だれかの研究授業があるたびに,学習指導案を目にすることになりますね。
この指導案にはオーソドックスな書き方がありますが,最近ではいろいろな形を変えて書くパターンもあるようです。
この書き方はどうであれ,その中身については,大事なことは一貫しているはずです。
今回は,その指導案をみる際に,何をみればいいのかを考えてみましょう。
さて,校内研修で同僚先生が研究授業をするとなると,その日の朝,もしくは少し前の日に指導案が配られます。
「単元について」から「本時」までびっしりと書かれていて「○○先生,ごくろうさまですねぇ」と思います。
ここから先,この指導案のみかた,教師によって違います。
一番ひどい先生は,まずこの指導案を読まない。研究授業本番まで,残念なことにこの指導案の中身を見ない人もいます。(見たいけど,見る時間をつくれない)
次の先生は,指導案をみるけど,ただ見ている。力不足でポイントを押さえられていないのです。
では,力のある先生,研修を効果的に活用できる先生は,何をみているのでしょうか。
いくつかポイントはあると思います。
指導案をみるときの攻略法は,これです!
1 研修の中におけるこの授業のねらいをとらえる!
2 この授業で一番身につけさせたい学力を明らかにする!
3 その学力を身につけさせるための学習指導の工夫を吟味する!
4 その学習指導の工夫が子どもの実態に合っているかを検討する!
という4つのポイントです。
この4つのポイントをもって,学習指導案をみましょう。すると,研究授業にのぞむ意識もぐっと高くなるし,授業がおもしろくなります。
少し解説すると,
1 まずは研究授業のねらいです。「単元(本時)の目標」ではありません。この研究授業は,研修活動の中においてどのような位置づけをされているかです。すぐれた研修活動であれば,それが明確になっているはずです。これが分かっていないと,授業後の研究会でも,話の視点がズレてしまいます。
2 この授業の一番の山場はどこにあるのかということです。この授業を終えたとき,子どもたちにはどんな学力が身についていてほしいのか。その学力の高まりが見える授業なら,いい授業だということでしょう。
3 学習指導の工夫です。「~な学力をつけたいから,~という工夫をする」と,2の学力のねらいと必ず連動しているはずです。ここが一番の見どころとなるでしょう。
4 子どもの実態は無視することはできません。3の学習指導の工夫が実を結ぶかは,この子どもの実態を正しくとらえているかにもよります。担任の先生だからこそなせる技です。
つまりは,たくさん書いてある中身をすべてじっくりよむのではなく,その中から上手にこれらのポイントに当たるところを見つけるのです。
いろいろたくさん書かれている指導案も,結局はこの4つのポイントがあるはずで,逆にこの4つのポイントが明確になっている指導案は,いい指導案と言えると思います。
そして4つのポイントを見つけたら,さっと4色の蛍光ペンででも線を引いておくといいですね。
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