少し前、自転車好きの知人と話をした時、
その人は、「自転車でどこかに行くというより、自転車そのものが好き、自転車に触れていることが好き、もっというと走らなくてもいいくらい」と言っていて、きっと、この人の自転車はピカピカなんだろうなと思ったことがありました。
「走らなくてもいい」が少しつかえたけれど、その人は、自転車で何十キロも走って楽しんでいるし、ツール・ド・フランスなどを語らせたらすごいし、自転車の構造や種類にも詳しい・・・。
つまり、自転車と共存している生活、そこから何時でも何処でも楽しみや喜びの感覚を味わえる人なんだと思ったのです。
その話の後、私も自転車好きなんだよなぁ~と思いながら、(私は、自転車で走ることが好きですが・・・)自転車に乗っていて、なーんも考えず走っている時の楽しさは、子どもの頃の、ただただ、自転車で走り回っていて楽しかった感覚と変わらない、重なり合うものだなと思いました。
「自転車遊びしてくるね~~」
小学生の夏休み、私は、毎日この言葉を放って自転車遊びに出かけました。
今思えば、水も、おやつも、もちろんお金も持たず、とにかく自分で目的地を決めて、ただ黙々と走っていき、着いたら「あー着いた」とちょっとその回りをかさこそして、葉っぱや木の枝を拾ったりして、また、家に帰るというものです。
自転車に乗るということが楽しく、目的に着いた満足感、往復してもどる達成感が嬉しかったのです。
全然疲れることもないので、楽しかった感覚だけが残るわけです。
最高の遊びでした。
大体は、川や沼、林や森、神社、なぜか、遠くの小学校などを目指してました。
田んぼばかりの田舎で、近所に同年代の友達がいなかったので、自転車遊びは一人でしたが、寂しいと思ったことは全くなかったと思います。
よくあそこまで一人で行けたなあと思う場所もありましたが、道に迷うことはありませんでした。
道も少ないし、家も少ない。
太陽の傾きで時間や、方向も自分でわかっていたように思います。
今、人に道を聞かれた時、私は、東西南北で答える人です・・・。
補助なし自転車に乗れたのは、5歳。
父が後ろを支えながら走り、徐々に手を離していく方法で、随分走れて「あれっ」と思ったら、父がはるか後ろにいた日。よく覚えています
体がしっかり覚えてくれた自転車乗りは、飽きのこない遊び。
技を覚えなくても訓練しなくても、ただこいでまっすぐ走ればいい。
そうそう、「ride on a bicycle」と中学一年生の英語で習った時、嬉しかった。
不規則動詞ride。単語テストに良く出たbicycle。
この単語を書くのが好きだったからしっかり覚えられました
大きくなるごとにタイヤが大きくなり、中高の通学も自転車。
かっこいい自転車を買ってもらって嬉しかった。
それから旅するのに、13段ギアつき。マウンテンバイク、クロスバイク。
長い付き合いの自転車。
私もたまには磨かなくちゃ
私の住んでいるこの辺りでは、自転車遊びをしている子どもをあまり見かけません。
移動手段でなく、もっと楽しく乗って欲しいなと思います。
夏の草原に出て、子どもも大人も自転車遊びの夏を楽しんでくださいね