~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

絵本・素語り・わらべうた
ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

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第7回 生きがいセンターひかり10月おはなし会

2008年10月24日 | 高齢者の会
今日は、朝からお昼過ぎくらいまでひどい雨でしたね~~
生きがいセンターひかりは、メンバー全員が高齢者の方たちの会なので、お天気が悪いと、皆さん、足もとは大丈夫だろうか?体調を崩している方はいないだろうかと、いろいろ心配になってしまいます。

センターに入ると、係りの方が「振り込め詐欺」の新手口についてお話ししていました。
私も引き続きご挨拶しながら、「ここ何日か、食物を喉につまらせて大変な事態になってしまう事故が続いています・・・・・・・。秋はいろいろ美味しいものがたくさんありますが、良く噛んでゆっくり味わって食べてくださいね。」
と、バイオリンの「愛の挨拶」の前に心配ニュースから始まってしまいました。

 リコーダーのあと、「里の秋」を一緒に歌ったり、金子みすずの詩を一緒に語ったりしました。
皆さん、口をよく動かして、しっかりと発音し、とってもいい声なのです。
火・金のクラスは男性もいるので、やはり響きが広がります。
こういうことを続けていくことも、健康を維持することにつながるのかもしれませんね。

さて、今日のプログラムです。

1.リコーダーデュエット「里の秋」

2.詩 『石ころ』 金子みすず

3.絵本『鬼子母神のはなし』

4.絵本『めぐろのさんま』

5.ひみつの玉手箱 「虫の声」

6.朗読『おこんじょうるり』

今日は、最初の絵本『鬼子母神のはなし』から「お参りにいったことがある」話しの中にでてくる「ざくろを食べたことがある」「ざくろがすっぱくてあまり美味しくない」から「あけび」の話しなり、「あけびは甘くて美味しい」甘くて美味しいは今年の栗となり「栗」の話しにという具合で、なかなか二冊目にいけないほどでした。
初めて、終了時間がオーバーしてしまいました。

私よりも、うーんと上のおじいちゃんおばあちゃんの話を聞くのは楽しくて大好きです。1時間半があっという間に過ぎてしまいます。
今度は、水曜クラスのグループも仲間入りするそうです。
水曜日はどんな方々のグループでしょう。
それぞれ、個性があるのです。
嬉しいですね。楽しみです。

楽しい時間をありがとうございました。また、元気でお会いしましょう。


ゴーシュの会

2008年10月24日 | 趣味話
第三木曜日の夜は「ゴーシュの会」、宮沢賢治の勉強会の日。
この会は、賢治の作品を読みながら、いろいろ語り合い学び、さらに賢治を愛する会です。
賢治の言う、透きとおった本当の食べ物を夕食として食べにくるメンバーが集まっているのだとひとり思っています。

さて、今回から『銀河鉄道の夜』を読んでいきます。まずは、1から4章まで。
 (偕成社)

1.午後の授業~2.活版所~3.家~4.ケンタウル祭の夜までです。
導入部分とされ、現実と夢の狭間のような出来事、星の話の授業中というところから始まっています。そして、物語の主要メンバーがほとんど登場するところです。

今日の箇所が読み終わると、それぞれ、感想はもちろんですが、「賢治はどうして午後の授業から書き出したのか」「登場人物の名前の不思議」「ケンタウル祭とは」など、いろいろな質問を投げかけ、活発に意見しあいます。
年齢は様々ですが、学生の頃のゼミより活気があります。
星にとても詳しい方がいて、星の話もたくさん聞けましたし、すばらしい天の川の大きな写真も持ってきてくれました。

先生は、生徒の台詞、ジョパンニの様子、言葉から、賢治の孤独、愛別離苦についてお話をされ、賢治の童話全般に見える影の薄い母親像、母親と牛乳の意味なども考えてみる点だとお話ししていました。
この物語は考え出したら限がない、深いもの、また未推敲の作品とも言われているので本当に不思議で分らないことも多いです。
想像することでひとつひとつ納得していくしかないものです。
これから年内くらいはこの『銀河鉄道の夜』のことを、歩いては考え、夜がきて星空を見上げては考えることが多くなりそうです。
毎年、りんどうがきれいに咲くような頃は、賢治の星のでてくる作品を読みたくなるので熟読するにはとてもいいし、この作品を読み進める中で賢治を想うのは非常に良い機会を与えられました。

この作品は私も小学校5年生の時から何度も読んできています。
読んでも読んでも読むたびにいろいろ想うのですが、ここ最近、自分が賢治作品を語りだして思うことは、この作品の書き出し部分のことです。
 
「ではみなさんは、そういうふうに川だと言われたり、乳の流れたあとだといわれたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうは何かご承知ですか。」

という先生の台詞が、どうしても賢治が言っているように私にまっすぐ響くのです。

「この川のように見える星ぼしは、子を生んだ母が流す涙のようなこの星ぼしは、この世界全体の死んでいった者たちの魂なのではないか、それは、幸福の光なのか飢えや貧しさ悲しみの光なのか、この星の世界のどこかに本当の幸いがあるのか、本当の幸福は何ですか?みんなはそれを知っていますか。」

と投げかけているように思えるのです。
この物語が、銀河系宇宙の壮大なファンタジーを書いたことじゃないことは確かです。人間誰もがひとり生まれてひとり死ぬという一生。誰もが一つの命で生きるということはみんな同じこと。
その中で、賢治が求めていたものを追いながらまた、私は考える日々。
賢治が37歳で死んでしまったから、その想いを想像して心に留めていくしかないです。
でも、賢治がたくさん詩や童話を水とじゃがいもしか食べないような生活の中で、林や野道で拾い集めて私たちに残してくれていたから、私はじっくりそれらと向き合えます。

どこをどう好きか語り尽くすことのできる賢治ではないけれど、どうしても好きなので、本当に優しい賢治の姿を、想いをこれからも静かに静かに追い求めていくつもりです。