好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 ギレリス/ヨッフム/ベルリンフィル

2020-04-26 09:16:43 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第2番 

ピアノ…ギレリス
指揮…ヨッフム
演奏…ベルリンフィル
好み度…5(5点満点)

およそ普通の「ピアノ協奏曲」という響きから連想される華麗軽やかなものではない。
第1楽章なんてシンフォニーだってこれくらい重厚な演奏はなかなかないのではなかろうか、と思うほどの力漲る緊張感と重みに満ちている。
ギレリスの力強い打鍵が響き、オケもまた力に満ちた重厚な音を奏でる。
ギレリスの力強い打鍵はときに空回りに聞こえるときもあるがこの演奏では気に満ちている。弱音もしかり、第3楽章の零れるような静かな一音一音もしっかり気が乗って美しい(第3楽章ではチェロも美しいがそれにかぶさる木管なんかも美しい)。第1楽章の剛毅な力強さに比べると第2楽章は叙情味を加える。
終楽章はそれまでの楽章に比べると少しさらりと流れる感もあるがこの曲はそんなところがあるように思うし、とにかくこれだけの迫力を感じる演奏はそうはないだろうし、こういう演奏はこの曲ならではの醍醐味ではないだろうか。
これはすごい演奏だと思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 クーベリック/バイエルン放送響

2020-04-26 09:14:21 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…クーベリック
演奏…バイエルン放送響
好み度…5(5点満点)

ただ流麗に鳴らすだけだと味気ないものになるこの曲を、感銘深く聴かせる名演。
特に新鮮な演出などはないが、バイエルン放送響の厚く透明感のある完成度の高い響きはそういったものの先にある郷愁を漂わせるような響きとなり、ソリストもさりげないようで丁寧に濃い情感を漂わせる。
クーベリックの円熟を聴くようであり、何かを突出させることなく何の変哲もないようで、その響き、雰囲気が何ともいい。
何をどうすればこういう響きになるのかとも思うし、どうにも書き表せないが、おおらかな深さと大きさと沁み込むような味わいを感じる名演と思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 セル/クリーヴランド管&合唱団 他

2020-04-26 09:10:29 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…セル
演奏…クリーヴランド管&合唱団 他
好み度…4(5点満点)

明るい美術館にそのまま置かれた均整のとれた真っ白で美しい彫刻を見るような、明晰で均整のとれた第九との印象を受ける。
音質は軽いようでいて、響き全体で軽薄な感はない。
第1楽章前半は音を短めに切っていることもあって重みに欠ける印象も受けるが、後半は推進力を加えた響きはアンサンブル、力感、美しさのバランスよく心地よい。
第2楽章はむしろ第1楽章より緊張感伴う鋭い力感を加えた感がありティンパニの強打にはセルの熱い一面を聴くようでもある。
第3楽章冒頭はそれほどゆっくりでも弱音でもなく、しかし美しい響きは明るく清清しく爽やかな透明感のある広がりを感じさせ、全体的に少し速めのテンポと常に弦はじめ輪郭がはっきりしているせいか中盤に受けるもやっとした感もあまり感じない。ちょっと珍しいくらいに快活な印象すら受ける第3楽章である。
終楽章は、個人的な好みからは独唱が大きいかなぁ、男声2氏は声の質もちょっとしっくりこない感もある。
管弦楽も合唱もアンサンブルはじめいろんな意味でバランスのとれた演奏なだけに独唱の大きさだけバランスを欠くようで残念ではある。終楽章全体では合唱も悪くないし全体的によいとは思う、が、個人的にはやはりこの楽章は均整がとれているだけではちょっともの足りない感もあるかな。
やっぱりセルは上手いんだな、とは思うけど、特に好きな盤というものにもならないかな、といった印象でした。
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