[↑ ※《第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる》(『報道特集』、2023年03月18日[土])]
(2024年09月28日[土])
検察・警察、裁判所、マスコミ…。袴田巖さんや袴田秀子さんの58年間、償いようがないでしょ? あまりに残酷過ぎる58年間。
『●《いまも、死刑囚のまま》な袴田巖さん…《周囲に「自分は23歳だ」と吹聴
…「彼がプロボクサーとしてデビューした年齢…今も闘っているのだ…」》』
『●《袴田巌さん…静岡地裁…無罪(求刑死刑)を言い渡した》…当然の「無罪」
判決が漸く! 検察がこの再審判決に対して控訴するなど許されない!!』
[「袴田さん 無罪」「衣類など 証拠捏造認定」(朝日新聞、2024年09月27日[金])]
[「検察は控訴断念を」]
[「「三つの捏造」捜査断罪」 「5点の衣類・押収物 否定」 「自白を強要 非人道的」]
[「58年 やっと「自由の扉」」 「裁判長が謝罪 姉「巌の半生いかして」」]
毎日新聞の記事【無実の叫び 袴田事件/「時間かかり申し訳ない」 再審無罪の袴田巌さんに裁判長が謝罪】(https://mainichi.jp/articles/20240926/k00/00m/040/164000c)。《静岡地裁の国井恒志裁判長…その上で、「(袴田さんの逮捕から再審無罪確定まで)ものすごく時間かかることに本当に申し訳なく思う」と謝罪した。国井裁判長は判決言い渡し後、袴田さんの姉秀子さん(91)に、検察官には無罪判決を不服として控訴する権利があることを説明。「裁判所は自由の扉を開けた。しかし、この扉は閉まる可能性もある。健やかにお過ごしください」と語り掛けた》。
森達也さんのつぶやき:
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【https://x.com/MoriTatsuyaInfo/status/1839459820128358888】
森達也(映画監督・作家)@MoriTatsuyaInfo
捜査機関の捏造が正式に認定された。ならばなぜメディアは、当時の静岡県警について取材しないのか。単独の犯行なのか組織的なものなのか。静岡県警には拷問と捏造の歴史がある。顔や名前を晒せとは言わない。でも捏造の構造くらいは追求すべきだ。
午前9:19 2024年9月27日
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《読者はこうした報道を何日もシャワーのように浴びた。…裁判官たちも例外では》ない…袴田事件の《冤罪に加担したメディアの責任》。
毎日新聞の記事【袴田事件/捜査当局情報に傾斜 袴田さん 毎日新聞報道検証】(https://mainichi.jp/articles/20240927/ddm/002/040/101000c)。《静岡県でみそ製造会社の専務一家が殺害された事件当時、袴田巌さん(88)を巡る報道は過熱した。1966年の逮捕から起訴までは捜査当局の視点に偏った記事が目立ち、袴田さんを犯人視する表現もあった。本紙(静岡県版を含む)の当時の記事を検証した。毎日新聞は7月4日夕刊で有力な容疑者として袴田さんのイニシャルを使い「従業員『H』浮かぶ」とする記事を掲載。逮捕を伝える8月19日朝刊では、袴田さんが容疑を否認していることを掲載する一方で「刑事たちの執念と苦しさに耐えたねばりが功を奏して(中略)逮捕にまでたどりついた」と表現した。袴田さんが「自白」に転じたことを伝えた9月7日朝刊も「全力捜査がついに犯罪史上まれな残忍な袴田をくだしたわけで、慎重なねばり捜査の勝利だった」と、捜査当局と一体化したような書きぶりだった。自白に重きを置きすぎた報道とも言える》。
望月衣塑子さんのつぶやき:
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【https://x.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1839483575277903960】
望月衣塑子@ISOKO_MOCHIZUKI
袴田巌さん、再審無罪。検察庁の組織防衛のための愚かな抵抗で、再審公判が昨年10月に開かれ、決着が長引かされた。検察だけではない、当時の東京新聞をはじめとしたマスコミのほぼ全社が、袴田巌さんを犯人視する報道を繰り返し、死刑判決に加担したと思う。
私たちマスコミに関わる記者たちは、捜査当局一辺倒になりすぎた故に、袴田さんを犯人視し続け、冤罪をうみだすことに加担した過去の過ちを絶対、忘れてはならない。
東京新聞の今日9月27日の1面です。
袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫びします。
↓
事件当時、東京新聞は、袴田巌さんを犯人とする報道をしました。
袴田さんと家族の人権、名誉を傷つけたことを深くお詫び致します。
1966年8月17日、静岡県警は強盗殺人容疑などで袴田さんの逮捕状を取り、翌18日に逮捕しました。本紙は同日夕刊で取り調べの段階から「犯人はやはり『袴田』だった」という見出しで報じました。
また、袴田さんは逮捕前から否認を続けていましたが、逮捕から20日目、2回目の拘留期限の3日前に自供を始めたとされています。
本紙は66年9月7日付静岡版で「粘りの捜査にがい歌 袴田の仮面はぐ」との見出しで記事を掲載しました。
逮捕段階では罪が確定していないのに、袴田さんを「犯人」と報道した本紙にも、冤罪を生んだ責任はあります。
本紙は現在、容疑者を犯人と決めつけない「事件報道ガイドライン」を策定しています。今後も予断や偏見を拝した冷静な報道を続けてまいります。
https://tokyo-np.co.jp/article/356688
午前10:53 2024年9月27日
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一方、朝日新聞には、「お詫び」の言葉は見当たらない。
償いようのない警察・検察による犯罪…控訴などあり得ない。
東京新聞の【<コラム 筆洗>詩人の谷川俊太郎さんが書いた『生きる』にこんなくだりがある…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/356817?rct=hissen)。《▼そのブーム時には既に拘束されていた事実に奪われた歳月の長さを痛感する。一家4人強盗殺人事件で66年に逮捕され、死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審公判で静岡地裁は無罪判決を言い渡した▼無実を訴えながら、美しいものとの出会いが制限された独房で死刑執行におびえた日々。支えた姉ひで子さん(91)ともども、冤罪(えんざい)という「悪」を拒み続け、たどり着いた節目である▼釈放され10年がたっても、長い拘束の影響で妄想が出る巌さんには胸が痛むが、判決後のひで子さんの笑顔に救われる思いがした▼検察が控訴せずに判決が確定し、弟と姉が事件から解放されることを。2人が味わうべき喜びを先の詩の続きが教える。<生きているということ いま生きているということ 泣けるということ 笑えるということ 怒れるということ 自由ということ>》。
海外からの視線…《日本の司法は中世なみ》《日本の前時代的な刑事司法制度》。
岸本拓也・中山岳両記者による、1年半ほど前の2023年3月20日の東京新聞の記事【こちら特報部/「異様さ」に海外も注目 再審開始決定の袴田さんめぐる日本の刑事司法 死刑囚生活45年、再審可否を延々議論】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/239168)。《1966年の静岡一家4人殺害事件で死刑が確定した元ボクサー袴田巌さん(87)。13日の東京高裁の再審開始決定は、欧米など外国のメディアも速報した。驚きとともに強調されているのが、半世紀近い身柄拘束と、87歳という高齢だ。かねて国連も問題視してきた日本の人権感覚。海外から、どんな視線が注がれているのか。(岸本拓也、中山岳)》
南野森さんのつぶやき:
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【https://x.com/sspmi/status/1839213323923108113】
南野 森(MINAMINO Shigeru)@sspmi
《メモ》袴田事件に関わった裁判官(敬称略)
【死刑判決】
①静岡地判1968年9月11日👉死刑(石見勝四・高井吉夫・熊本典道)
②東京高判1976年5月18日👉控訴棄却(横川敏雄・柏井康夫・中西武夫)
③最2小判1980年11月19日👉上告棄却(宮崎梧一・栗本一夫・木下忠良・塚本重頼・鹽野宜慶)
【第1次再審請求】
④静岡地決1994年8月8日👉請求棄却(鈴木勝利・伊東一広・内山梨枝子)
⑤東京高決2004年8月26日👉即時抗告棄却(安広文夫・小西秀宣・竹花俊徳)
⑥最2小決2008年3月24日👉特別抗告棄却(今井功・津野修・中川了滋・古田佑紀)
【第2次再審請求】
⑦静岡地決2014年3月27日👉再審開始と死刑・拘置の執行停止を決定(村山浩昭・大村陽一・満田智彦)
⑧東京高決2018年6月11日👉原決定取消、再審請求棄却(大島隆明・菊池則明・林欣寛)
⑨最3小決2020年12月22日👉原決定取消、東京高裁に差戻し(林道晴・戸倉三郎・林景一・宮崎裕子・宇賀克也)
⑩東京高決2023年3月13日👉検察の抗告を棄却(大善文男・青沼潔・仁藤佳海)
【再審】
⑪静岡地判2024年9月26日👉無罪判決!(國井恒志・益子元暢・谷田部峻)
午後5:00 2024年9月26日
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2014年3月27日、村山浩昭・元静岡地裁裁判長は袴田巌さんの死刑と拘置の執行を停止し、釈放を決めた裁判官…「これ以上拘置するのは耐えがたいほど正義に反する」…《2014年3月、静岡地裁は「捜査機関が重要な証拠を捏造(ねつぞう)した疑いがあり、その捏造証拠による死刑判決によって長期間、死の恐怖の下で身柄を拘束されてきた」「拘置をこれ以上継続することは、耐えがたいほど正義に反する」とし、再審の開始と死刑および拘置の執行停止を決定した》(長周新聞)。
『●袴田事件・釈放!: 「捜査機関が重要な証拠を捏造した疑い」
「拘置の続行は耐え難いほど正義に反する」』
自白偏重、人質司法、そして、あまりに酷い再審制度の不備。再審法改正が絶対に必要。弁護側が求める、権力を使って警察が集めた証拠や調書の開示だけでもすぐに実施すべき。事件発生から、投獄から、死刑判決から、一体何年を要しているのか!
さらには、死刑制度の廃止。例えば、取り返しのつかないことを仕出かしてしまっている飯塚事件。
『●《日本の刑事司法はおそろしいほどに後進的…
代用監獄…人質司法》…さらに、司法取引まで投げ渡す大愚』
『●《えっ、じゃあ日本はフランスより民度が高いの?》(鈴木耕さん)
…金(カネ)色の五つの輪と刑事司法等々』
『●事件から五十七年。無実を訴え続けても、なぜこんなに歳月を費やしたのか。
刑事訴訟法の再審規定(再審法)が大きな欠陥を抱えつつ放置されているからだ』
『●《冤罪を起こしてはならない。再審法の改正が待たれる。杉山さんや桜井
さんらが残した人間の笑い泣き、そして袴田さんの思いを見逃すまい》』
『●再審法の改正を…桐山桂一さん《冤罪ほど人生や人権を踏みにじる不正義
はない。…袴田巌さんの再審が決まった…大崎事件は…冤罪が疑われる》』
『●死刑台からの生還、島田事件・赤堀政夫さん「僕は無罪である以前に無実」
「青春を返してほしい」…そして飯塚事件・久間さんの〝命を返してほしい〟』
『●鹿児島県警、呆れた…《「再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管して
いた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!」…》』
『●再審法改正…《法規定の不備が救済の障壁になっているのは明白だ。無実
人にとっては「法との闘い」が強いられている。何という非人道的なことか》』
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/239168】
こちら特報部
「異様さ」に海外も注目 再審開始決定の袴田さんめぐる日本の刑事司法 死刑囚生活45年、再審可否を延々議論
2023年3月20日 18時14分
(袴田巌さん=13日午後、浜松市)
1966年の静岡一家4人殺害事件で死刑が確定した元ボクサー袴田巌さん(87)。13日の東京高裁の再審開始決定は、欧米など外国のメディアも速報した。驚きとともに強調されているのが、半世紀近い身柄拘束と、87歳という高齢だ。かねて国連も問題視してきた日本の人権感覚。海外から、どんな視線が注がれているのか。(岸本拓也、中山岳)
【関連記事】袴田さんの再審開始が確定、無罪の公算強まる 検察側が特別抗告を断念 1966年一家殺害 死刑事件で5例目
◆英BBC、米CNN、中東アルジャジーラも
「袴田さんは半世紀近くの間、不当に拘束されて、人間としてあってはならない残酷な扱いを受けた。この点を英国の人たちは異常なことと見ている」
13日に「45年間の死刑囚生活を経て再審が認められた日本人男性」と報じた英紙ガーディアン東京特派員のジャスティン・マッカリーさん。「こちら特報部」の取材に対し、事件への自分や母国の受け止めをこう語った。
同日は他にも、海外メディアのサイトに再審開始決定を伝える見出しが並んだ。「袴田さんの再審開始、東京高裁が認める」(英BBC放送)、「日本の裁判所は、1966年の殺人事件を巡る最長の死刑囚の再審請求を認めた」(米CNN)といった具合だ。
欧米だけでなく「日本の裁判所、87歳死刑囚の再審を支持 袴田巌は45年間独房に監禁された」(中東・アルジャジーラ)、「47年を死刑囚で服役した日本の87歳男性に裁判所が再審許可」(韓国・ソウル新聞)などニュースは世界中を駆け巡った。
◆「日本では裁判所と検察の誤った判断の代償として、死が待っている」
各メディアは「日本は米国とともに主要な先進民主国の中で、いまだに死刑を採用している例外的な国だ」(BBC)などと解説。際立つのは、その多くが「世界で最も長く拘置された死刑囚」と袴田さんを紹介していることだ。
日本メディアでは、ほとんど見られない表現だが、ギネスブックのサイトには、2011年に「世界で最も長く収監されている死刑囚」として袴田さんが認定されている。現在は1968年9月の一審の死刑判決から、釈放された2014年3月までの「45年」が認定記録だ。
(東京高検に特別抗告の断念を求め、記者会見する弁護団
事務局長の小川秀世弁護士(右)ら=16日、東京都内)
国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」も同様の認識で、アムネスティ日本の中川英明事務局長は「アムネスティ独自の調査でも袴田さんの拘束は最も長い」と話す。検察が期限の20日までに特別抗告すれば、「袴田さんが裁判を受ける権利を損なう。公正な裁判を妨害すべきではなく、再審の実現に協力すべきだ」と求める。
世界的に見ても異様な事件であるためか、死刑制度が残る米国でも20年にCNNが特集。日本の有罪率が99.9%と極めて高い状況や、米国と違って、容疑者が弁護士の立ち会いなしで取り調べられる日本の司法制度の特異性を否定的に紹介した。ハーバード大教授が、日本の有罪率が高い理由を「検察官が非常に少ない。彼らの仕事量を考えると、最初に有罪判決に焦点を当てる。本当に罪を犯したか否かを考える時間はない」と解説している。
特集は、無罪判決という形で誤りを認めることが「裁判官と検察官の双方のキャリアにとって有害と見なされる可能性がある」との見方を示す。その上で「日本では(裁判所と検察の)誤った判断の代償として、死が待っていることもある」とした。
◆「正義の時が来た!」
一方、袴田さんに14年に名誉王者ベルトを贈った世界ボクシング評議会(WBC)は14日、ホームページに「滞った正義を獲得するため闘う」と連帯のメッセージを掲載。日本プロボクシング協会の公式ツイートにも、WBC関係者が「It's time for Justice!(正義の時が来た!)」と投稿した。
同協会「袴田巌支援委員会」委員長で、元東洋太平洋バンタム級王者の新田渉世さん(55)は「WBCのスレイマン会長はじめ海外のボクシング関係者は、常日ごろ袴田さんを気にかけてくれてきた」と話す。
袴田さんが収監中だった08年、「ハリケーン」と呼ばれた米国の元ボクサーで、殺人罪で20年近く投獄された後に無罪となったルビン・カーター氏が、袴田さんを励ますビデオメッセージを寄せた。新田さんは「袴田さんは『東洋のハリケーン』として、海外でも認知されている。今回の決定後、『フリー、ハカマダ』の声はネットなどで広がっている」と話す。
◆国連の委員会「強要された自白の結果、死刑が科されたという報告に懸念」
死刑が廃止されている欧州などでは、もともとこの事件への関心が高い。08年、姉のひで子さん(90)が洞爺湖サミットに参加する主要8カ国(G8)の大使館などに救済を求めた際は、「42年の拘束は胸が痛む」といった反応があった。袴田さんが釈放された14年には、国際人権規約を担当する国連の委員会が「強要された自白の結果、死刑が科されてきたという報告は懸念される事項」と指摘した。
一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(大阪市)の藤本伸樹研究員は「袴田さんは自白を強要され、死刑判決後も長期にわたり独居で拘禁された。国際的には、日本の司法制度の問題を示す代表的な冤罪事件の一つとして扱われてきた」と話す。
◆日本の再審規定は「周回遅れ」…変えるべき時
(検察庁)
そんな事件に改めて下された司法判断で、刑事訴訟法の再審規定(再審法)見直しが注目されている。裁判所の再審開始決定への検察の不服申し立てに制限がなく、検察側に対する証拠開示請求がほとんど認められないからだ。
熊本大の岡田行雄教授(刑事法)は「欧米などでは、冤罪事件や誤判の発覚をきっかけに再審制度が改められてきた」と説く。例えばドイツは1960年代半ばの制度改正により、裁判所が再審開始決定すれば検察は不服申し立てできず、再審の場で主張するようになった。英国では、裁判所から独立した委員会が検察側の証拠を集めて閲覧し、再審を始めるか判断している。台湾でも、有罪確定後に再審請求のためなら公判や捜査段階で集めた証拠を閲覧できる。
それに比べて「日本は何周も遅れている」と岡田さんは指摘。「再審請求審は本来、無罪の可能性がある事案を探す手続きだ。それなのに、日本では検察の抗告などで延々と『再審するかどうか』に時間をかけている。そもそも再審請求しても裁判所がたなざらしにしたままで、審理が進まないケースすら目に付く」と苦言を呈する。
「迅速に再審開始を確定させ、有罪か無罪かは再審の場で争われるようにすべきだ。現行の規定では再審を始めるまでに時間がかかり、冤罪被害者や親族は高齢になっても苦しむ。刑訴法改正を含め、法整備を進める時期にきている」
袴田さんの記事を何度も書いてきた前出のガーディアン特派員マッカリーさんも、この先を注視する。「海外からは日本に死刑制度の廃止を求める声が上がるが、日本は死刑を支持する声が根強く、あまり変わらなかった。袴田さんのように著しく人権を侵害された事件を受けて、日本がこれからどうするのか、関心を持って見ている」
◆デスクメモ
在京6紙は全紙が14日朝刊の社説で、今回の再審開始決定について書いている。東京高裁の判断を高く評価こそすれ、否定する意見はない。国際的にも特異なこの事件の経過が、広く知られるようになった結果だろう。さらに争って、国民を納得させられる理由があるとは思えない。(本)
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