8/9(日) 昨日の土曜日、築地の市場に出掛けた。築地市場に買い出しに出向くのは、久々のことであある。次女が出産し、産後の体調が戻るまで、我が家に居候をはじめた。その長男誕生をメデタイ「鯛」で祝ってやろうと、魔が差したように閃いたのが、水曜日のこと。
余計なひと言を発しなければ、私の財布が寒い思いをせずに済んだのだが・・・・。言葉が多いのは良くないと、何時もスタッフのAOKIに忠告していながら、私も駄目な男である。言葉の多いやつは、お客を逃がすか、財布が軽くなるか自明の理。AOKIは前者だが、私は後者になった。
9時30分、新大橋通りと晴海通りが交差する築地場外市場の角で、スタッフの還暦デザイナーYOSHIOと待ち合わせた。YOSHIOは、驚くことに築地場内市場に行ったことがなかったのだ。前日の昼間、非常階段の踊り場(ここに灰皿を置いてある)でタバコを吸いながら、『明日は築地に鯛を買いに行くぜ』と、自慢げに話した。
するとやつは、実に羨ましそうな顔をして「俺は行ったことがないんだよネ」と、淋しげに言った。そんな言葉を聞けば、可愛そうになるのが人情と云うもんだ。『じゃぁ、明日の九時半に築地まで来いよ。鮭の半身も買ってやるよ』と、余計なひと言が出てしまった。言葉が多いやつは財布が軽くなるのだ。
そんなことで、場外市場の門で落ち合った。幸いになことに、この日は暑さが少し和らいだ。待っていたYPSHIOが「すごい人出だね、外人がゾロゾロ歩いてるんで面白いよ」と、今更ながらのことを言う。『なにをトウヘンボクなこと言ってんだ、今日は少ない方だぜ』と、場内市場に向かった。
場内市場の仲卸は、そろそろ店仕舞いの時間帯である。商売人の邪魔にならないように、店仕舞いで安く買えるようにと、そのギリギリの処を狙ってくるのだが、そうは上手くにいくはずなしか。どうせ買う店は決まってるからネ・・・。
車に気をつけろよと、道路を渡る。ヤッチャ場を抜けながら、ここが野菜や果物の仲卸だぜ。この角の店で「ベッタラ市」の食材を仕入れたんだ。とか、初見のYOSHIOに、聞いちゃいねえだろうが、教えながら魚市場に向かった。
十時前だ、流石に仕入れの人の姿は希になっている。が、外人のグループ・家族連れが、未だ写真を撮って行き交っていた。
何時ものように「原秀」で、鯛とイカを買う。隣の生マグロ専門の米岩でマグロを、鮭やイクラの北田で鮭を買った。後はyOSHIOの案内人で、あたりをウロウロと歩くが、大半が店仕舞い中で魚を仕舞っていた。そんな中で、タコがあつたので一つ買った。家に、タコ・イカという安魚が好きな貧乏山の神がいるのだ。
ひと回りし、手巻き寿司用の海苔まで買った。美味いコヒーの店「愛養」でコーヒーを。それから『折角来たんだから、飯喰ってくか?』と訊くと「そんな贅沢なことを!」と、一応は否定するYOSHIOである。そんな歪んだ性格は、先刻お見通しの俺だ。黙って、空いているだろうと思う、波除神社方面への途中にある店に向かった。
その店は、コの字形のカウンターだけで十三・四人で満席となる、、フライ系が主体の店である。上手い具合に空いていた。ビールを注文した処、向こう側の席から「こんにちわ」と、声が掛かったのである。誰かと思いきや、蕎麦店「高松」の長男SHUNが、友人と二人で座っていたのだ。
偶然が有るものだ、ここで会うとはね・・・・。バイクに跨って食事に来たとのことであった。言葉数は少ないが、中々の男前、店ではこまめに働いている。バイクを買うために、店が終わった後から深夜営業の居酒屋で、一時アルバイトをしていたこともある。感心する若者なのだ。
YOSHIOはメニューの中から、「メンチカツ定食」をオーダーした。私は「ポテトサラダ」と「おしんこ」で〆て450円、ビール大瓶が650円、中瓶が550円だったかな、概ねそんな処だが、支払総額は3850円だった。ビールで腹いっぱいだ・・・・。
波除神社の前を通って、場外市場を半周。途中で、奈良漬を半分買っただけで、今日の買い物は手仕舞いにした。
会社に出るYOSHIOと、築地駅で左右に泣き別れ。自宅に戻った。
今夜の晩飯は、「鯛飯と「潮汁に刺身」「マグロ・イカ・タコ」の刺身、奈良漬・胡瓜千切・梅肉・大葉・その他で「手巻き寿司」。ご飯炊き用の窯で「鯛めし」を、頭と粗で潮汁を作り、後は山の神様にバトンを渡した。
義妹夫妻もお祝いを持って来宅、一緒に食事となった。・・・・・、食べ過ぎたよ! 鯛めしに手巻き寿司、潮汁、他の物が入らなかった。