半袖シャツを出すか ― と思うほどの陽気がつづいています。
毎年、桜が咲く季節には、必ず花冷えという寒い日があるものですが、今年はなかったような……。実際はあったとしても、あったことなんぞ忘れてしまいそうなほどのいい天気がつづいています。
一昨日、新坂川の桜を観ていたとき、そういえば去年の晩春は東福寺の桜を観に行ったんだな、と思い出していました。
流山市鰭ヶ崎(ひれがさき)にある東福寺まで、前の住まいからなら歩いて二十五分ぐらい。今度は少し遠くなって三十五分。
暖かいというより暑いほどの陽気に誘われて、ブラ~リブラリと行ってきました。
距離が遠くなっただけでなく、入口も変わりました。前は仁王門になっている山門をくぐって入るのが一番近道でしたが、今度は裏手から庫裡のほうに出るのが近くなりました。
これまで庫裡は覗いてみたこともなかったので、「当山の沿革」を刻んだ石盤があるのに、初めて気づきました。
山門(画像右の青いシートがかけられているところ)は修理中でした。
風鐸(ふうたく)を撮影、と思ったのですが、東福寺には風鐸がありませんでした。
代わりに釣り燈籠を……。
庫裡につづく中門。真ん中の龍の彫り物を挟んで、こちら側と向こう側に左甚五郎作と伝えられる鴨の彫り物があります。
境内から250メートルほど離れた奥の院にある歴住の墓所を訪ねました。
無惨!
五輪塔ばかりでしたが、地震の被害を免れたのは中央の一基だけのようです。右の二基は崩れてはいないものの傾いています。
いくら大地震だったとはいえ、すでに一か月以上が経とうというのに、まったく手つかずというのはちょっと寂しい。
桜の花が終わりかけると、もうこんな季節です。
あっと思う間もなく暑い夏がきて、また寒い冬がくる。そうして、あと何年残されているのかわからないが、私に残された数年もあっと思う間もなく終わるのであろう。それまでに為すべきことはありやなしや……もちろん、あるのではありますが、為しおおせるかどうか。
そう思いながら、鯉幟を見上げておりました。
ちょっとセンチメンタルな気分になって歩き始めましたが、やがて気分はいっぺんに霽れました。
つづけて二か所で、三匹ずつ六匹もの猫を見たのです。
最初は一棟のアパートの通路奥。
ゴマフアザラシのような被毛の猫を見たと思ったら、それは母猫であったのか、まったく同じ被毛の仔猫が二匹ヨチヨチと出てきました。
鞄からミオを入れたタッパーウェアを取り出して振ってみたのですが、こちらを見るだけで、やってこようとはしません。蓋を開けても、遠過ぎて匂いが到達しないようです。
うーむ残念也、と諦めたら、そこから50メートルも離れていない駐車場で二匹の猫を見ました。こちらは黒白と白の成猫でしたが、やがて車の下に隠れてしまいました。
金網の柵があって、私のいた道路からは少し距離がありました。タッパーウェアを振ってみましたが、残念ながら気づかぬらしくて出てこない。
鞄にしまったあと、ふと見ると、じっと私を見ていた猫が別の場所にいました。こちらは雉(きじ)、あるいは蓬(よもぎ)と呼ばれる毛色でした。
鞄にしまったばかりのミオを取り出そうと慌てた私の所作に驚いたのか、この猫もクルリと身を翻して車の下に隠れてしまいました。
いずれも遠かったので、写真を撮ることすらできなかったのが残念です。
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