」

ということで、二人でご隠居さんを尋ねました。

熊さん「ご隠居、百人一首でアベノマスクって人はどんな歌を詠んだんですかね?」

ご隠居「それはアベノマスクではありません。安倍仲麻呂と言いましてな、『天の原ふりさけ見れば春日なる 三笠の山に出でし月かも』という歌が古今集にあります。」

熊さん「いいえ、安倍仲麻呂じゃなくてアベノマスクなんですがね。」

ご隠居「うーむ、あっ、思い出しました。コロリ和歌集に安倍真須久が詠んだ歌がありました。」

八っつぁん「どんなヤツですかね?」

ご隠居「確か、『封筒をかざして見ればマスクなる小さき布に出でしアゴかも』でしたな。」

(この物語はフィクションです。)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長屋の裏話(その一)

2020年04月19日 | 日記

熊さん「このところ流行っているコロリ、うちの町でも3人ほど出たんだってな!」

八っつぁん「毎日、コロリ退散のご祈祷してたんだけどダメだったか・・・」

熊さん「そんなこた~あるめぇ。ソーリ夫人だって九州までお参りに行ってるんだぜ。」

八っつぁん「外出は自粛しねーといけねんじゃねーか?」

熊さん「おめー、ソーリ夫人が国家安寧を祈ることにケチをつける気か!」

八っつぁん「そーだよな、有難く思わねーと・・・」

(この物語はフィクションです。)

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

八重桜

2020年04月18日 | 日記

ワンコの散歩道の桜は、メイヨシノから八重桜に代わりました。

百人一首の「いにしへの 奈良の都の八重桜 今日九重に匂いぬるかな」は、奈良から京の都に献上された八重桜の受け取り役に任命された伊勢大輔(いせのたいふ)が読んだ歌とのこと。

しかし某は、八重桜をみるとなぜか食べてみたくなるのであります。

「砂糖かけ食べてもみたし八重桜 ふわりふわりと匂いぬるかな」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

灯台下暗し!

2020年04月17日 | ワンコの世界

今週のマイブームは、茶々と一緒に裏山の散策です。

ほぉー、古民家に鯉のぼりが泳ぎました!

と思ったら、何と「水琴窟」を発見!!

こんなところにあるとは、灯台下暗しですね!!!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

隠れカラスファン

2020年04月16日 | 日記

ワンコの散歩で、すれ違ったおっちゃん達の会話。

「あっ、カラスの巣があるぜ。」

「今度から、棒を持って歩かないとあぶねーな!!」

なぜでしょうか、カラスを毛嫌いする人が多いのは?

ヒッチコックの鳥という映画でも、カラスを悪魔の化身のように扱っていましたよね。

八咫烏(やたがらす)は、サッカー日本代表のシンボルマークになっているに!!

あの巣だって、ハンガーなんぞを使って上手に作っているではありませんか!!!

実は某は、カワセミの写真などを撮ってはいますが、一番好きな鳥は「カラス」という、隠れカラスファンなのであります・・・

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする