梅雨明けしましたね
今日は火曜語りの会でした。
メンバーの中で、一番若い20代のお嬢さんが、小学生の頃一番好きだったという絵本を持ってきてくれました。
『チロヌップのきつね』
リクエストに応えて今日は、この絵本から始めました。
読んでいくうちに、目の前で大きな目を見開いて聞いていた彼女の目からポロポロ涙がこぼれてきました。
たくさんの想いが溢れたのですね。
かわいいきつねの子どもたちの様子が微笑ましく描かれているところから、一変して、悲しい出来事がおこっていきます。
きつねの親子愛、人間と子ぎつねの触合い、きつねざくらに寄せた約束、そして、密猟者への怒りと胸をつく様々な想いが湧き上がります。
読み終えると、彼女がポツリと言いました。
「子どもの頃に覚えのないことがいっぱいあった」と。
目は真っ赤になって、さらにハンカチで目を押さえていました。
そして、宮沢賢治作『鹿踊りのはじまり』。
一本の白い手ぬぐいを、鹿たちが囲んで何やらおかしなことを言い合います。
風の音も、鹿たちの声も、すすき野原、木々たちもみんな美しく楽しく描かれる賢治の世界があります。
ユーモアと素直さ、のびのびとして、愉快で、心の底から笑みがこぼれる作品だと思います。
今日はまた、賢治の弟、宮沢清六さんの賢治の思い出を書いた文を読み、賢治の生涯を追いました。
すると、賢治の最後の手帳と言われている、賢治手帳のレプリカが手元にあるというのです
レプリカと言っても、もう震えてしまうほど、そのものなのです。
賢治の息吹が、ため息が祈りが痛いほど伝わってくる手帳です。
手に取ってみることができ本当に嬉しかったです
世の人々の幸福を念願していた賢治。
賢治の作品は、固い心も砕けてしまうほどの善意と真実の物語です。
言葉の一つ一つを大切に、心にきれいな絵を描いて語っていきたいです