「今年最初の関西旅行記 #1」のつづき、旅行2日目(1月26日)のお話です。
この日は朝から良い天気で、
と、暢気にこんなポストを上げたりしていたのですが、まさか私がその大阪国際女子マラソンの影響を蒙ることになろうとは、つゆにも思いませんでした。
なぜかMISIAの大阪公演は、大阪国際女子マラソンと同じ日に開催されることが多くて、調べたところ、2005年、2007年、2008年、2010年、2012年、2014年、2017年、2020年、そして今年と、同日開催はこれがなんと9回目
このうち何度か、私はMISIAのライヴに参加したのですが、ランナーを遠目から見たことはあっても、影響を蒙ったことはありませんでしたので、高をくくっていました。
まぁ、この話はまた後ほど…。
さて、大阪2日目は、15:00頃に大阪城ホールに着くことを絶対条件にして、それまで大阪観光
を楽しむことにしていました。
そして、観光のメインに据えたのが、まだ行ったことのない大阪市立東洋陶磁美術館でした。それほど陶磁器に興味を持っているわけではありませんが、世に聞く「安宅コレクション」を拝見
してみたかったのです。
その後の行動は「足の向くまま気の向くまま」ということで、新大阪駅から御堂筋線に乗って行動を開始しました。
淀屋橋駅から地上に出て、土佐堀川に架かる淀屋橋を渡ると、中之島。
この辺りを夜に散歩したことがありまして(記事)、淀屋橋自体とか、日銀大阪支店とか大阪市中央公会堂とかのライトアップをかなり楽しんだ
のですが、この日は青空のもと、楽しませていただきました。
御堂筋を挟んで大阪市役所と相対しているのが、日銀大阪支店です。
「陰気だ」と思う人もいらっしゃるかもしれませんが、辰野金吾さんらしい威風堂々
とした建物です。
大阪市役所の横、「みおつくしプロムナード」を東に進むと、市役所の陰に隠れるように佇んでいたのが、これまた威風堂々の建物
建物横のガラスケース内に貼られた大阪府教育委員会による説明文を転記しますと、
重要文化財 大阪府立中之島図書館
本館左右翼 3棟
この建物は、住友吉左衛門が図書館として本府に寄付されたもので、住友本店技師長野口孫市氏及び技師日高胖(ゆたか)氏の設計監督のもとに明治33(1900)年に着工、同37(1904)年1月に竣工したものである。
建物は、煉瓦及び石造3階建てで中央に円屋根を付けた十字型平面の本館と左右翼(大正11(1922)年増築)からなっている。
外観では高い4本の柱の列立する正面ポーチとその後方に挙げられた円屋根が意匠の要であり、内部では、半球形のドームを頂く円形ホールがもっとも特徴的である。全体としてネオ・バロック様式の傾向が見られるが、これをよく消化して独自の造形美を形成しており明治時代の日本人建築家による極めて水準の高い作品である。
と、「作品」と言い切っているのが、ある意味凄い
中に入れるのかな? と思っていたら、一般人にしか見えない人が正面玄関から出てきたので、これ幸いと、さっそく私も中に入ってみました。
そして、廊下もなかなかです
なんといっても色づかいがイイ今は普通の蛍光灯(LED灯具?)がぶら下がっていますが、昔はもっと魅惑的な灯具
を使っていたんだろな…。
この本館1階には、この建物に関連するパネル展示がありました。
外の説明書きを読んだ時、「住友吉左衛門は住友家の当主が代々名乗る名前だから、個人を特定できないよな 恐らくあの方だろうけれど…」と思っていたのですが、館内のパネルには、
大阪府知事菊池侃二が府の教育10カ年計画の中で図書館新設を提案したのは明治32(1899)年のことであった。
それを知った住友家15代当主住友吉左衛門友純氏は、明治33年2月、独力で図書館建設費15万円と図書購入基金5万円を大阪府に寄附することを申し出た。(中略) 明治37年2月25日開館式典が挙行され、3月1日名前も「大阪図書館」として一般公開された。その後明治39(1906)年大阪府立図書館と改称し、現在の中之島図書館となったのは昭和49(1974)年のことである。
開館後、図書館の閲覧者は日に日に増加し、住友吉左衛門氏は、大正6(1917)年12月、再び寄附を願い出、左右両翼棟が増築された。設計は技師長日高胖氏が担当し、大正11(1922)年10月21日増築が完成しほぼ今日の図書館の姿となった。
住友吉左衛門さんとは、やはりこの方、住友家15代当主住友吉左衛門友純(ともいと)さんのことだったんだ
住友友純(春翠)さんのことはこちらの記事でさんざっぱら書きましたので、省略させていただきます
大阪府立中之島図書館は観光スポットとして予定していなかったのですが、しっかりと良い建物を見ることができて、幸先良い大阪観光です
大阪府立中之島図書館の東隣りは、以前、ライトアップを存分に楽しませていただいた美しい建物、大阪市中央公会堂です。
煉瓦造り全般に好きな私ですが、この建物は、大のお気に入りの建物の一つです。
この建物も大阪府立中之島図書館と同じく、民間人の寄付をもとに建てられたもので、建設費100万円
を寄付したのは、北浜の相場師・岩本栄之助さん。
岩本さんは、この建物が竣工する前に、相場で失敗して自殺してしまったのですが、そのあたりの話は、こちらの記事で大阪市中央公会堂のHPから長々と引用
しましたので省略いたします。
代わりに(?)、外にあった大阪市教育委員会による説明板から、建築様式に関するテクニカルターム満載の説明を転記しましょう
建築様式は、当初記述に「復興式中の準パラディヤン式」とあり、ネオ・ルネッサンス様式を基調としたものと解される。
外観は左右対称を基本にコーニス、片蓋柱、ペディメント付き開口部等による厳格な構成と、正面の壮大な半円アーチ、ジャイアントオーダーなどのバロック的な壮麗さをあわせ持ち、柱頭飾りを幾何学図形化するなど細部にはセセッション様式の浸透も見られる。
外壁表面は地階部分が花崗岩積、地上階は、化粧煉瓦小口貼りに、腰の帯石と窓廻りを花崗岩、蛇腹と片蓋柱、パラペット廻りを擬石モルタル洗い出しとし、屋根は銅板葺きで一部を天然スレート葺き、側面と四隅に屋根窓を配す。平面規模は、間口43.6m、奥行き61.8mで、建築面積2164.17㎡、鉄骨煉瓦造、地上3階、地下1階建。耐震性能強化のため基礎下の新たな構造体と上部構造の補強によって免震レトロフィットを実施。
主要室の構成は、1・2階/大会議室(ホール)。3階/中・小集会室・特別室、地階/会議室(展示室)・レストラン
一生懸命にネットで調べながらテクニカルタームにリンクを貼ったんですが、判ったような判らないような…
これだけでも私の頭がオーバーフローしそうなのに、大阪市中央公会堂のために岩本さんが寄付したのが100万円(1911年)で、大阪府立中之島図書館のために住友さんが寄付したのが15万円(1900年)というのが引っ掛かって、なんともなりません
大阪府立中之島図書館の設計者が住友本社の社員だったことを考えれば、寄付額に含まれない住友からの持ち出しがあったのでしょうけれど、金額の差が大きすぎると思うのです。
難しい文章を転記し、また、金銭に関するややこしいことを考えて、頭が疲れしまいましたので
、「#2-1」はここまでにします。
「#2-2」は、大阪市中央公会堂の探訪記のつづきから再開します。
つづき:2025/01/30 今年最初の関西旅行記 #2-2
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