エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「お休みは26日間だよ」、「お休みでやりたいことは、特にないね」

2015-10-02 23:56:43 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
声の不思議
 声には不思議な力があります。声は、人を非難する場合もありますが、自分や他者の生きる場での哲学を替える力だってあります。その哲学は物語からできていることが多い。 p350の...
 

 

 今回のお休みで、旅に出て、あるニュージーランドの人の仲良くお話をする機会に恵まれました。

 洗濯好きの私ですので、旅先 でも、「そうだ、洗濯しておこう」と、単なる思い付き。初めて入ったコインランドリー。勝手が分からずにいると、親切そうな黒人の若者が、機械の扱い方を教えてくれました。私が最初に使おうと思った機械は、コインが上手く入らず故障してましたから、隣の機械にコインを入れて、メデタシメデタシ。洗濯が始まりました。

 すると、今度は、初老のご夫婦が洗濯物を袋に入れて、コインランドリーにやってきました。そのご夫婦は、私が使うのを止めた、故障中の機械に洗剤と洗い物を入れてしまいました。「人類皆兄弟」が信条の私です。「あっ、その機械は、故障してますよ、お金が入らないんですよ」と。すると、そのお父さんの方が、ニッコリ笑顔で、「ありがとう」。すると、その奥さんは、入れた洗濯物を別の機械に入れるだけじゃぁなくて、入れた粉洗剤も、寄せ集めて、別の機械に入れてました。やっぱり、女性の方が節約意識が強いのは、世界共通なのかもしれませんね。上の写真の奥に写っているのが、そのお父さんです。

 大体、洗濯に30分かかるとかで、椅子は、さっきの黒人の若者らが占領してるので、入り口のコンクリートの上で、本でも読んで暇つぶしをしようと思っていたら、さっきのお父さんも、外に出てきて、向かいのコンクリートに腰かけた。そこで再び「人類皆兄弟」の精神がムズムズしてきて、「今年は雨が多いですね」と私がお父さんに声かけました。するとそのお父さん、待ってましたとばかりに、こちらのコンクリートのところに座席移動。隣にやってきました。お話を伺うと、「おいらは、ニュージーランドで牛をたくさん飼ってんだ」と言う話をし出した。「僕はニュージーランドに入ったことがないけれども、いいとこなんでしょうね」返しました。でも、そのお父さんの英語が聞き取りにくいったら、お話にならないくらい。お隣のオーストラリアに、小形洋悦さんが留学していた時に、訪ねて行ったことがあって、その時も聞き取りにくいと思ったけれども、今回はその比じゃぁないみたい。コックニーが猛烈に強い。月曜のマンデイが、マンダイになる以上。まぁ、私の英語も褒められたもんじゃぁ、ありませんから、「お互いさま」だったのが、真実に近いでしょうね。でも、そのお父さんも結構「人類皆兄弟」の精神の持ち主らしく、お互いに話が聴けない割には、相手のことを理解したいという気持ちが、優ってたんでしょうね。

 「私は1週間旅に出てますけれども、お父さんは、何日間のヴァケーションなんですか?」と訊いてみました。すると、「26日だよ」と言います。「日本人は労働中毒ですから、1週間休む人さえ、そんなに多くないんですけど、フランス人は5週間まで連続して休めるように法律ができてますね」と私も答えました。それから、また、「お父さんはこのヴァケーションで、何を一番やりたいと思ってんですか?」と訊いてみた。するとその答えが、生かしてましたね。「特にないね」。良いこと教えてもらったと感じましたよね。やっぱり、海に入りたいだとか、名所旧跡巡りをしたいだとか、言うことじゃない点に、成熟した西欧社会の豊かさを感じましたね。

 思いがけず、お話が弾んだところで、お父さんの連れ合いの女性が、「お父さん、洗濯ができたから…」と呼びに来た。乾燥機に掛けなくちゃぁね。乾燥には1時間かかるので、私はそこでいったんホテルに帰って、お父さんとは、お互いに「いい話ができまして、ありがとうございました」と握手をしてさよなら。

 

 いい話を伺えて、ちょっぴり心豊かになった経験をシェアいたしましたよ。

 

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単独者の言葉 時空を超越する

2015-10-02 19:04:15 | アイデンティティの根源

 

 

 ルターの声には、現世を≪超越≫する働くがありました。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.230は第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ルターは、ローマ皇帝が発行する旅券を持っていたけれども、「(ウォルムスには)来るな」と言われていました。ルターは、悪徳商人らの護衛に守られて、ウォルムスの町に入りました。しかし、友人たちと夕食時にビールを飲み、また、一晩寝れば、ルターは元気になるし、朝になれば、ルターは声がハッキリしました。ルターは生まれながらのドイツ語で、良心から出た言葉を語りました。この良心から出た言葉が、心の葛藤から得た真新しい気付きだったんですね。ウォルムスでルターは追放と死に直面したものの、それは、出来合いの信条のためでも、ご先祖様のためでも伝統のためでもありませんでした。ルターが村八分と死に直面したのは、まさに、個人の確信ゆえのことであり、心の葛藤から引き出し、これからも心の葛藤を引き開けたからに他なりませんでした。ルターが語った良心とは、形ばかりの道徳が心の残した澱ではありませんでした。この良心は、天国と地獄とこの世の間にある単独者が知り得る最高のものでした。

 

 

 

 

 

 ルターが語る言葉は両親から出たものでした。この世的な、さまざまな利害や気遣いを超越する言葉です。いわば、神の前に1人立つものが、神との誠実な関わりの中から生まれた言葉でした。それは、村八分と死を脅かされても、怯むことなく、語らなくてはならないと感じることでした。ルターが単独者になって、初めていただけた言葉でした。しかし、そのルターの声は、時代も国も超えて、どなたの心にも響く言葉になりました。

 

 

 

 

 

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心はいつも光に向かって

2015-10-02 15:09:38 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 圧倒的な、天にも昇るような悦び。ヌミノース。それを携えるようなお母さんであってほしいですね。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p79の第2パラグラフ、6行目途中から。

 

 

 

 

 

その圧倒的な悦びであるヌミノースが取る形は、中ほどの段階ではいろんな形になりますが、結局は、究極的な段階では、どんな高貴な形であれ、他者なる神と向き合うことになりますし、ほとんど失ってしまったパラダイスをずっと取り戻せるだろうというおぼろげな約束に至るんですね。同じように、やり取りの中で、自分の感じに従っていもいい感じと意志は、やり取りの中で、自分の感じを上手く出すことができる感じと目的と同様、遊びであれ、おままごとの仕事であれ、自分の経済的時代、文化的時代、歴史的時代に開かれた未来に方向付けられています。

 

 

 

 

 いつの段階でも、未来に開かれていることが必要です。赤ちゃんの頃の根源的信頼感は、未来の見通しに光があると信頼することのはじめですから、その後も光を求め続けることができます。心の本来の向きは、オリエントされているからです。すなわち、日が昇るオリエントに向くようにできてするわけです。光が見えないときには、心の向きがねじ曲がっている証拠です。

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「お休みは26日間だよ」、「お休みでやりたいことは、特にないね」

2015-10-02 01:57:20 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
声の不思議
 声には不思議な力があります。声は、人を非難する場合もありますが、自分や他者の生きる場での哲学を替える力だってあります。その哲学は物語からできていることが多い。 p350の...
 

 

 今回のお休みで、旅に出て、あるニュージーランドの人と、仲良くお話をする機会に恵まれました。

 洗濯好きの私ですので、旅先 でも、「そうだ、洗濯しておこう」と、単なる思い付き。初めて入ったコインランドリー。勝手が分からずにいると、親切そうな黒人の若者が、機械の扱い方を教えてくれました。私が最初に使おうと思った機械は、コインが上手く入らず故障してましたから、隣の機械にコインを入れて、メデタシメデタシ。洗濯が始まりました。

 すると、今度は、初老のご夫婦が洗濯物を袋に入れて、コインランドリーにやってきました。そのご夫婦は、私が使うのを止めた、故障中の機械に洗剤と洗い物を入れてしまいました。「人類皆兄弟」が信条の私です。「あっ、その機械は、故障してますよ、お金が入らないんですよ」と。すると、そのお父さんの方が、ニッコリ笑顔で、「ありがとう」。すると、その奥さんは、入れた洗濯物を別の機械に入れるだけじゃぁなくて、入れた粉洗剤も、寄せ集めて、別の機械に入れてました。やっぱり、女性の方が節約意識が強いのは、世界共通なのかもしれませんね。上の写真の奥に写っているのが、そのお父さんです。

 大体、洗濯に30分かかるとかで、椅子は、さっきの黒人の若者らが占領してるので、入り口のコンクリートの上で、本でも読んで暇つぶしをしようと思っていたら、さっきのお父さんも、外に出てきて、向かいのコンクリートに腰かけた。そこで再び「人類皆兄弟」の精神がムズムズしてきて、「今年は雨が多いですね」と私がお父さんに声かけました。するとそのお父さん、待ってましたとばかりに、こちらのコンクリートのところに座席移動。隣にやってきました。お話を伺うと、「おいらは、ニュージーランドで牛をたくさん飼ってんだ」と言う話をし出した。「僕はニュージーランドに行ったことがないけれども、いいとこなんでしょうね」と返しました。でも、そのお父さんの英語が聞き取りにくいったら、お話にならないくらい。お隣のオーストラリアに、小形洋悦さんが留学していた時に、訪ねて行ったことがあって、その時も聞き取りにくいと思ったけれども、今回はその比じゃぁないみたい。コックニーが猛烈に強い。月曜のなマンデイが、マンダイになる以上。まぁ、私の英語も褒められたもんじゃぁ、ありませんから、「お互いさま」だったのが、真実に近いでしょうね。でも、そのお父さんも結構「人類皆兄弟」の精神の持ち主らしく、お互いに話が聴けない割には、相手のことを理解したいという気持ちが、優ってたんでしょうね。

 「私は1週間旅に出てますけれども、お父さんは、何日間のヴァケーションなんですか?」と訊いてみました。すると、「26日だよ」と言います。「日本人は労働中毒ですから、1週間休む人さえ、そんなに多くないんですけど、フランス人は5週間まで連続して休めるように法律ができてますね」と私も答えました。それから、また、「お父さんはこのヴァケーションで、何を一番やりたいと思ってんですか?」と訊いてみた。するとその答えが、生かしてましたね。「特にないね」と言って、また、ニッコリ。このお父さんも、ビッグスマイルがお似合いの、陽気で楽しいおじさんです...。私は、良いこと教えてもらったと感じましたよね。やっぱり、海に入りたいだとか、名所旧跡巡りをしたいだとか、言うことじゃない点に、成熟した西欧社会の豊かさを感じましたね。

 思いがけず、お話が弾んだところで、お父さんの連れ合いの女性が、「お父さん、洗濯ができたから…」と呼びに来た。乾燥機に掛けなくちゃぁね。乾燥は1時間かかるので、私はそこでいったんホテルに帰って、お父さんとは、お互いに「いい話ができまして、ありがとうございました」と握手をしてさよなら。

 

 いい話を伺えて、ちょっぴり心豊かになった経験をシェアいたしましたよ。

 

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