心の免疫力~書とことばから

もっと暮らしに書やARTを~
雲のように水のように あっけらかんと自在に生きるヒントを
求めて~ by 沙於里

美しくなくてもいい

2011-02-09 | 書の話

あったかい線、冷たい線、痛い線、切ない線、溌剌とした線、燃えるような線・・

線にもいろいろあるわけで 

でもって・・
いろんな線が書きたい人
自分の線だけを探求、追求したい人
はたまた知らない線を探し続けたい人・・

人にもいろいろあるわけで 

私は気が多いから、いろんな線を見てみたい。
結局どうにも自分の線しか書けないわけだけど、
いろんな線を書けたらいいなって思う 

見た瞬間に、「きゅん」とか、「ずんっ」とか、「うわぁ・・」とか
惹きつけられる線に出会いたい。

それは美しくなくってもいい。
生き様だったり、その人が滲み出るような、体温のある線が好き。

そんな線、そんな人に出会いたいものであ~る。
そしていつか、そんな自分になりたいものであ~る 

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今年の人気は金文

2011-01-28 | 書の話
                      金文「隹甲子朝」 (2×8尺 1/2)

昨日、午前中は書道教室と午後からは、展覧会作品制作の錬成会があり。

それぞれに書いてこられた作品を、1点1点、皆さんと鑑賞しながら
今回の「1点」を残すなり。

その年毎に、なんとなく人気のものがあるようで、今年はなぜか金文。
で、こんなのも参考に書いてみた。

この部分は、3つ目の文字がなんともかわいらしい宇宙人のようで
つい書きたくなり、以前もサイズや文字組を変えて何度か書いたことがあり 

これ→ ◆半紙1/2に三文字
これも→◆半切に三文字

原本はこれ↓ 囲ってあるところが今回書いたとこ


2行目の最初の文字も、「ワレワレハ・・」って言ってそうでしょ 
で、その次の文字は、頭に三角の白い布をつけた幽霊みたいだし 
いとおかし。


午後からは、それぞれの陣地で、集中して書くなり。
蘭秀会展は、4月14日(木)~4月17日(日)の4日間開催予定。
今年も力作揃いの、心に響く展覧会にしたいです 



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大きい紙は気持ちよか

2011-01-21 | 書の話
                               (2×6尺半分)

書道教室では、4月の蘭秀会展の作品作りが始まって中。
例年だと10月頃から始めるんだけど、今年はちょっと遅いスタート。

母と二人三脚でやってきた蘭秀会、今年で24年目に。
なので、中には70代、80代の方も。
でもその世代の方々、皆さまとてもお元気 

だんだん作品サイズは小さくなってきてはいるけれど、
取り組む期間が短くなった分、集中力もアップかも 

今日のは参考作品。金文の四文字「夜  淮の下に呂又 先」
馬の毛の長峰2連筆で。

これくらいの大きさの紙だと、書き終わると、ちょっと鼻息が荒くなるくらい。
腕と全身でもって、思い切り書けるので気持ちよか 

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こうして見ると・・

2011-01-05 | 書の話
                            金文一節 (2×6尺)

昨年末に書いた金文。
大掃除したら原本が見当たらず・・

金文は線と形の面白さと、空間の捉え方の勉強にもなるのでして 
紙面のどこから書き始めるか、文字の組み合わせはどこを選ぶか、
どの文字をメインにするか、余白は・・などなど。

書いてる時はできた~と思っても、こうして全体を見ていると
全体に墨量が足りないなぁとか、2行目と4行目は並んでるし 
最初の「彊」と3行目の顔みたいなのの大きさが似ていて、単調だなぁとか、
あれこれ粗が見えてくるのでして。。

あぁ・・載せるのはお恥かしや。。
でもね、書いても書いても、これだから書は止められないのであ~る 

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中平南谿先生の書

2010-12-27 | 書の話
                            「梨花雪飛」 (半切) 
       
先日、拙ブログへお越し下さったNさんより、
中平南谿先生 の書をお持ちとのことでご連絡を頂き 

『作品の構成にも拘りがなく、自由奔放に、その時の自分の感情を一気に
書き込んだように感じ取れます。
線質も変化に富んで、何度観ても心を動かされる作品です。』と。

母の師であられた中平先生は、1903年生まれ。松本芳翠に師事。
日展参与、書海社常務理事も務められたお方。2001年逝去。

私も数回お目にかかったことがあるけれど、
もの静かで、明治生まれの気骨を感じる方でした。

で、この作品について、先日、日本書道学院展にお邪魔した折、
同じく門下であられた石川芳雲先生にも印象を伺ってみました 

う~ん、これはまさしく中平先生の作品だけど、いつになく豪快。
おそらく書海社の新年会の席か何かで、お年玉として揮毫されたものでは?と。
つまり、即興的で気負いのない作品、と。

母曰く、中平先生の作品は、ふわっとした何ともいえない温かく超然とした世界を
感じるものばかりだったけれど・・と、意外な印象だったよう 

昭和51年と書かれているので、先生、76歳の作品。
改めて拝見しながら、奔放さはそのままに、更に躍動感があり、生き生きとした
まさに「生きている書」だなぁと 

私もいつかそんな「生きている書」が書けたらなぁ・・と、心に響くものを頂きました。
画像の使用もお許し下さったNさん、ありがとうございました 

あ、そうそう、石川先生からこんなお話も。
南谿先生の「谿」の文字、この当時は下が揃っているけれど、
その後「谷」が右下がりにされるようになったそうです。
なので、署名によって、書かれた年代がわかるとのことでした。

蘭秀会展での中平先生の作品はこちら↓


 



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縦の世界と横の世界

2010-11-27 | 書の話
                        (半紙1/2)

「淡月隠蘆花」

淡月とはおぼろ月のこと、蘆花はアシの花穂。

私はどうも横書きが好きでして。
今日のは単調でつまんないけど・・・

でもって、書はたいてい右から左へ書くものだから、なぜか筆で書く場合、
左から右へとは書けない、というか空間を掴みにくいのでして。
なんとも不思議なものだけど。

縦の世界と横の世界、それぞれの空間美があるわけだけど、
縦の世界は個人的、横の世界は大衆的だなぁとか、
縦の世界は閉鎖的、横の世界は開放的だなぁとか、
ふと、なんとなく 

緊張と開放、どちらも好きだけど
目指すはやっぱり、どこまでも開放の世界なり 
 
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伝統と革新のバランス

2010-11-18 | 書の話
                         (はがき)

「憑高眺遠」 高きに憑(よ)り遠きを眺むる  (蘇軾の句)
高い山に登って眺望を欲しいままにする、とな。

11月15日のnisibundoさんのブログ 西分堂日記 に興味深いお話が 
日展での解説で、「書も方向転換が必要」とのお話があったとか。

時代も人のニーズも、変化するものだとして。
けれど本質の部分で「いいものはいい」ってものは、時代に潰されることはないような。

伝統の世界と新しい世界、どちらが正しいというものではなくて
どちらもなくてはならないものであるような 

私の師が以前、こんなお話を。

 最近の人は漢詩が読めない、行草も知らない、だからと言って書家が万人に読める書を
 書いていては、文化はなくなってしまう。

 書家が迎合するのではなく、作品を通して人々に知識や文化を継承していくことも
 書家の役割のひとつではないだろうか、と。

変わっていく時代と変わらないもの、この2つのバランスは難しいけれど、
それを模索していくのが、書家だったりモノを創る人の真骨頂でもあり
役割であるような気がする。 (なんて偉そうに・・ )

秋の句を・・と探していて目に止まったこの句を書きながら、ふとそんなことを 
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書を弾く

2010-11-08 | 書の話
                              (半紙1/2)

萬途一徹 ばんといってつ 

方面は違っても人の成功する道は同じである、と。  『翰墨自在』 清雅堂より

私なぞ怠け者ゆえ、その辺の道をとぼとぼと・・でありますが 

えっと。今日は、たまたま見つけた毎日新聞の動画サイトをご紹介。

「書を弾く」というイベントが、第60回毎日書道展関西展の特別企画としてあったようで。
阿部裕之氏という方が、書作品を見たイメージで即興でピアノを弾くというもの。

全部で5曲、最初は毎日書道会最高顧問の稲村雲洞氏の「断雲」より。
ちょっと前置きが長いけど  なかなか一興。

ここをクリック 

ちなみに、ビデオ2は西野象山氏、ビデオ3は恩地春洋氏、ビデオ4が小山やす子氏 
ビデオ5は成田翠洋氏。

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師の呼吸

2010-11-07 | 書の話
                               (半紙)

龍門小品造像の一節の習作。

先日、師のご自宅へお邪魔した折に「あんたは仏像とかも好きやったから」と、
師が描かれた龍門拓本風の仏画も拝見。

まだ私が書を始めたばかりの頃、拓本を色々と見せて下さりながら
そこにある「ロマン」について語られる師の思いは、実はまだピンと来ていなかった。

でもやっと今になって、拓本の中にある時間や空間、情感といったものをしみじみと。
そして師とは、本当に有難いものだとしみじみと 

先日実家で、父に頼まれた半切を数枚書いていたら、その後姿を見ながら
「お前の呼吸はやっぱり、師匠そっくりだな」と。

畏れ多くも・・ではあるけれど、どこかに引き継いでいたらしあわせ 
あ、もちろん作品は到底お呼びでないけれど

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一鳴驚人

2010-10-29 | 書の話
                             (6cm×34cm)

一鳴驚人 いちめいきょうじん

このことば、母が好きでよく書いていたような。
意味は・・普段は静かにしているのに、いざとなったら驚くような力を発揮する、とな。

字ずらとしては書きやすいかも。でもあまり面白みがなかったか。。
縦にも書いてみた・・けど、ただ今部屋は紙が散乱行方不明。。

半紙とか小品だったら、気持ちは自由にのびやかにいられるのに
普段大きい作品を書いていないと、どうも気負ってしまうのでして。。

っていうか、今、全然閃かなくて
このことばにあやかりたいものでありんす。。。

とりあえず、気分転換でもいたしまする。


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