「子どもへの指導に手ごたえを感じないとき」とは,いかにも残念なときです。
残念なことではあるけど,そんな感触も繰り返し感じながら,子どもと付き合っていくものですよね。
そして逆に「手ごたえを感じたとき」は,うれしいものです。
教師という仕事に幸せを感じるときってもいいでしょう。
精一杯の指導をしたのに,子どもに変容が見られない場合,教師はどうするでしょうか。
まずは,自分の指導の仕方に問題がないかを省みるでしょう。
それを一生懸命する先生は,とてもいい先生だと思います。
そしてそこに反省点があり,改善したのち指導したらうまくいったというなら,なによりです。
もう一つは,子どもの側にある原因を考えるでしょう。
「あの子には何を言ってもだめだ」なんて言い方する先生は,力のない先生のように感じます。
子どもにある可能性はいつも信じてあげたい・・・
というのが教師の思いですが,今回は,その部分に関するちょっと視点を変えた攻略法を考えてみました。
これです。
その子にとって本当に必要な指導か考え,言ってもしかたのないことは言わない
ということです。
少し冷たいような気がする言葉ですが。
例えば学習指導。
「たけるくんは5年生だから,起承転結を考えた,全体構造の整った文章を書けるようになってほしい」という教師の思い。
でも,たけるくんは作文活動にこれまで全く意欲がなく,その書き方なども全く身についていない。何度も指導するけど,うまくいかない。
さて,たけるくんに,本当にそこまで今,指導が必要でしょうか。
例えば生活指導。
「ちなみさんは,6年生なのにまだ人前に出る経験をしてないから,今度の運動会では開会式の言葉をさせてみたい」という教師の思い。
でも,ちなみさんは性格的にとてもおとなしく恥ずかしがり屋さん。いろんな言葉で勧めてみるけど,やりがたらない。
さて,いきなり運動会の言葉をさせることが,彼女のためになるでしょうか。
つまり,ここで強調したいことは,子どもの実態は様々であるということ。
「○年生として,ここまで成長してほしい」「私のクラスは,全員~ができるようにしたい」という教師の思いは立派なものですが,その目標と子どもの実態がかけはなれすぎている場合もあるということです。
「言ってもしかたないことは言わない」とは,指導をあきらめるというわけではなく,それを十分に考えてあげた優しい指導をしてあげるという意味です。
もっと目標をスモールステップにして,簡単なことからさせてあげましょう。簡単なことなら,言ってもしかたないことにはなりません。
たけるくんには,まずちょこっとでも書けることを目標にして
ちなみさんには,グループ内で発表ができたらほめてあげて
指導に手ごたえを感じないときは,このように,「それは本当に必要な指導か」を考えてあげることも必要でしょう。
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