やまぼうしー自然の記録帳ー

富山県内の自然を中心に、自然や自然現象を記録にとどめておきたいと思っています。

ナンカイカラスヨトウ?(終齢幼虫)(富山市)

2022-05-21 05:43:52 | 昆虫類

庭のバラ(殺虫剤は、まいていません)花殻を処分していて、蕾を食べている薄緑色の比較的大きなイモムシに気づきました。腹端背部が鋭く尖っており、以前にも見たことがある幼虫です。

『イモムシハンドブック③』で掲載種総一覧を見ていくと、オオシマカラスヨトウの幼虫でした。『イモムシハンドブック』でオオシマカラシヨトウの頁を見ると、「体色は薄緑色」「気門は黒色環に囲まれた白色」「第8腹節背面に円錐形のとがった突起」が特徴としてあげられており、ピッタリだと思いました。

念のため、ウェブサイト『みんなで作る日本産蛾類図鑑V2』で確かめると、幼虫の写真は庭で見たものと同じですが、(成虫は)ナンカイカラスヨトウに似ていると書かれています。少し気になって、同サイトのナンカイカラスヨトウの幼虫の写真を見ると、これも庭で見たものと同じように見えます。

何か気になってきて、ウエブサイトで「ナンカイカラスヨトウ」を検索すると、ナンカイカラスヨトウの幼虫についてまとめたサイト『KONASUKEの部屋/ナンカイカラスヨトウの幼虫20200517』が見つかりました。そこには、次のように書かれていました。
「分布:本州(関東地方南部~)、四国、九州 海岸部に近い低山地 …
 従来、オオシマカラスヨトウと混同されてきたが、1996年、新種として記載された。 …
    幼虫は晩春の頃、発生すると思われる。
    幼虫は黄緑色の体で、腹端背部は鋭く尖る。
    背中の中央を、比較的明瞭な縦線が走る。
    他にも不明瞭な縦線があり、全体に白い斑点を散らす。
    成熟するにつれ、突起部の先は黄色味を帯びる。
    体の横を、気門を結ぶように、黄白色のラインが走る。
    気門は白く、気門輪(気門を取り囲む輪状の紋)は黒い。
    (オオシマカラスヨトウでは気門も気門輪も黒い。)
    胸脚は黒点はあるが、全体は黒くない。
    (オオシマカラスヨトウでは、胸脚は全体が真っ黒。)
    肛上板(腹端部の尾脚の上付近)に黒紋はない。
    (オオシマカラスヨトウでは黒紋がある。)」

庭で見かけた幼虫は、「気門は白く、気門輪(気門を取り囲む輪状の紋)は黒い」「胸脚は黒点はあるが、全体は黒くない」ように見えるので、ナンカイカラスヨトウのように思えてきました。

ただ、我が家は海岸からは遠く離れた平野部の水田地帯に近い所で、関東南部以西にはあてはまりにくいのです。これも「気候温暖化」などの影響による分布の北上現象でしょうか?


《バラの蕾を食べていたナンカイカラスヨトウ? 2022/05/20》


《バラの蕾を食べていたナンカイカラスヨトウ? 2022/05/20》


《バラの蕾を食べていたナンカイカラスヨトウ? 2022/05/20》


《バラの蕾を食べていたナンカイカラスヨトウ? 2022/05/20》

2020/06/13に投稿した「オオシマカラスヨトウ(幼虫)/富山市」を再掲します。
「(はっきりとはしませんが)バラの花殻を取っているとき、何か重量感のあるものがポトッと落ちる気配がしました。確かめると、尾部に突起のある緑色の大きな芋虫です。とりあえず写真を撮って、(我が家の庭の中なので止むを得ず)処分しました。
後で、『イモムシハンドブック』でスズメガの仲間の幼虫の写真を探しました。すぐに見つかるだろうと思っていたのに、合うものがいません。名前調べはひとまずおいておいて、数日後、もう一度載っているすべての幼虫を順に見ていくと、ピッタリ合う幼虫がいました。オオシマカラスヨトウの幼虫です。
スズメガの仲間の幼虫の体型は特徴的で腹端に「尾角」と呼ばれる突起があるのですが、このオオシマカラスヨトウの幼虫にも第8腹節の背面に円錐形の尖った突起があったのです。
オオシマカラスヨトウの幼虫は、ブナ科、ヤナギ科、クルミ科など多くの樹木の葉を食べます」
このブログには、「ナンカイカラスヨトウ?」という訂正を入れようと思います。


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