[↑ 飯塚事件 冤罪で死刑執行「再審請求…08年死刑執行」(朝日新聞 2024年06月3日[月])]
(2024年06月12日[水])
死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん。「僕は無罪である以前に無実」、「名誉を返せ」、「青春を返してほしい」…そして、冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件の久間三千年さんの〝命を返してほしい〟。死刑存置派の皆さん、〝命を返してほしい〟です。
《赤堀さんの『死刑廃止』や『再審法改正』の闘い》、改善の兆しが見えない。(東京新聞社説)《逮捕から釈放まで、免田さんは34年、斎藤さんは29年、谷口さんは34年を要しています。…一家4人殺しの事件で死刑が確定したものの、今秋の判決で、再審無罪が確実視される袴田巌さん(88)…。48年間も獄中にあり、再審開始決定で釈放されてから10年後の今も、なお「被告」の立場の袴田さん》。つまり、《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん。すぐさま、袴田巌さんに無罪を! マスコミももっと後押しすべきなのではないか。裁判所も自分たちの先輩の誤りを受け入れるべき…『●《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》』。
東京新聞に【<社説>週のはじめに考える 元死刑囚が語った死刑】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/332452?rct=editorial)によると、《フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」の複製が掛かるリビングでくつろぐ、元死刑囚の赤堀(あかほり)政夫さん=写真。2010年、取材で名古屋の自宅マンションを訪ねた時の1枚です。今年2月に94歳で世を去りました。真珠の宝石言葉は「無垢(むく)」。「僕は無罪である以前に無実」と繰り返していた赤堀さんの思いが重なります》。
何度でも斎藤貴男さんの衝撃的なルポを。斎藤貴男さんのコラムの一部をもう一度引用したい ―――――― 最「低」裁を頂点とする司法に失望してばかりだが、最近、衝撃を受けたことを再掲。(斎藤貴男さん)《当時、「週刊文春」の記者だった私は、彼を殺人犯に仕立てた連中に、「今のお気持ちは」と尋ねて回る取材を仰せつかったのだが、凄まじい成果を得てしまった。「犯人は梅田だと上が言うから逮捕したまで。証拠なんかねえよ」と、元刑事は笑ったし、元裁判官は、「判決とは国家の意思なんだ。真犯人なんか誰でもいい。裁判所が死刑だと言えば吊るせばいい。無期だと言ったらつなげばいいんだ」と、力説してくれたものである》…。
大川原化工機でっち上げ事件にも、同じ匂いがする。飯塚事件の冤罪死刑にも。
もう一つ、飯塚事件に関する警察の問題。怒りがおさまらないのだけれど…。
『●目隠ししているヨーロッパの法律の女神、一方、ニッポンの法律の女神
は《目隠ししておりません》…冤罪で死刑執行されてしまった飯塚事件』
「《山方泰輔元捜査一課長…「…弁護士は証拠をつくる、うん。
と(いう弁護士)がまだ、おるとかなと思うてですね。ひっくり返す
ためには、新しか証拠をつくらんと、裁判所が、「そげな証拠ある
なら再審もう一ぺんせないかんな」いうようなのを
つくってこないかんですから。…」》…酷い言い分だ。自分たち
捜査側にこそ、でっち上げの恐れを感じている、冤罪者を殺して
しまったのではないかと感じているのではないのか?
《弁護士は証拠をつくる》、あまりに酷い主張ではないか。」
『●飯塚事件再審請求を却下…「女の子を見たのは2月20日ではなく別の日。
当時、捜査員に見ていないと伝えても『いや見たんだ』と押し切られた」』
『●飯塚事件…鈴嶋裁判長《「…覚えているのは不自然」…女性の証言…「捜査
機関が無理に記憶と異なる調書を作成する動機、必要性は見いだせない」》』
(山方泰輔元捜査一課長)《弁護士は証拠をつくる》ではなく、警察や検察は《証拠をつくる》ではないのか。事件をでっち上げた、犯人をでっち上げた、では無いのか? 裁判官は見て見ぬふりをした。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/332452?rct=editorial】
<社説>週のはじめに考える 元死刑囚が語った死刑
2024年6月9日 07時27分
フェルメールの名画「真珠の耳飾りの少女」の複製が掛かるリビングでくつろぐ、元死刑囚の赤堀(あかほり)政夫さん=写真。2010年、取材で名古屋の自宅マンションを訪ねた時の1枚です。今年2月に94歳で世を去りました。真珠の宝石言葉は「無垢(むく)」。「僕は無罪である以前に無実」と繰り返していた赤堀さんの思いが重なります。
赤堀さんは1954年、静岡県島田市で女児が殺された「島田事件」で死刑が確定したものの、89年に再審無罪で釈放されました。
手にした写真で赤堀さんは、やはり再審無罪で死刑台から生還した「免田事件」の免田栄さん(右)、「松山事件」の斎藤幸夫さん(左)と肩を組んでいます。戦後、再審無罪になった元死刑囚は、「財田川(さいたがわ)事件」の谷口繁義さんを入れて4人。赤堀さんが亡くなり、4人とも不帰の客となりました。
◆無罪の前に「無実」だ
インタビューでの赤堀さんの発言からは、以前から指摘されていた刑事司法や再審制度の問題点がいくつも浮かび上がりました。
まずは、不条理な取り調べ。署長らが想像で事件の順序を書いて読み上げ「その通りにしゃべれ」と命じたそうです。「事件のことなど何も知らない」と言っても聞いてもらえませんでした。
そのくだりでは、普段は柔和な赤堀さんが興奮して猛烈な早口になり「○○が一番悪い。何十年たっても忘れない!」。後でICレコーダーをゆっくりした速度で再生して、やっと、刑事の実名が聞き取れました。
マスコミへの批判も。当時は、任意同行の時点で「犯人捕まる」と写真付きで実名・呼び捨て報道され、逮捕後も取材合戦は過熱。「刑事と記者は仲間だと思っていた」と語気を荒らげていました。
そういえば、福岡県の「飯塚事件」(92年)=先週、再審請求棄却=を追った今年公開の映画「正義の行方」で、同事件で特ダネを連発した新聞記者が、自嘲気味に語っていました。「自分はペンを持ったお巡りさんになっていた」
「当日告知」の問題もしかり、です。再審請求中、赤堀さんが仙台の拘置所にいたある朝、コツコツという靴音の後、独房の扉がガチャリと開きました。刑務官が隣の房と間違えたのだそうですが、死刑執行への“お迎え”と勘違いし、恐怖に打ち震えた赤堀さん。「僕の髪と眉は、1日で真っ白になってしまった」と唇を震わせていました。
大阪地裁が、執行を当日に告知する国の運用は違憲だとする死刑囚2人の訴えを、「運用には一定の合理性がある」として退けたのは、赤堀さんが身罷(みまか)って間もない今年4月。もし存命だったら、この判決に何を語ったでしょう。親族や支援者に会うこともできずに突然執行される仕組みに苦しめられ続けた本人。まして冤罪(えんざい)の当事者なのです。怒りの言葉がほとばしったに違いありません。
インタビュー取材の最後に「長い獄中生活で失ったもの」を尋ねました。「第一に、名誉、です」と赤堀さん。「無罪はもらえたけれど(裁判長らの)謝罪はなかったので」「報道などで、灰色無罪と言われて腹が立った時期もあった。僕は真っ白な無実なのに」
そして、ややあって、少し照れくさそうにこう言いました。「第二に、青春かな」
◆青春を返してほしい
25歳で逮捕され、釈放されたのは35年近くたった59歳の時。再審無罪までの道のりが長過ぎるほど長いのは他の元死刑囚にも共通しています。逮捕から釈放まで、免田さんは34年、斎藤さんは29年、谷口さんは34年を要しています。
今年5月、静岡市で「赤堀政夫さんを偲(しの)ぶ会」が催され、ゆかりのある50人ほどが故人への思いを語り合いました。島田事件対策協議会の長老、鈴木昂(こう)さん(85)は「客観証拠は全くなく、強制された自白だけが根拠の死刑判決でした。赤堀さんの『死刑廃止』や『再審法改正』の闘いを受け継ぎ、未完の宿題を背負いたい」と話します。
鈴木さんは、一家4人殺しの事件で死刑が確定したものの、今秋の判決で、再審無罪が確実視される袴田巌さん(88)の支援団体にも属しています。48年間も獄中にあり、再審開始決定で釈放されてから10年後の今も、なお「被告」の立場の袴田さん。ようやく晴れて「無罪」になる日を待って、きっと泉下の赤堀さんらも首を長くしていることでしょう。
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