67camper's Blog

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若い血潮を感じるウッズとバードの競演

2008-10-25 03:25:13 | jazz & vocal
The Young Bloods/Phil Woods & Donald Byrd
(Prestige 7080 jp.reissue)


 初期のプレステッジのアルバムをひもとくと、こういった特にリーダーを設定しない、あるいは双頭コンボ的なセッションがアルバムになっているのに気付きます。本日はドナルド・バードとフィル・ウッズの双頭コンボの一枚をアップしますね。ハードバップファンならこのフロントの組み合わせで思い出すのがGeorge Wallingtonのコンボですよね。ここではWallingtonのバンドで活躍したTeddy Kotick(b)を加え、ピアノにアル・ヘイグ、ドラムにチャーリー・パーシップの五重奏団です。56年という時代を反映したタイトル通りの暑いハードバップが聴けます。

 A-1のパーカーのオリジナル"Dewey Square"で幕をあけます。ヘイグに導かれてユニゾンでテーマが現れますがホワイトパーカーとも言うべきウッズのアルトが見事です。バードの流れるような美しいトーンのソロもいいですね。徐々に熱気を帯びて行くウッズのアドリブからバード、ウッズ、パーシップのチェースにつながって行く展開はまさにハードバップですね。続く"Dupeltook", "Once More"はいずれもウッズのオリジナルです。作曲者の太いアルトのサウンド、メロディアスなバードが聴きものですね。B面冒頭のパーカー未亡人チャンに捧げた"House Of Chan", またB-2の”In Walked George"は2人が所属したウォーリントンへのトリビュートで、いずれもウッズのオリジナルで、結局4曲をウッズが提供しておりウッズのこのアルバムへの熱いパッションを感じますね。そしてエモーショナルなウッズのバラード演奏が聴ける"Lover Man"で締めくくる展開です。

 所有盤は70年代後半のビクターの廉価盤です。しっかりした作りは70年代ならではですね。1500円で購入したこのシリーズは結構マイナーなものが主体だったのですが、このアルバムが最初にゲットしたアルバムで思い入れの一枚です。