二日前の土曜日、新しくわかった疾患の治療のため、電車を乗り継いで、鎌ヶ谷の病院まで行きました。現在のかかりつけの病院にはその疾患の診療科がないからです。
指定された時間は午後一時。かかりつけの病院でつくってもらった紹介状を持って行きました。受付で「初診なので半日かかると思ってください」といわれました。初めての病院、初めての診療科ということも加わって、いやが上にも緊張感が昂まります。
その病院の最寄り駅は東武鉄道、北総鉄道、新京成電鉄の三つの路線が重なる新鎌ヶ谷という駅です。病院はその駅から少し離れているので、送迎バスがあります。院内には広い待合スペースがありましたが、土曜日だったからか、診察待ちか処方箋待ちの人がチラホラといるだけでした。
最初にカウンセラーとの対面。
三十分ほどの面談中、小さいころにイジメに遭ったことはなかったかとか、両親から虐待されたりしたことはなかったかとか、奇妙なことを訊かれました。新しくわかった疾患、と記しましたが、アルコール依存症です。診療科目を聞いてちょっとゾッとするものがありましたが、私が訪ねたのは精神科です。
カウンセラーとの面談が済むと、ケースワーカーとの面談が待っていました。
病気、といっても、私には特段の自覚症状はありませんでした。
ただし、血液検査での肝臓の数値は肝臓癌か肝硬変になっていてもおかしくない数値、ということでした。
しかし、肝臓や関係する臓器に痛みがあったりするわけではないので、異常な数値だ、といわれても、私自身はノンシャランです。
立派なアルコール依存症、もしくはアルコール中毒だと診断されても、ピンときません。病院を訪ねたからにはアルコールを断つことを考えましょうといわれましたが、私としては、断つ、などと徹底的なことには考えが及ばず、少し控えるようにしたいと甘いことを考えています。
提案されたのは、日曜を除く週六日、朝九時から午後三時まで、病院の断酒会に通うこと。それで断酒に成功しても、何週間か何か月か、人によっては何年かあとに酒を口にしてしまう機会がある。酒を呑んだときの快楽というものはなくなっていないので、万が一飲酒を再開する機会をつくってしまうと、前よりひどい状態になって、手がつけられなくなる ― そう脅されました。
手がつけられなくなる、というのは恐怖ですが、それより前に、日曜を除く毎日病院に通うというのにはゲッソリしてしまいます。それも朝九時からというのでは、ラッシュアワーの電車で通勤するようなものです。通勤なら幾許かのサラリーが得られるが、こっちは治療費を払わなければならない。くわばらくわばらと思いながら、ケースワーカーの口を見つめていました。
半日といわれましたが、診察が終わったのは三時間後の四時でした。処方箋をもらえたのは四時半。新鎌ヶ谷で帰りの電車に乗れたのは五時十三分。帰りも行きとそっくり同じ行程で、八柱で武蔵野線に乗り換え、次の新松戸で常磐緩行線に乗り換えて、地元駅に戻ってきたのは六時近くになっていました。
予約の時間に合わせて、庵を出たのは十一時過ぎ。
初診なので検査等があって、すんなり終わることはないだろうと覚悟はしていたので、昼食をとれなくてもいいように、朝食の時間を十時過ぎにずらせるという、私なりの知恵を働かせたつもりでしたが、まさか帰ってくるのが六時になろうとは思いもよらなかったので、ヘトヘトに疲れた身体にムチ打つ思いでかかりつけの薬局へ行きました。
土曜日だったので休みだったのか、すでに暗い時間になって営業を終えてしまったのか、シャッターが下ろされていました。
翌日は日曜日、近場の病院、クリニックはすべて休みので、当然薬局もお休みです。
そして迎えた今日月曜日 ― 。
あいにく、というか、違う言い方をしたほうがいいのか、薬師如来の縁日と重なりました。先月の初薬師で、ふと閃きながらコロナ禍を勘案して取りやめにした佐原行は今月も諦め、ずっと近い草加のお寺へ薬師詣でに行くつもりだったので、行きがけに薬をもらって行こうと庵を出ました。ところが、薬師詣でなどしていられない事態が待っていたのです。
処方箋に記された薬は二種類。なんの疑問も懐かず薬局のドアをくぐった私ですが、渡した処方箋を見た薬剤師は顔をしかめて、次のようにのたまいました。
「あいにくこの種の薬は両方とも常備していません。お取り寄せできないことはありませんが、いつになるかわかりません」
私はなかば絶句。一週間後 ― 処方箋をもらってから二日経っているので、実際は五日後 ― にまた通院することになっているのに、処方された薬を一服も服むことなく再通院か、と驚き、また呆れたのです。
すぐ近くに高齢者いきいきセンターという組織がありました。高齢者である私にはたまたま知り合いの職員がいたのです。かくかくしかじか……と相談すると、その職員は近くの薬局何軒かに電話をかけてくれました。そして、そのうちの一つが、夕方まで待ってもらえれば、取り寄せできるということになったのでした。
今回受診した診療科が近くにないので、鎌ケ谷まで行ったわけですが、診療科がない、ということは、近辺の薬局でも、近くにない診療科で処方される薬品はない、ということになります。つらつら考えてみれば、こういうことは不思議でもなんでもないことですが、医療関係者でもなんでもない私には、あとになってみなければわからないことです。
このところ、脚力の衰えを痛感しています。日課にしている慶林寺参拝に要する時間は往復三十分弱です。参拝帰りには買い物を済ませることにしているので、スーパーに寄って買い物をして帰っても、せいぜい四十五分から五十分。さして長い時間ではないのに、帰り途はドッと疲れているのです。
この日は草加の三覚院というお寺に行くつもりでした。
しかし、出鼻を挫かれて意気阻喪。夕方まで待って、薬を手に入れなければならなくなったこともあり、遠出はとりやめです。先月の初薬師につづいて地元の慶林寺に参拝するだけとなりました。
慶林寺の参道入口に一輪だけ河津桜が咲いていました。
節分の日にすでに開花していた境内の河津桜です。参道の樹よりは花の数が多かったものの、見頃はまだまだです。
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