北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

年度内結審に向け攻防続く

2016-12-05 | 志賀原発廃炉訴訟
   

志賀原発を廃炉に!訴訟第21回口頭弁論。
今回は友禅染作家志田弘子さんの原告意見陳述、そして今回で結審なるかという注目の口頭弁論ということで傍聴席は満席。

北電は原発直下の断層の評価について、原子力規制委員会の判断を待つべきというのが基本的立場。
安倍政権のコントロール下にある規制委員会に期待しての引き延ばし作戦である。
加えて、まだまだ弁論は尽くされていない、争点は明確になっていないと主張する。
さらに滑稽なのは、志賀原発は当面動く見込みはないのだから運転差し止め判決も急がなくていいじゃないかという論理まで飛び出す。

私たちはすでに双方の主張は尽くされており、これ以上弁論を続ける必要なしとして今回での結審を求めてきた。
その結論は・・・

   

裁判所は、今回の裁判は科学論争の場ではないとの見解を明確に示しており、規制委員会の判断を待たず、原告が危険に晒されているかどうかを判断するという方針をすでに示してる。
争点についても、すでに1昨年暮れに争点整理メモを原告・被告双方の弁護団に示しており、北電の主張は何をいまさら、といった感じである。
有識者会合の評価書が規制委員会に提出されすでに7ヵ月。反論を出す時間も十分とってきた。
まさに結審の時だと思うが、裁判所は北電が有識者会合がまとめた評価書の証拠能力に疑義があるというので、これに対する反論は原告側から出してほしいという。
裁判所からの反論提出要請を断るわけにはいかない。
仕方なく今回の結審は断念である。
しかし、3月16日の次回口頭弁論での結審を断念したわけではない。
弁護団は裁判所から求められた反論文書を1月中には提出し、早期の結審を促していく。

私たちが早期結審にこだわる理由はただ一つ。
現裁判長が3月で移動となる可能性があるのだ。
もし交替となってしまえば、裁判の展開も大きく変わってしまう可能性がある。
審理は振り出しに戻り、まさに北電が期待する時間稼ぎとなる。

   

今回の原告意見陳述は七尾市在住の友禅染の作家志田弘子さん。
あらゆる命の尊さ、愛おしさを娘さんが母になったときの感動を振り返りながら表現し、福島の事故の衝撃、福島の女たちのたたかいへの共感、そして福島のあらゆる命に思い寄せながら、原発のない社会、放射能の恐怖におびえない暮らしを求め続ける決意を彼女ならではの感性で訴えていく。
法廷では、弁論にあわせて、モニターに彼女の作品が映し出されていく。
下の作品は津波でさらわれた被災地に想い馳せた「みんな、どこへ行った」。

   

   

報告集会の冒頭、私からは13年前の今日12月5日は珠洲原発の計画が凍結=事実上の撤退となった日だと紹介する。
住民合意や用地買収、漁業権などを巡るたたかいで、すでに立地は困難という状況を作りあげ、電力会社の中からも撤退がささやかれる中であっても、12月5日を迎えるまでには何年も要することとなった。
志賀原発も、再稼働は無理だと思えても、しっかり勝ち切るのはさらに粘り強いたたかいが必要。
裁判の展望、若干不透明さが出てきたが、引き続きの協力を呼びかける。


   


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