ブログ仙岩

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大石邦子の「頑張れ青春」

2016-03-29 08:27:28 | エッセイ
ハイッ!みんぽう4月号エッセイスト大石邦子「頑張れ青春」で、書き出しは、こんなに少ない冬は記憶にない・・・・

それがどうしたことだろう。この原稿を書く窓の外は、まだ2月だというのに雪なく、庭の苔がさみどりに光っている。有り難い反面一抹の不気味さをも感じている。・・・・

春は旅立ちの季節、卒業、進学、就職、転勤、退職、等々。多くの別れがあり、多くの出会いが待っている。新たな人生の始まりである。

しかし、すべての人が希望通りの道を歩けるとは限らない。受験に失敗した人もあるだろう。就職がいまだ決まらない人もあるだろう。世の不条理に泣いた人もあるかもしれない。特に若い人は初めての体験で戸惑い悩むこともあるかもしれない。

でも、何があっても大丈夫で、人は生きられるように創られている。一度や二度の失敗、何も恐れることはない。失敗から学ぶこと。それは何にも勝って素晴らしい。15才や18才で人生の結論を出してはいけない・・・

私も、先の見えない遥かな歳月を生きた人間として、その時は本当に解らなかった。死ぬことばかり考えていた。・・・絶望に打ち砕かれた悲しみの一つ一つがオセロゲームの黒白が次々にひっくり返るように生きる力となっていったことを、不思議な気持ちで思い出す。

しかし、それは理屈ではなく、生きてみなければわからないこと、頑張れ青春!