67camper's Blog

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既に完成の粋にある初期のバレル

2010-10-16 03:29:58 | jazz & vocal

Kenny Burrell/Kenny Burrell
(Prestige 7088 OJC reissue)

自分の名前自体がそのままタイトルになるアルバムというのがたまにありますが,そのアーチストの特性を全て網羅するかのような曲構成でそのアーチストの資質をLP一枚で全て表現してしまうLPとして重要です。反面,名前が知られてないからそのようなタイトルを冠したとも言える訳で、一発勝負で終るかもしれないという思いからか緊張感をたたえたリーダーの入魂のプレイが聴ける点でも見逃せません。このプレステッジのバレル盤もそんな一枚で好感が持てます。名門ブルーノートにも”Introducing Kenny Burrell"なんていう有名盤がありますが,個人的にはややマイナーなこのプレステッジが好みです。

メンバーはKenny Burrell(g), Cecil Payne(bs), Tommy Flanagan(p), Doug Watkins(b), Elvin Jones(ds)と名手を揃えていて各自が最高のプレイで応戦しているのが見逃せません。全編ブルージーな味を出しまくっているバレルの演奏は後のミッドナイトブルーなどに聴かれるようなブルースフィーリング既にデビュー当時から確立されていた事がわかります。56年NY進出と前後して録音されたアルバムと推測しますがこのスタイルは一貫しておりA-1の"Don't Cry Baby"から1ラウンドKOを思わせる好プレイが楽しめます。ペインのバリトンもそこそこいいですが,やはりトミフラの味が最高です。バレル/トミフラは名盤“All Day Long"と同じコンビですよね。B-1に収録されたパウエルの名曲"Strictly Confidential"のトミフラのピアノのつつましいブルースフィーリングはさすがです。B-2"All of You"では中盤はミディアムバウンスですが、テーマのバラードプレイは実にバレルらしくって好きですね。

所有盤は残念ながらOJC reissueです。50年代後半のジャズはやはりいい。改めてそんな印象を思い起こさせる好アルバムですよね。