Jazz Giant/Bud Powell (VERVE MGV-8153)
ビーバップ時代に世に出たBud Powellのピアノスタイルは、次世代のハードバップエラに多くのパウエル派というピアノ奏者を生み出したことはよく知られていますよね。日本のジャズピアノの巨匠、秋吉さんだってそうですし、西海岸のクロード・ウィリアムソンなどはホワイトパウエルなどというニックネームをもらったことでもわかります。勿論、師匠でもあり好敵手でもあったモンクのようなスタイルや独自の嘆美的なスタイルを確立したビル・エバンスなどもいますが、ジャズピアノ界に最も太い流れを作ったのはパウエルであろうと思います。まさにメインストリームですよね。
パウエルではルースト、ブルーノート盤が評価が高く、VERVE時代のパウエルはややアンダーレイテッドな評価を受けていると感じるのは自分だけでしょうか?演奏はどれも素晴らしいですが、ルースト、BNの録音の悪さ、ジャケの無味乾燥さをマイナス因子と考えれば、やや後年の録音が主体となるVERVEの諸作はDSMの粋なデザインのジャケが素晴らしく、個人的には贔屓のアルバムが多いのです。中でもエンジのカラーリングが主体のJAZZ GIANTは個人的に最も好きなVERVE系のアルバムです。
A-1のテンパス・フュージット一発、これで決まりです!ローチの躍動するリズムに乗って繰り広げられるキラキラした優雅なピアノは冒頭を飾るにふさわしい演奏だと思います。マイルスがブルーノート盤でも演奏していますが、やはりテンパス・フュージット=パウエルの図式は自分の中では動かしようもありません。ソロで奏でられる、”I'll Keep Loving You", ラストの”Body & Soul"も著名な演奏ですよね。I'll Keep Loving You”はマクリーンのレット・フリーダム・リングでも取り上げられたパウエルの重要なオリジナル曲であり、これを収録していることも重要ですよね。
所有盤はVERVEのCLEF SERIES, トランぺッターラベルのモノラル盤です。国内盤でも所有しているので2枚になってしまいました。結構、こういう状況にあるアルバムが多いのが自分のライブラリなのです(爆)。