以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

話し合いの結果。。。

2014-07-13 09:15:01 | 日記
「埒が明かないので。。。」と、、、

弊社にモジュール類の再検査依頼が御座居ました。。。

過去にW124のモジュール類一式の補修をネット検索で見つけた業者に依頼したそうであります。

更に、、、ROM交換も奨められたので同時に依頼した結果。。。

モジュールが「施工」を終えて返って来たので実際に装着してみると、その場はよく判らないが良くなったものと判断して、オーナーの中では「完了」と判断していたそうです。。。

まあ、普通はそうでしょうね。。。

で、施工から二年近く経過した現在。。。

アイドリング時にボンネット内がガソリン臭くなり、発進加速も何かモタついた感じがして。。。

MOTバルブもカチカチとチャタリングする事があって何かおかしい。。。

更に、たまに走行中に「ASR」ランプ点灯でスロットル抑制になってしまう。エンジンを一旦切って再始動で正常復帰。

で、、、オーナーさん御自身で色々とネット検索。。。

勿論、ネットには色々な情報が交錯してますのでピンポイントにはなりませんけどね。

まあ、色々と考えた挙句に。。。

メインハーネスやスロットルアクチュエータはモジュール類を修復と同時に交換。。。

エアマスも同時に交換。。。


もしかしたらモジュールで何かが発生しているかもと馴染みの工場さんでDAS診断。。。

すると、LHに不穏な「F」コードがメモリーされていた。。。

リセットは効くが、エンジンをかけてしばらくするとまたメモリーされる。

「F」の内容は「EFPとのCAN通信不良」「ASRとのCAN通信不良」というもの。。。

GMモジュール側でも、電源断裂を示す「F」が残っていて、取り敢えずリセットは効いたと言うお話でした。。。


以上のことから、モジュール類を弄った業者さんに相談したところ、、、

「それは車両側の問題だからウチに関係は無い。モジュールは完璧にオーバーホールした!」

と、、、アフター的対応をして下さる様な感じでも無く、何回相談をしてもお話にならない様なので馴染みの修理工場さんと相談の上で、同車種のモジュール一式を知人から借りてテストしてみたらしいです。。。

すると、、、DAS検査ではエラー無し。。。つまり、故障コード無し。。。

アイドリング時のガス臭さも治まった。。。

試しに試乗してみたら、モッサリ感は失くなり軽快な走りになっていた。。。

さすがに、こりゃあモジュール類以外に原因は考えられない。。。

本来ならばモジュール類を弄った業者にクレームとなる訳ですが、このオーナーさん。。。

「喧嘩しても埒が明かないのは判るし、時間の無駄です。依頼前に事前の打合せや保証関連の確認をしなかった自分にも責任がありますから高い授業料を支払ったと思って諦めます。」

まあ、豆腐に釘、暖簾に手押し的なお話?もしかしたら、それがその業者さんの「方針」かも知れないですからまあ、何とも言い難いですが。。。

特にトラブル勃発!喧嘩上等!などと言ったお話にはなってないんですね?

お客様の御意思で、スイッチする、、、以前にお願いした業者さんから離れると言う事みたいですので平和的と言えば平和的。。。

しかし、再度弊社に御依頼となると、、、イチから検査して原因、状態を把握してお客様と御相談。。。
施工内容を予め説明させて戴いてお見積です。
但し、LHのROMが交換してある場合はノーマルROMに戻す事が大前提になります。その為、どの様な理由でROM交換をするにしてもノーマルROMは絶対に保管しておくのが鉄則です。。。

一連の作業に関してお客様に御説明の上で施工後の保証問題についてもお話させて戴きます。。。

で、御質問には判り易く回答させて戴いて、お客様ご納得の上でお請けさせて戴きます。

平和的な仕事のみお請け致します。。。m(_ _)m


FMCSによる電動補助ファン制御。。。

2014-07-13 01:55:50 | 日記
前回のブログにも記載致しましたが、、、このFMCSシステム開発当初から開発にもお付き合い戴いた最高速号。。。


http://www.geocities.jp/mejironosuzuki/professional/sakiyama/260712.html


ただでさえ水温の高い300E-24Vのこの車種ですから。。。

水温コントローラーを追加して、低速と高速のファンの動作条件以外に任意に設定した水温で補助電動ファンを低速より若干速い回転速度で回転させる。。。

平常時は水温85℃~90℃位で安定を見込んで構想しました。

但し、、、補助ファンの回転速度の設定。。。

当初はレジスターの組み合わせで低速より速い回転速度を設定しておりましたが、レジスターの動作熱の問題は残りボンネット内の温度上昇の原因になってしまったのでは本末転倒というか、、、エネルギーロスが大きく電力損失と電動補助ファンモーター起動時の電力が結構大きな大電力となってしまうというリスクも抱えておりました。。。

そこで、、、FMCS(ファンモジュールコントロールシステム)というシステムを構想しファンの回転速度をPWM制御によって制御してしまおうと言うシステムにて開発にとりかかりました。。。

ただ、、、W124の純正ファンシステムはファンモーターの設計も旧くPWMでの制御には高いハードルが待っていました。。。

ファンOFF時の尋常でない逆起電力の問題やら課題は山積み。。。

当初は、ファンスイッチングをノーマルのプラススイッチングのままで開発を継続しましたが、、、ノーマルのマイナス側を常にアースに落とした状態でのプラススイッチングはただでさえ電源ON時の突入電流の大きさがリレーやレジスターといった各周辺部品に負担を強いること、純正ヒューズの「D」を電動補助ファンの電源ヒューズとしている個体に至ってはヒューズ接触点の過熱による陥没等の問題があることを踏まえ、電動補助ファンのスイッチング方式自体の変更、、、つまりノーマルのプラス側スイッチングからマイナス側スイッチングに変更することによる周辺機器の保護策を講じた上でマイナス側にPWM制御モジュールを追加挿入することで電動補助ファンのPWM回転速度制御の安定化にも貢献しました。

補助ファンスイッチON時の立ち上がりもプラススイッチングの様な「ドン!」といった起動ではなく、滑らかな起動に落ち着きました。

更にPWMでの立ち上がりは殊更に滑らかな起動となりますので、電動補助ファンモーター自体にも優しい設計となります。


PWMモジュールの電源の安定化にも拘り、車両各部からのノイズ対策にもかなり神経質になりました。。。


現在のタイプのFMCS市販仕様一号機を最高速号に装着した上で安定化制御を確認し、、、仕様変更したFMCSを供給させて戴くに至りました。。。

その後、、、数十台のW124に装着致しましたが結果は気温の高い日でも85℃~95℃程度で水温も安定し御好評を得ております。。。


本日は最高速号はA/Cの冷媒が抜けてしまい、A/Cコンプレッサー入らず、低速電動補助ファンが回転しない状態でお見えになられましたが、、、FMCSシステムのチェックと電動補助ファンの動力線の一部高温対策を行いPWM制御の水温動作設定を行い、、、お知り合いの工場さんでA/Cの冷媒を注入して好調になられた様ですね。。。

FMCSも好調に動作していた様なのでコレで今年の夏は快適に過ごせそうですね。。。


電力消費の高い機器にはマイナススイッチングという方式は現代の車ではほぼ常識で、、、安定した制御をするには欠かせない方式になっております。

ソレが毒車にも対応したって話で御座居ます。。。(笑)