The Men I Love And The Songs They Sang/Zilla Mays
(NRC LPA-9)
いわゆるジャケ買いというのは、インストものよりボーカルもので頻繁におこるような気がしています。マイナーなアーチスト(歌手)のアルバムでの購入動機の最も大きな要素が粋なカバーではないかと思います。歌手ではそのアルバムだけしかリリースされてない場合もしょっちゅうです。本日は、そんなひとりの歌手、ジラー・メイズの唯一のリーダーアルバム"The Men I Love And The Songs They Sang"をアップいたします。
ジラーはアトランタのWAOKというラジオ局のDJだった人らしいですが、ほとんど素性についてはこのアルバムのバックカバーの記載ぐらいしか資料がないと思います。彼女のスタイルはジャズ批評で坂田一生さんが記載したように「アク抜きしたダコタ」という言葉がピッタリです。このアルバムでは男性シンガーの十八番をピックアップして収録しており、選曲も面白いですね。ナットキングコールの“Paper Moon"やサミーデイビスの“Hey There"、ラッキーミリンダーの”Don't Cry Baby"などいい味わいを出しています。バッキングはJulius Wimby(p), Wesley Jackson(g), Ike Alexander(b), John Kelley(ds)からなるも無名アーチストのカルテットですが、ジラーのボーカルにあわせたつつましい歌伴で好感が持てますね。
所有盤は恐らくNRC(National Recording Corp.)のオリジナル盤です。ラベルは上記です。何と言っても素晴らしいのはこのイラストジャケでしょう。レコード好きならエサ箱で遭遇すれば一瞬止まるのは仕方ないところでしょうね。