「梨花雪飛」 (半切)
先日、拙ブログへお越し下さったNさんより、
中平南谿先生 の書をお持ちとのことでご連絡を頂き
『作品の構成にも拘りがなく、自由奔放に、その時の自分の感情を一気に
書き込んだように感じ取れます。
線質も変化に富んで、何度観ても心を動かされる作品です。』と。
母の師であられた中平先生は、1903年生まれ。松本芳翠に師事。
日展参与、書海社常務理事も務められたお方。2001年逝去。
私も数回お目にかかったことがあるけれど、
もの静かで、明治生まれの気骨を感じる方でした。
で、この作品について、先日、日本書道学院展にお邪魔した折、
同じく門下であられた石川芳雲先生にも印象を伺ってみました
う~ん、これはまさしく中平先生の作品だけど、いつになく豪快。
おそらく書海社の新年会の席か何かで、お年玉として揮毫されたものでは?と。
つまり、即興的で気負いのない作品、と。
母曰く、中平先生の作品は、ふわっとした何ともいえない温かく超然とした世界を
感じるものばかりだったけれど・・と、意外な印象だったよう
昭和51年と書かれているので、先生、76歳の作品。
改めて拝見しながら、奔放さはそのままに、更に躍動感があり、生き生きとした
まさに「生きている書」だなぁと
私もいつかそんな「生きている書」が書けたらなぁ・・と、心に響くものを頂きました。
画像の使用もお許し下さったNさん、ありがとうございました
あ、そうそう、石川先生からこんなお話も。
南谿先生の「谿」の文字、この当時は下が揃っているけれど、
その後「谷」が右下がりにされるようになったそうです。
なので、署名によって、書かれた年代がわかるとのことでした。
蘭秀会展での中平先生の作品はこちら↓