金沢地裁の新庁舎が完成してはじめての口頭弁論。
法廷は205号。裁判員裁判でも使用される一番広い法廷とのこと。
今回の原稿意見陳述は志賀町出身・金沢在住の雄谷健一さん。志賀一号機稼働前に「子どもたちの未来を守る父母の会」を立ち上げ、原子力防災問題に全力で取り組んでいた方だ。いかにおざなりな計画で原発を稼働させたかについて、かつての運動の経験と福島の現実を踏まえながら厳しく批判していった。
続いて原告側が提出した第10準備書面(「緊急安全対策」等の危険)と第11準備書面(原発に求められる安全性)について、担当の弁護士さん説明する(準備書面は近日中にこちらにアップ)。
被告北陸電力の答弁書で主張した3.11後の緊急安全対策への反論を実に明確に展開してく。その鋭い論理展開もさることながら、サプレッションプールのスロッシング(適当に読み流してください)など活字だけでは理解しにくい原発の構造的危険性をパワーポイントを駆使して裁判官や傍聴人にも実にわかりやすく説明していく。以前の口頭弁論とは様変わりである。
「原発に求められる安全性」は北電の見解と真っ向から対立するこちらの主張である。提訴前の訴状作成段階から弁護団の間で侃侃諤諤の議論がなされてきたテーマでもある。
被告北電の反論をぜひ聞きたいところだが、今日も被告側弁護士は反論を先延ばしした。原告の方からの証拠がすべて出てから反論するという。
裁判の素人が聞けば一見もっともな主張かもしれないが、弁護士さんからみれば極めて異常な訴訟進行を被告は主張しているとのこと。
つまり、どの裁判でも通常はお互いにそれぞれの主張をまずぶつけ合い、認識の一致するところ、食い違うところを洗い出し、争点となる問題について証拠を出し、あるいは証人を立てて主張の根拠をより強化していくことになる。
最初に原告側の証拠を全部出せとは通常の訴訟ではありえないし、過去の原発訴訟でもなかったこととのこと。
北電弁護団の狙いは何か。なんとかダラダラと引き延ばし、国民がフクシマを忘れていくのを待つ。そんな思惑が見え隠れする。
次回口頭弁論は7月25日(木)1時半から。
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