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●《<無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である>…無実の人を罰するのは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》

2024年10月04日 00時00分25秒 | Weblog

[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]


(2024年09月29日[日])
(東京新聞社説)《16世紀のフランスの思想家・モンテーニュにこんな言葉がある。 <無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である> 捜査にも裁判にも誤りは起こる。無実の人を罰するのは究極の国家犯罪といえる理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ》。

 償いようのない警察・検察による犯罪…せめて、再審法の改正を、《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ無実の人にとっては法との闘いが強いられている何という非人道的なことか》。
 【<社説>袴田さんに無罪判決 再審に道開く法改正こそ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/356843?rct=editorial)。《静岡県の強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さんに静岡地裁の再審公判で「無罪」が言い渡された。無実の訴えから半世紀余。早く真に自由の身とするためにも、検察は控訴してはならない。「開かずの扉」と評される再審制度も根本的に問い直すべきだ》。

   『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
     …「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》
   『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
      判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!
   『●再審判決・無罪…《事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道を
     しました。袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します》

 自白偏重人質司法、そして、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。事件発生から、投獄から、死刑判決から、一体何年を要しているのか!
 さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件

   『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
       代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚
   『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
                 …金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々
   『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
     刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ
   『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
       さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》
   『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
     はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》
   『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
     「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟
   『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
      いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》
   『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実
     人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》

 《何という非人道的なことか》(桐山桂一さん)。《刑事訴訟法の再審規定再審法の改正》が全く進まないニッポン。《台湾では冤罪をなくすために、めざましい改革が進行中》だそうだ。羨ましい限りだ。《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》…何の進歩も無く、《日本の刑事司法のガラパゴス化》(鴨志田祐美さん)。
 言うまでもなく袴田冤罪事件、《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》の例ではないか。《残酷で異常な出来事と欧米などでは受け止められている》、《日本でも放置し続けてきた再審法を整備すべきときが来ている法務・検察はそのことも自覚すべきである》(東京新聞社説)。何十年にも渡って無実の袴田巌さんを牢屋につなぎ、しかも証拠が捏造されていたとまで裁判所が指摘。再審裁判で、「有罪」を主張するのはいったいどういう神経か? しかも、検察は再び死刑を求刑した。なんという冷酷…。(大谷昭宏さん)《この期に及んでなお、「死刑を求刑する」と言い放つ検察官に、いまも背筋が凍りついている》。《いまも、死刑囚のまま》な状況から、漸く解放された袴田巖さん。検察の控訴など、絶対に許されない。一体どこまで人権侵害すれば気が済むのか。控訴によって、さらなる人権侵害は許されない…(東京新聞社説、2023年10月28日)《無実の訴えから半世紀日本の刑事司法の異様さをも表している。すでに87歳の高齢。残る人生と名誉をこれ以上、検察は奪ってはいけない》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/356843?rct=editorial

<社説>袴田さんに無罪判決 再審に道開く法改正こそ
2024年9月27日 07時32分

 静岡県の強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さんに静岡地裁の再審公判で「無罪」が言い渡された。無実の訴えから半世紀余。早く真に自由の身とするためにも、検察は控訴してはならない。「開かずの扉」と評される再審制度も根本的に問い直すべきだ

 「わが国の刑事裁判はかなり絶望的である」-。1985年に刑事法の大家だった平野龍一・元東京大学長は論文にそう記した。

 80年代に死刑囚が相次いで再審無罪となった。免田事件財田川(さいたがわ)事件松山事件島田事件まさに死刑台からの生還だった。

 袴田さんは戦後5例目になる。事件は66年。それから58年もたって、やっと「無罪」の声を聞いた気の遠くなる歳月を考えても、刑事司法関係者は深刻な人権問題だと受け止めるべきである

 異常な取り調べだった。袴田さんは強く否認したが、連日、平均12時間を超える過酷な調べを受け体調も崩した。取調室で小便もさせられた。拷問に等しい。20日目に「自白」したが、同地裁は再審判決で「自白調書は非人道的な取り調べで獲得されたもので、捏造(ねつぞう)と認められる」と指弾した。

 死刑確定の証拠も怪しかった。みそタンクの中から発見された「血痕の付いた5点の衣類」は、確定判決の根拠とされたものの、そもそも事件から約1年2カ月後に見つかったこと自体に不自然さが伴う。血痕に「赤み」が残っていた点も鑑定で「1年以上では赤みは残らない」とされた。

 この点についても同地裁は「捜査機関によって血痕を付ける加工がされ、タンク内に隠匿されたものだと断罪した。捜査機関が故意に袴田さんを犯人に仕立て上げたのだ何と恐ろしいことか


◆3重の不正義を許すな

 袴田さんの裁判を見るだけでも、いまだ「絶望的な刑事裁判が続いているのは明らかだ。

 とりわけ無罪までの時間が長すぎる。最高裁は75年、「疑わしきは被告人の利益に」との刑事裁判の原則が再審制度にも適用されるという決定を出した。

 この原則に立てば、もっと早く袴田さんに無罪が届けられたはずだ。死刑確定の翌年に第1次の再審請求がされたが、再審が確定するまで実に42年もかかった

 無実の人を罰する不正義真犯人を取り逃がす不正義無罪まで長い歳月を要する不正義。冤罪(えんざい)には3重もの不正義がある。これはあまりに絶望的である

 袴田さんの無罪はゴールではなく、刑事訴訟法の再審規定再審法を改正するためのスタートの号砲とすべきである。

 再審法は約100年前の条文を使って、戦後もずっと放置されてきたわずか19条しかない再審法の改正は喫緊の課題である

 例えば無罪にたどり着くまで長い時間を要するのは、再審開始決定に検察官が不服申し立てをできる仕組みがあるからだ。

 袴田さんの場合も、2014年に地裁で再審開始決定が出ながら、検察官が即時抗告をしたため、再審開始が確定するまで約9年も経過してしまった

 いったん再審が決まれば、検察官の不服申し立ては禁止する法規定が必要だ冤罪の被害者は一刻も早く救済すべきなのは当然ではないか。今回の無罪判決についても、検察は控訴せずに無罪を確定させるべきである。

 証拠開示の在り方も大きな問題だ。再審については明文の規定が存在せず、裁判所の裁量に委ねられているにすぎない

 存在しないと検察側が主張していた5点の衣類ネガフィルムが保管されているのが判明したのは14年のことだ。証拠隠しともいえる行為が再審の扉を閉ざしていたに等しい。

 このような不正義を防ぐためにも、無罪に結びつく、すべての証拠を検察側に開示させる法規定を設けねばならない。

 現在、超党派の国会議員による「再審法改正を早期に実現する議員連盟」ができている。衆参計347人の議員が名前を連ねる。


◆究極の「国家犯罪」犯す

 法務省が再審法改正に後ろ向きならば、議員立法で進めてほしい。再審法改正を求める市民集会は19日も都内で開かれた=写真。世論の後押しこそ大事だ。

 16世紀のフランスの思想家・モンテーニュにこんな言葉がある。

 <無実者を罰することは、犯罪事実よりも犯罪的である
 捜査にも裁判にも誤りは起こる。無実の人を罰するのは究極の国家犯罪といえる。理不尽な刑事司法とはもう決別すべき時だ
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