冬の大根は、白くて大振りで瑞々しい。
ざっくり切って煮込むのが美味しいですね。
冬の定番は、旬のぶりと合わせて炊くぶり大根。
切った時の音と、そのままバリッと食べてみて、その甘みで味付けは調節。
今回は、ゆっくり煮含めて薄味に仕上げましたが、それぞれの味が引き立って良いお味になりました。
昼過ぎから作りました。徐々に冷めるときに味がしみ込むのですものね。
煮物はやはりゆっくり時間をかけるのが美味しさの秘訣ですね。
「食べるとは、命をいただくこと。だから、その命を活かす様に丁寧に料理すること。母の心全てをこめて。」
青森の岩手山の麓にある「森のイスキア」の佐藤初女さんのことばです。
テレビや著書で知りました。
初女さんのおむすびは、「森のイスキア」を訪れる、心に悩みや苦しみを抱えている人の心をすっと楽にしてあげる、優しいおむすびだそう。
初女さんは、「森のイスキア」に訪れる人と会い、話しをし、その人の為に食事を作り、そして一緒に食べます。
初女さんの料理する姿は、慈愛に満ちているのです。
ゆっくりと、季節の野菜をひとつひとつを愛しむように作るのです。
その優しい美味しさを噛み締めながら、味わいながら、訪れた人は、少しずつ、心の居場所を取り戻しまた帰っていくというのです。
「美味しいものは、透き通っている。野菜も茹でた時、美味しく茹った時は、透き通っているもの。それが一番おいしいところ。」初女さんのことば。
下ごしらえひとつも丁寧に。
これは、ストレートな優しさですね
毎日の家事も、電源を入れれば手をかけなくても出来るこの時代。
便利で短縮されている時間が、ぼやっとしていたら、いつの間にか忙しいという時間に支配されてしまいそうな日々。
料理をする時くらい、しっかり手を使わなければ、料理を作る楽しみの感覚もにぶってしまいますね。
生きてる喜びのひとつ。楽しみのひとつですものね。
と、こんなことを考える時、実家での朝の匂いが不意に鼻を付いたりします。
台所に湯気が立って、母が野菜をとんとん切る包丁の音が響いていました。
お味噌汁の匂い、しゃけを焼く匂い、青菜の茹で汁の匂いなど、美味しい匂いがいっぱいで、その匂いの中に、起きてきました。
お腹も反応し、朝からたくさん食べる私でした。
それが、毎日の当たり前の朝ごはん。
私は母が、楽しそうに料理している姿しか思い浮かびません。
たくさん食べるほど、褒められました。
よく食べる子に育ちました!
母は、今でも料理の手順は変わっていません。道具もです。
良いことを教わってきたはずです。
シンプルでも、五感が喜ぶ料理を心がけたいと思います。
透き通った一番美味しい時を見逃さないように。
子どもたちの心と体が元気に育つように